Appleに頼りすぎず、マイペースに!GT Advancedの倒産から学ぶ教訓

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Appleのサファイアガラスディスプレイサプライヤー、GT Advanced(以下GT) が破産宣告した後、多くのアジア地区のAppleのサプライヤーは様々な思いが頭をよぎっただろうが、必ずしも恐怖を感じたわけではないようだ。Appleの長期パートナーとして、これらのサプライヤーは今回のGTの倒産から以下の二つのことを教訓としたはずだ。1つはAppleに頼りすぎないこと。1つは自分でできないことをコミットしてはならない、ということだ。

2014-11-21-17-45-02

iPhoneの組立工場として有名なPegatron(ペガトロン、和碩)のCFO、Charles Linは”GTに発生したことは我々には発生しない”と語っている。
ペガトロンは2011年にApple iPhoneのサプライヤーとなったが、当初の加工レベルはそれほど高くはなかった。内部情報に詳しい情報筋によれば、転送バンド規格が基準に満たなかったため、iPhoneを製造し始めてから一年強で多くの金銭的な損失があったという。業界ではペガトロンは収益率に問題があったといわれている。その後、ペガトロンは大量のPCの受注をとり、それによってiPhoneの損失を補填し、加工レベルもじわじわと上昇し、現在ではiPhoneの組み立てがペガトロンの主要な収入となっている。

台湾はアップルのサプライヤーが集中しているところだ。台湾にはiPhoneやその他のデバイスの組み立てだけではなく、CPUやカメラ、シャーシなどのハードウェア部品も担当している。そのサプライヤーたちのほとんどの収入はAppleからの大量発注によるものだが、彼らはこの大顧客に頼りすぎないことを学んでいる。Appleは定期的にサプライヤーを変更するため、他の顧客をできるだけ確保し、Appleにもし捨てられても生き残っていけるようにしているようだ。

とあるAppleのサプライヤーによれば、”Appleはサプライヤーに、新製品の供給が市場の需要に間に合うように、常に生産ラインを拡張するように要求する。しかしそれについてはAppleの言いなりにならず、自身で判断する必要がある。なぜなら大きな発注書は数ヶ月しか持たないからだ。例えばAppleが100本の生産ラインを増設しろと要求してきた場合、我々はゆっくりと、しかも50〜60本しか増設しないのだ”という。

台湾のタッチパネルメーカーの勝華科技公司はAppleの要求にあわせて生産キャパを大幅に拡張したため、かつてAppleのiPhoneとiPadのディスプレイメーカーとして二番目に大きいサプライヤーとなった。しかし情報通によれば、勝華は経済成長の背景と前途を過大評価しすぎて会社の設備投資をしすぎた上、最終的にAppleが更に軽く薄いディスプレイを使うために新しい技術に切り替えたため、それに追いつけなかった勝華は新しい受注をとれなかった。結果、ここ数年経営不振でにっちもさっちもいかなくなっているという。

他にもいくつかのサプライヤーが、GTの倒産で明らかになった、Appleがサプライヤーに対して要求していた理不尽な要求の受け入れを拒絶しているという。なぜならあまりにも自主性がなくなってしまうからだ。

一方、とあるサプライヤーの幹部の話では、”一部のサプライヤーがAppleからの受注を受けた後、生産設備に対する投資を減らすところがあるのを知っている。これらの設備はApple製品専用で他に使えないからだ。しかしこのような動きをすることは実はリスクが高い。なぜならAppleからの受注が減った時に、そのサプライヤーは製造リソースを調整する能力が制限されてしまうからだ”と漏らしている。

Appleとの長期パートナー契約を結んでいるサプライヤーも、Appleとのコミットメントを限定的にすることで自社の保護を図っているという。とあるサプライチェーン内情に詳しいマネージャーによれば、”日本のサプライヤーがAppleに対してコミットメントをする場合、GTよりも保守的になっている”という。

実際にAppleのサプライヤーになることは容易なことではない。調査によれば、Appleはコストダウンのためにここ数年で社内にサプライチェーン調達管理チームを作ったという。内部情報に詳しい人によれば、そのチームのメンバーは直接サプライヤーから引き抜いた人たちで形成され、彼らは工場の本来のコストについて知り尽くしているという。そのチームからコストダウンを具体的に要求されるのだから、工場としては非常に厳しくなる。

Appleの協力メーカーはApple製品に関する自社の利益率が、Appleからの部品コストダウンの度重なるプレッシャーにより大きく下がっていることにとっくに気づいている。それと同時にAppleもサプライヤーの工場に対する監視体制を強め、Appleの厳しい規定を守っている工場はコストが上がるというジレンマに陥っている。

当然、Appleはこの件について何らコメントをしていない。

しかし上記のような状況があったとしても、それでもAppleからの受注をのどから手が出るほど欲しいというメーカーがたくさんいるのも確かだ。

とあるサプライヤーはこう漏らしている。
“Appleは確かに取引先に対して厳しい企業だ。しかし我々はやはりAppleと一緒に仕事をしたい。なぜならAppleのイノベーティブなデザインと新しいテクノロジーへの渇望は、我々の開発能力も同時に高めてくれるからだ。”

今のAppleにそこまでのイノベーティブなものがあるかどうかは別として。。

記事は以上。

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