Appleの中国直営店、新型コロナウイルスの影響下でも過半数が既に再オープン

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湖北省武漢市を発端とする新型コロナウイルス(COVID-19、新型肺炎)の影響によって、さすがのAppleも今月頭に中国全土のApple Store(直営店)をクローズしていましたが、その後徐々にAppleは直営店を再開し、ロイター社の報道によると、記事投稿時の2020年2月25日現在、ほぼ過半数のApple Storeがオープンしている状況となっています。

Apple 蘇州

具体的には、全中国の42の実店舗のうち、29店舗が既に再開しています。Appleは売上げの多くを中国(Apple的には”大中華圏”とひとくくりにしていますが)に依存していることから、その業績の悪化を少しでも和らげるため、積極的な再オープンを進めているといえそうです。

なお、Appleの直営店に入るには、マスク着用が必須で、また入り口で体温検査を受けなければなりません。ちなみに現在中国全土の大型小売り店舗やショッピングセンターは全てこの決まりに従って入店者の管理をしています。

Appleは今四半期の売上げが、今回の新型コロナウイルスの影響により、前四半期の決算レポートで出されていた予想を達成できないことは既に発表していました。その主な原因は、中国の生産工場全体が新型コロナウイルスの影響で旧正月明けの再稼働が遅れていたり、再開できても人員の移動が制限されていることから稼働率が非常に低かったりする「製造上の原因」と、そして同じく新型コロナウイルスによって小売店が再開できないという「販売上の原因」に大きく分かれます。

中国自体は巨大な市場です。前四半期のAppleの収益は136億ドル(※香港・台湾・マカオ・シンガポール含む大中華圏ですが)で、全体の収益の約15%を占めました。現在中国では全国的に外出制限が行われているため、小売り店はまだまだ閑古鳥が鳴いている状況ですが、まずはAppleが率先して店舗を再開することで、市場全体が活気づくかもしれません。なお、ネット上のApple Storeは現在でも正常に運営しており、他の小売店舗も殆どをデリバリー販売に頼っている状態です。なお、中国国内の物流は多少の遅れはあるものの、特に問題なく運営されています。

中国で殆どの国民が引きこもっている間、一番使っているのはスマホやパソコンなどではないかと思われます。そういう意味ではApple製品はこれまで以上に中国で使用されているかもしれません。修理の需要などはあると思いますし、Appleのエコシステムの魅力が更に拡がっている可能性もあります。

なお、新型コロナウイルスは現在日本や韓国を含む中国以外の国にも影響を与え始めています。まずAppleの株価は今日、他国での流行の報告が増えていることから、4.75%下落しています。また他社の株も下落傾向で、ダウ・ジョーンズ工業平均で1,000ポイント以上下落しています。日経平均も1000円以上値下がりするなど、日本の経済にも影響が出るのは間違いありません。

間違った情報は気にすることなく、できるだけ不要不急の外出はせず、ともかく外ではマスク、また頻繁に手洗いをするようにするのが鉄則かと思います。私も1〜2月は日本に2回ほど帰りましたが、日本、特に人が集中している東京ではともかく対応が遅れている、というより殆ど何も対策を打っていない状況ではないかと思われました。私は現在中国に戻っていますが、以前から引きこもりで仕事をしていたのであまり変わらない生活です。皆様、ご自愛ください。

記事は以上です。

(記事情報元:ロイター社

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