Appleのティム・クックCEOに新たな試練!?
英国の≪フィナンシャル・タイムズ≫の報道によると、Appleがアイルランドで違法脱税によってEUからとんでもない金額の罰金を科せられそうだとのこと。
Appleとアイルランド政府の間に交わされた税務協定にEUのメスが入る
Appleはこの20数年間で得た利益をずっとアイルランド政府と共に決めた違法な税務処理によって申告していた可能性があるという。EUはこれに関する調査結果を間もなく公開する予定で、その結果次第でAppleは数十億ユーロ(数千億円)の記録的な罰金を払わなくてはいけなくなるかもしれない。
事情を知る人物からの情報として、EU委員はAppleのアイルランドでの税務処理調査について初歩的な結論を出しており、このシリコンバレーの企業がアイルランド当局と”ブラックボックス取引”をしており、長年2%という超低税率を適用されており、違法に政府による”補填”を受け取っていたとされている。
1980年にアイルランドで業務を開始しているAppleは、アイルランド政府と交わした協議は非合法ではないと堅く主張している。”これまで全く特殊な取引などしておらず、いかなる政府の補填とみられるようなものを存在しない”とAppleのCFOのルカ・マエストリ(Luca Maestri)は話している。
米国下院による公聴会で既にAppleが利益を海外に出していることが明らかに
EUが世界で最も財力がある企業の税務実践について攻撃をしかけるまえに、米国の下院が昨年公聴会を行っているが、そこでAppleが巨額の利益を米国から海外の子会社に移していることが判明しており、更に税務居住地(Tax Residency)を申告していないことが判明している。
米国下院の公聴会の後、EU委員会はAppleとアイルランド政府が1991年に結んだとされる税務協定に深く立ち入り調査をしていた。この動きはEUの公正競争事務専属員のホアキン・アルムニア(Joaquín Almunia)が進めている脱税に対する全面的攻撃の一部とされている。
Appleだけでなくスターバックスやフィアットも標的に
Apple以外にも、EUは米国カフェチェーンのスターバックス(Starbucks)とオランダ政府、またイタリアの自動車会社フィアット(Fiat)所属のFiat Finance and Trade社とルクセンブルグの政府との間に妥結された同様の協定にも調査を進めているようだ。
画蛇添足:もしAppleに追徴課税が科せられたら、名声に傷が付くかも
もし本当に数千億円の罰金が科せられたら、Appleにとっては名声に傷が付くだけでなく、かなりの大きな打撃となり、株価にも影響する可能性があろう。
どこの大企業も少なからずやっていることとはいえ、今回のEUの追撃はかなりしつこそうだ(EUもあんまり金ないしね)。Appleはどこまでかわせるだろうか。
個人的には元アルファロメオ(Alfa Romeo)乗りだったこともあり、FiatへのEUの動きにも注目したい。
記事は以上。