Apple公式の数字でわかる、iOS8が史上最もバグや問題が多いiOSに

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

Appleは今週、最新iOSのiOS8.1.1をリリースした。表面上ではAppleは非常に頻繁にiOS8のアップデートをリリースしており、とてもがんばっているように見える。しかしそれは同時に、頻繁にアップデートをしなければならない事情があることを表している。事実、ユーザのiOS8に対する評価は散々なものだ。

そしてユーザだけではなく、元内部にいた専門家までもその点を指摘する。以前Appleで勤務していたというソフトウェア品質エンジニアのDaniel Jalkutは、メディアに対し”私は以前iOSシステム全体の品質に感心していたが、今はiOSに現れる多くのバグに驚かされている”と述べているほどだ。

2014-11-21-11-44-25

Crittercismは携帯アプリにテクニカルサポートを提供している企業だ。同社が収集したデータによれば、iOS8に対して1ヶ月行ったテスト結果によれば、クラッシュ率が60%を超えたという。

そして、第三者の調査のみならずApple公式のデータもiOS8が抱える問題を浮き彫りにしているのだ。

Appleが提供しているデータでは、一昨年のiOS6のアップデートでは、6.1で4つのバグ、6.2で1つ以上のバグが修正された。その後昨年iOS7の時代になり、iOS7.0はバグの修正が少なかったものの、iOS7.0.3では8〜9個ものバグが修正された。全体から見れば、iOS6は21個、iOS7では27個のバグが修正されたことになる。

では今年のiOS8はどうか。リリースされてから2カ月で既に4回のアップデート(8.0.1,8.0.2,8.1,8.1.1)がなされており、既に23個ものバグが修正されている。iOS8.1.1ではAppleはバグの数量を明らかにしていないが、たったの2カ月で既に少なくとも23個も修正されているということは、史上バグ最多iOSという不名誉な称号が与えられても仕方がない。

iOSシステムの品質が低下している原因について、アナリストの分析は上記の数字が全てを代表するわけではないとしている。バグが増えるということは、iOSがますます複雑化していることを示している。Appleは既に従来よりもハードウェア製品ラインナップを大幅に拡大しており、現在のAppleは4種類のiPhone、5種類のiPad、そしてiPod touchまで販売している。またこれらのiPhoneやiPadが数百を超える世界中のキャリアのネットワーク上で稼働していることも、iOS8にかつてないほどの複雑化をもたらし、バグを抱えさせる要因でもあるという。

もちろん、それ以外にも品質低下の原因はある。AppleはiPad4やiPad miniがリリースされた頃から、iPadのリリース時期を晩秋に設定した。iPhoneも長らく毎年秋にリリースされている。リリース周期を設定することで、ある程度半端なものでもリリースせねばならないという事情もあるだろう。CEOのティム・クックは半端なものをリリースするくらいならリリース時期を遅らせるとかつてインタビューで語ったことがあるが、同社に最大の利益をもたらしているiPhoneのリリース時期を毎年秋に設定していることは既に言行不一致だ。

もう一つのApple寄りの言い方としては、iOSのメジャーバージョンアップリリース時期は初秋なので、Appleは新型iPhoneやiPadが出るたびにアップデートを行い、新しいデバイスに対応しているともいえる。

Appleはハードウェア製品のリリース周期に合わせて、ソフトウェアの更新を行うことでバグをパッチしている。そしてiOSは常に新型iPhoneのリリース前にリリースされることになっている。それはハードウェアがリリースされる前に多くの既知のバグがあるためだ。来年のiOS9のリリース時には、AppleはやはりまずiPhoneがリリースされる前にそれをリリースし、販売される前に既知のバグを修正するだろう。そう考えれば、iOS7の時代にも既に多くのバグがあったのだろう。

Appleのバグの修正は明らかに過去よりも多くなったが、公式サポートページなどではこれらのバグがどのくらいのユーザ数に影響するかについては明らかにしていない。しかしiOS8の適用率が過去のiOS7ほど伸びていないことが、その品質低下がユーザに及ぼす影響を如実に表しているといえるだろう。
iOS8はまだ始まったばかりだが、既にiOS8.1.1となっている。今後も多くのバグが修正される可能性があろう。

Appleは製品ラインやソフトウェア機能をもう少しシンプルにしてもいいのではないだろうか?いらないものを切り捨てる、多くのものにノーといい、シンプルに必要な機能だけ提供するのがこれまでのAppleの社風ではなかったか?

記事は以上。

Visited 85 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人