伝記本が伝えなかったスティーブ・ジョブズの6つの物語

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Steve-Jobs_story_1

Appleの共同創業者のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)の一生はまるで1冊の本のようだった。
多くの人がその本を紐解き、
この機嫌がいい時と悪い時の差が激しい希代の起業家の、
もっと多くの物語を読んで理解したいと感じているはずだ。
我々は既に多くの伝記本でジョブズのことを読んできたが、
しかし伝記本は彼のことを理解するための1つのチャンネルでしかない。
ジョブズのファン達はもっと他のチャンネルを通じてジョブズの面白いエピソードを聞き出している。
ジョブズの生前からの付き合いのある人や同僚から聞き出された、
伝記本からは伝わってこない6つの物語を紹介しよう。
元記事は中国のWeiPhone(中国語。記事はこちら)。

1. ジョブズは情熱を尊重していた

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我々がよく耳にするのは、ジョブズが非常に付き合いにくいボスだったということだ。
しかしそれほど多くの人が、そのパッションがジョブズを「付き合いにくく」させていていたことを。
ジョブズと共にAppleを立ち上げたスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak、以下ウォズ)が、
≪ミルウォーキービジネスマガジン≫の取材を受けたときにこうジョブズのことを評価している。

「彼は直接従業員を批判するんだ。
もう殆ど彼らのことをバカとかマヌケなどと罵るんだ。
でもあなたは知っているかい?
もし従業員がそれに反駁して、
なぜ彼らがそれを正しいと感じているか、
また彼らがテストと学習の段階であることを説明すると、
ジョブズはそんな従業員を特別に尊重し、
そして彼らに社内での特権を与えたりするんだよ」
彼の前で恥ずかしがって声を出せない従業員よりも、
勇気を出して彼に向かって自分の考えを述べる、
そんな情熱溢れる従業員の方をジョブズは尊重していたのだ。

2. ジョブズはチームを信頼していた

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ジョブズは自分も間違いを犯すことを知っていて、
完全に彼のチームが自分の間違いを指摘し、修正してくれることについて非常に信頼していた。
これはAppleの以前の小売の主管だったロン・ジョンソン(Ron Johnson)が、
スタンフォード大学ビジネススクールの取材を受けたときに以下のエピソードを暴露している。

2001年5月、Appleが初めてApple Storeを出店する前、
ジョンソンは車を運転してジョブズと一緒に毎週の定例会議に向かった。
ジョンソンはその時にジョブズに対してこう直言した。
「私たちのApple Storeの店舗デザインは、製品を取り囲むような場所になっています。
でももし我々が音楽や映画イベントを取り囲むとしたら、どのようにするでしょうか?
店舗デザインはそのようにやるべきではないでしょうか?」と。
ジョブズはそれを聞いて
「君はその変化がどれだけ大きいかわかっているのか?
私にはもう一度リテールストアをデザインする時間がないんだ」と答えた。
しかし10分後、ジョブズは会議室に入るなりこう言ったという。
「そうだな。ロンは我々のリテールストアのデザインが完全に間違っていると言った。
彼は正しい。だから僕はここから出よう。
ロン、君は残って彼らと一緒に新しいリテールストアのデザインに取りかかってくれ」

3. ジョブズは相手を理解していた

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最近退職を表明したAppleで最も古くから取締役を勤めていたビル・キャンベル。
昨日、彼はAppleにいたときの古いエピソードを述べている。

ジョブズが生きている頃、テクノロジー企業の多くのトップはキャンベルに教えを請い、
キャンベルもそれに対して情報を分かち合うのを楽しみにしていた。
しかしそのことはジョブズを怒らせたようだ。
キャンベルは「もしジョブズがあのことを知ったら、彼は必ず私にこう言うでしょう。
“もしあなたが彼ら(敵)を助けたら、私はとても辛い。”」
今思い起こせば、ジョブズが怒る理由もわかる気がする。

4. ジョブズは企業の市場戦略をプランニングしていた

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VMwareのCEOだったパット・キッシンジャー(Pat Gelsinger、その後Intelに入社している)が、
AppleのMacがなぜIntelのCPUを採用したかを語っている。
「私とオッテリーニ(前Intel CEO ポール・オッテリーニのこと)がジョブズと彼の助手と会ったんだ。
私たちが会議室に入った後こう言った。
スティーブ、私たちと一緒に協力してやっていこう、
あなたたちのMacをもっと企業ユーザに最適化できるよと。
ジョブズは私たちを見てこう言った。
何で私があのほんの一部のCIOがデザインしたパソコンを買わなきゃいけないんだ?とね。
その時現場に居合わせたスタッフは全員それはもうビックリしたよ。
なぜならIntelは、3分の2の業務は企業のCIOに向けたものだったからだ。
ジョブズは更に続けてこう言った。
私はもっと大衆、普通の消費者向けにパソコンをデザインしたい。
私のデザインでCIO自ら妥協させたいね」

現在振り返ってみれば、AppleとIBMの協力関係は戦略的に成功だった。

5. ジョブズはクリエイティブを尊重していた

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広告リサーチ会社Ace Metrix社は、Appleの広告を「説得力があり、鑑賞に値するもの」と評価していた。
しかしAppleの前広告責任者でクリエイティブ・ディレクターだったケン・シーガルはその評価は完全に笑い話だという。
スティーブ・ジョブズがどのように広告を評価していたか知っているだろうか?
彼は広告をぱっと見て、「私は好きだ」か「私は嫌いだ」でしか評価しなかったのだ。
広告が放映されても、彼はこのような反応で広告の善し悪しを測っていた。

Ace Metrixのような評価方法はクリエイティブを潰すようなものだ。
スティーブはそのような考え方を容認することができなかったのだ。
Appleの歴史の中で、ジョブズがいた頃の大量の素晴らしい広告が、
彼の広告に対する検証のプロセスを物語っているといえるだろう。

6. ジョブズは非常に誠意がある人物だった

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Appleで以前デザインを担当していたハルトムット・エスリンガー(Hartmut Esslinger)は、
我々のジョブズに対する見方を改めるべきだと述べている。
彼は雑誌の取材に対し、以下のようなエピソードを語っている。

「私はスティーブの大衆におけるイメージが間違っていると思う。
ともかく伝聞系の噂が多すぎる。
実は彼は非常に誠意がある人で、才能に満ちあふれていたんだ。
彼には人に見えないものが見えた。彼は非常に勇気を持っていた。
彼は自分にはそれほど構わなかった。
そして彼はクリエイティブを受け入れ、それを尊重した。
彼はこんなことを言っていたことがあるよ。
“そうだ、私ができないことを、あなたがやってね”と。
これは私がスティーブから学んだことだ。
自分は全能ではない。
自分が何ができるか、そしてできないことは他人と協力してやるしかないことを、
認めざるを得ないのだ。
スティーブは非常に賢い人だった。
彼が怒る原因は、他人が愚鈍であることを許せなかったり、
彼自身が不誠実と無責任を受け入れられなかったからだ。
彼には彼の優れたところがあったのだ。
彼に対していまだに恨み言を言う人も多いが、彼は本当にいい人なんだよ」

ジョブズのエピソード、楽しんでいただけただろうか。
気まぐれとか、手のひらを返すとか、口が悪いとか、
せっかくプレゼントされたMacを窓から投げ捨てたとか、
色々な悪口を言われるジョブズだが、
実際は彼自身が消費者のために最も良いと考えるものを作り上げるために、
一切妥協をしなかったことから生まれた言動であり、
そしてそれが自分だけではできないことを彼は知っており、
彼と同じ目標に向かって情熱を持って突き進むスタッフを彼は尊重し、
そうではない人に対しては理解できず糞味噌になじったというだけのことだろう。

これからもジョブズと直接交流のあった人物達から、
より多くのエピソードが語れることに期待して記事を終えたいと思う。

記事は以上。

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