中国春節(旧正月)休暇の三が日明けの2月22日、中国各地の観光地が人波に溢れる様子

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

2015年2月22日、中国の春節(旧正月)に入ってから4日が経つと、多くの人が春節の長期休暇を利用して中国全国各地に旅行に出かけ始めた。全国各地の観光地や寺院などは正に人の山になっており、中国での国慶節(建国記念日)の長期休暇とほぼ変わらない人手となっている。

北京・故宮博物院

2015_Chinese_New_Year_春節_旧正月_1

2015_Chinese_New_Year_春節_旧正月_2

2月22日は北京は春節に入ってから初めての晴天となった。数万人の旅行客が故宮博物院に押し寄せ、故宮は羊年を迎えてから最高の入場客数を記録した。中新社 張煒撮影(中国新聞網)

南京・夫子廟

2015_Chinese_New_Year_春節_旧正月_3

2月22日の南京の夫子廟は初詣に訪れた南京市民と旅行客でぎゅうぎゅう詰めとなった。灯市と呼ばれる市場や、科挙の文化を味わうために人の波が押し寄せ、初詣の雰囲気でいっぱいとなっていた。春節休暇は既に半分を過ぎたが、各地の観光地は人の流れが絶えず、賑やかさにあふれている。中新社 張煒撮影(中国新聞網)

南京・中山陵

2015_Chinese_New_Year_春節_旧正月_4

2月22日の南京・中山陵にも観光客が押し寄せてすし詰め状態となっている。写真:中国新聞網

海南島・三亜・亜龍湾ビーチリゾート

2015_Chinese_New_Year_春節_旧正月_5

2月22日、中国最南端の海のリゾート、海南島三亜の亜龍湾ビーチリゾートは観光客で正に”芋を洗うよう”となった。観光地に向かう道も渋滞とり、午前に三亜市内から約20キロ離れた亜龍湾ビーチリゾートまで行くのに2時間かかるほど。砂浜も人の山となり、海は正に芋を洗うよう、空にはパラセーリング、海上はモーターボートやバナナボートなどで溢れるなど、陸海空全てが人でうめつくされた。三亜は旅行シーズンのピークに入っている。(写真:中国新聞網)

マカオ特別行政区

2015_Chinese_New_Year_春節_旧正月_6

2月22日のマカオ(澳門)には、大量の中国大陸からの旅行客が押し寄せ、もともと非常に狭いマカオは観光地としてキャパの問題に直面している。大陸とマカオの間を隔てるボーダーの他にも、マカオの警察もメインストリート新馬路で交通整理を行っていて、前線でもバックヤードでも多くの警察官の努力によって交通が混乱なく保たれている。写真はマカオの警察が人の群れの中で交通整理をしているところ。写真:mayokyo/東方IC(中国新聞網)

画蛇添足

春節は、昔から生活が苦しく、出稼ぎに出ている人達の殆どが1年に1度しか家族に会えないお休みで、できるだけ長く帰省して故郷で家族団らんを楽しむための休暇だった。

しかし上記のニュースの通り、三が日を過ぎたらあっという間に観光地が人波に溢れるという状況を見ると、だんだん中国全体で春節の色が薄れ、単に長期休暇になってしまっている現象が垣間見えるような気もする。もともと都市に住んでいる人にとってはそうだったし、個人が豊かになってきたことでより便利な都市への人口の流入がそれに拍車をかけているのだろう。また逆に地方都市や田舎にもビジネスチャンスが増え、人が戻ってきていることも示していると思われる。

そしてもう1つの問題として、中国の全体的な経済がよくなっていることが影響して、春節で田舎に帰ると大量の”紅包(お年玉)”やお土産を配らなければならないというプレッシャーもある。出稼ぎで月数千元(数万円〜10万円そこそこ)の収入しかない人が、田舎に帰ると”紅包”を含むお土産の予算に1万元以上〜数万元(20万円〜100万円)ほど用意するのは当たり前という話を身の回りで聞く。そんなことをやっていたら、自分の生活さえままならないだろう。中途半端なものを配っては喜んでもらえないどころか、稼ぎが少ないなどの陰口をたたかれることもある。そんなことをするくらいなら、旅行に出て自分のために使ってしまった方がマシだという考え方も出てくるのはおかしくない。そんな背景も春節の旅行客を増やす原因になっている可能性もある。

■それでももらうとやっぱり嬉しい紅包。。というところだろうか(笑
拿红包的美女3

マカオや香港などの特別行政区は、もともと非常に狭いところに中国大陸の観光客がますます増える傾向にある。現地にとっては観光も多くの”外貨”獲得のための重要な資金源ではあるが、ますます大陸の人が行きやすくなっているだけに今後も交通整理を行っていく必要があるだろう。

なお、日本を訪れる中国人が非常に増えているのも、円安やビザ取得条件の緩和という要素と共に、上記のような背景もあるからなのではないかと思う。これは日本にとっても外貨を稼ぐ圧倒的なチャンスだ。幸い、中国人は日本の製品を気に入ってくれているようだ。これを機にどんどん儲けたらいいのではないかと思う。中国人向けインバウンドビジネスは今がチャンスだ。

もちろん日本だけではなく、今年の春節でも海外に出かける旅行客も多かったようだ。お土産を山のように買ういわゆる”爆買い”中国人は各地で歓迎されるだろう。しかしそれと同時に今後国外では中国人のマナー問題は更に深刻になっていくことだろう。ただそのことがいずれ中国の公共道徳の改善に繋がっていくことに期待したい。衣食足りて礼節を知るというのもあるし、やはり大国という自負が増えれば増えるほど、外からの目は気になるものだからだ。

記事は以上。

(出典元:Tencent News

Visited 109 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人