3年でAppleを再革新!ティム・クックの4つの手法とは

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Apple(アップル)の共同創業者で前CEOの故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)と、その後を継いだCEOのティム・クック(Tim Cook)。この2人の対照的な人物が相次いでAppleを率いて、同社は世界最高の利益をたたき出す企業にまで成長した。

昨日の中国のニュースサイトCnBetaにそんなクックの、ジョブズと違う手法について面白い記事が書かれていたので翻訳(一部意訳)して紹介したい。

2011年8月24日に、スティーブ・ジョブズがAppleのCEOを退いたとき、Appleの未来は不確定要素に満ちあふれていた。

数週間前、Appleは世界で市場価値が最も高い会社になった。その原因にはもちろんiPod、iPhoneやiPad等の製品の成功があり、これらはスティーブ・ジョブズという天才に依頼していたところがあった。消費者であろうとアナリストであろうと、物腰が柔らかいクックがCEOを継いだとき、Appleに新たな輝きをもたらすことができるかについては半信半疑だったであろう。

Tim_Cook_Apple_CEO

しかしあれから3年後の現在、クックに対するその疑念は次第に少なくなっているようだ。先日四半期財務レポートや次世代iPhone「iPhone6」への期待の影響から、Appleの株価は最高値を更新した。これは投資家がクックが率いるAppleについての好感度を表していることを示している。

クックはジョブズの時代とは違って、以下の4点の相違点と改革を行い、Appleを更なる高みへと導いてきた。

1. 中国重視戦略をとった

ジョブズはAppleのCEO任期中には中国に行ったことはなかった。なぜならそれは当時のCOOのクックの仕事だったからだ。そしてクックがCEOになってからは、クックは更に頻繁に中国を訪問するようになり、政府の役人と会ったり、Appleの中国の工場などを視察したりしている。最も重要な決定は、昨年Appleが世界最大のキャリア中国移動(China Mobile)と組んでiPhoneを売り出したことだ。クックは中国の市場を非常に重視しており、それによって非常に大きな見返りを得ることに成功した。中国はAppleの成長が最も速い市場となり、最近一四半期だけで59億ドル(約5,900億円)の収益をAppleにもたらしている。
クックは中国がいずれAppleにとって最大の市場の1つとなるであろうと考えているのは間違いない。

2. 株の買い戻しをした

投資家はAppleが保有している1,600億米ドル(約16兆円)の現金の貯蓄をもっと有効に使って欲しいと考えていた。ジョブズがCEOだった時代は株を買い戻す提案を無視し続けたが、クックがCEOになってからはそれを実行に移し、900億米ドル(約9兆円)分の株を買い戻した。これを多くの投資家が評価し、株価が上がっただけではなく、同社の財務レポートをより見栄えのよいものにした。

今年の年初には、株の買い戻しの規模は更に拡大し、2012年9月以来あまりよくなかった株価を少々戻すことができた。今年の第一四半期で180億米ドル(約1兆8,000億円)の買い戻し計画も、Appleに25%の株による収益をもたらした。

3. コア製品の多様化

Appleの財務上での成功の秘訣は、製品の種類が少ないのに販売量が多いことだ。クックはCEOになった後、その戦略に微調整を加えた。それは、iPadとiPhoneのシリーズにバリエーションをもたらしたのだ。それはiPad miniとiPhone5cだ。Appleは各製品ごとに競争させようとしているわけではないのだ。Fiksu社のデータによると、iPad miniは2番目に売れているiPad製品になっている。しかし最も重要なことは、クックは新製品のコストを増加させているのと同時に、高い利益率を保っていることだ。ジョブズは製品の開発、クックは事業の拡大と利潤の増加に長けているとアナリストは分析しているし、一般ユーザから見てもそうみえるのは疑問の余地がないだろう。

4. 他社の買収と提携の強化

AppleはジョブズがCEOだった時代には他社の買収は非常に少なく、また大多数が規模が比較的小さいものだった。しかしクックがCEOになってから既に23社の買収をしており、また規模についても30億ドル(約3,000億円)もの大金でBeatsを買収したことも記憶に新しい。これはBeatsの音楽と営業に関する人材の買収ともいえ、このことはApple自身のクリエイティビティが次第に失われていることを表しているともいえる。いずれにせよ、大規模な買収はクックが外部からの助けを借りることに何のためらいも感じていないということを表している。

先日Appleがジョブズがあれほど牙を剥いていた仇敵IBMと提携し、エンタープライズ(企業)向けアプリの開発を共同で行うことを発表したことなどは最もわかりやすい例だろう。もちろんジョブズもマイクロソフトやIntelと組むなど人々を驚かせはしたが、その例は非常に少なかった。

当然、クックの時代にも恐らく全く新しくイノベーティブな製品はリリースされるだろう。例えば噂が絶えないウェアラブルデバイス「iWatch」などだ。しかしiPhoneの販売量がますます増えている昨今、投資家はクックと彼が率いるAppleに対して基本的に満足しているようだ。もしジョブズが一人の革新者で夢想家であるなら、クックは優秀な商人か経営者ということになる。

そんなクックが今後どのような方策を打ち出しAppleを率いていくのか、そして投資家や消費者をどのように喜ばせてくれるのか。。今後の動きに注目したい。

記事は以上。

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