弘法も筆の誤り?Apple復帰後のスティーブ・ジョブズが犯した6つの重大なミスとは

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6月中旬に行われたApple主催の世界開発者会議(WWDC 2016)で、AppleはついにApple Watchのために何とか合格レベルのwatchOS 3.0をリリース発表した。多くの海外メディアは、これこそ本来あるべき姿のUXで、もしあのスティーブ・ジョブズが今でもAppleのCEOだったら、こんなミスは絶対発生しなかったと評価していた。

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しかし、実際にはあの偉大なスティーブ・ジョブズにも多くの重大なミスや間違った判断があり、そしてこれまで多くの失敗した製品をリリースしている。ジョブズといえども人の子。神でも仙人でもなく、ミスも犯すのだ。ティム・クック現CEOも然り、である。

海外メディアBGRが、ジョブズがAppleに復帰後に犯した重大なミスについて、未遂も含めて6つにまとめているのでご紹介。

ジョブズはかつてApp Storeの導入に反対

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事実、ジョブズの独断専行によって、多くの成功しえたサービスや製品が闇に葬り去られた。実はジョブズはApp Storeという現在では偉大なプラットフォームになった構想にさえかつて反対していて、危うくジョブズによって葬られるかもしれない運命だったのだ。

Appleは表面的にはモバイルハードウェアデバイスを販売することでも利益を得ているが、実際にはApp StoreこそがiOSデバイスが人を惹きつける最大の要素となっており、Appleに莫大な富をもたらしているサービスの一つになっている。

2007年に初代iPhone(iPhone 2G)がリリースされた時、AppleはまだサードパーティにiPhone SDKを公開していなかった。もちろんApp Storeは影も形もなかった。ジョブズはSafariブラウザに基づくWeb 2.0とAjaxページアプリを推奨しており、彼はそれこそがデベロッパとユーザが必要とする物だと考えていた。そしてSDKも開放する必要はないと考えていて、ユーザはSafariブラウザ及びWebアプリ、それからiPhoneのネイティブアプリだけ使っていればいいと考えていたのだ。つまり、Webアプリさえあれば何でも必要なものが実現できると思い込んでいたというわけだ。

しかし固執するジョブズはついに圧倒的に多くのAppleの従業員と取締役メンバーによって説得され妥協し、最終的にはSDKを開放してApp Storeを提供することに同意した。結局このことが現在のAppleの輝かしい”iOS帝国”を築き上げることに繋がったのだ。

ジョブズの伝記本では、Appleの取締役会長のアーサー・レビンソン(Arthur D. Levinson)は少なくとも6回以上ジョブズに電話をかけて、サードパーティのアプリが持つ潜在的な市場の大きさを説いたという。アーサー・レビンソン会長についてはネット上で日本語でのソースが乏しいが、当ブログで紹介しているのでご参考まで。

またApple上級副社長のフィル・シラー(Phil Schiller)氏も、ジョブズにサードパーティに対してiPhoneを開放するべきだと説得したという。

iPod Hi-Fi

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最近Appleユーザになった人にはあまりなじみがないかもしれないが、2006年2月にAppleがiPodのためにリリースしたHi-Fiレベルのスピーカーシステム”iPod Hi-Fi”をリリースしている。確かに製品の音質と使いやすさは多くの賞賛を受けたが、高すぎる価格(349ドル)が市場には受け入れられなかった。そしてガチの音楽ファンはiPodの音質には満足せず、iPodユーザはもともと持ち運びに便利だからiPodを選んでいたのだ。そんなわけでこの製品は2年後に生産終了となってしまった。

なお、今でも世界中の高級ホテルにはiPod用のスピーカーが置いてあるところもあるが、30pinコネクタ(iPhoneでは4sまで用いられていたコネクタ)のものが殆どで、現行のものとは合わず無用の長物と化してしまっている。

MobileMeクラウドサービス

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MobileMeはAppleによるクラウドサービスの発端となったサービスで、現在のiCloudの前身だった。

MobileMeのサービスはサービスされた直後からめちゃくちゃだった。Appleの本当の目的はユーザにシームレスなメール、デバイス、写真の共有サービスを提供するというものだった。しかしあの権威あるテックメディアの編集者ウォルト・モスバーグ(Walt Mossberg)の評価は、”Appleの名声を傷つけるまるっきりダメなサービス”だった。MobileMeは最初のリリース時から本当に酷かったことから、Apple取締役会はジョブズが担当していた初期のMobileMeグループをすぐに解散させ、ジョブズにAppleのクラウドサービスとインターネット関連サービス業務権を全てエディ・キュー(Eddie Cue)上級副社長に引き渡すよう迫った。

ただ、あのジョブズの時代を懐かしんで今でも当時のMobileMeの名残ともいえるme.comのメールを使っている人はまだ沢山いるのも事実だ。

Hockey Puck(マウス)

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ジョブズがAppleに戻ってきてリリースした最初のデバイス”iMac”は大成功を収めた。

しかしそれに付属していたHockey Puck Mouseは災難だったという他ない。この扁平で円形のマウスは、あまりに外観の美観に拘りすぎて人体工学デザインを無視しすぎ、最終的にはAppleにマウスのデザインをやり直させる羽目となった。

PowerMac G4 Cube

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Appleのデザインのトップ、ジョニー・アイブ(Jony Ive)が主体となってデザインしたPowerMac G4 Cubeは、透明で四角い奇抜なデザインで多くのデザイン大賞を得たが、しかし外観がいくら美しくても失敗は免れなかった。内部に冷却ファンをつけていなかったことで、容易に熱暴走するマシンになってしまっていたのだ。そしてそのことはアイブにもう一度、コンピュータの性能と美観のバランスについて考えさせることとなった。

またこのG4 Cubeにつけられた1,599ドルという価格も、あまりに高すぎて後ろ指を指されるほどだった。そしてこの価格はコンピュータのみの価格で、ユーザは更にディスプレイも買わなくてはいけなかったのだ。

最大のミス:エリック・シュミットを信用しすぎ、グーグル(Google)とアンドロイド(Android)にチャンスを与えてしまった

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今ではアンドロイドのスマートフォンはAppleのiPhoneと袂を分かつ存在、どころかシェアでは圧倒的に世界一になってしまっているが、iPhoneがリリースされたばかりの頃はiPhoneがモバイルデバイスに本当に革命的なタッチパネルによるインタラクティブな操作性をもたらし、その後グーグルが開発したアンドロイドOSがそれに追いついた経緯がある。

アンドロイドOSはもともとは完全にキーボード入力をもとにして設計されたシステムだったが、iOSが世に出た後アンドロイドはそれに追随する形でタッチパネルを利用したモバイルOSに設計し直された。そのために、iOSに圧倒的に離される前に追いつくことができたのだ。

そしてその追随はジョブズが犯した一生のうち最大の間違いによって達成されたといえる。その最大の過ちとは、グーグルの前CEOで共同創業者のエリック・シュミットを信用しすぎたことで、彼をAppleの取締役会にまで入れてしまったことだ。

ジョブズはアンドロイドのシステムはパクリだと考えていたが、後に自身でもシュミットがAppleの取締役会のメンバーであるが故に、Appleのコアとなるビジネスの機密に積極する機会を持つことができたことに気がついた。グーグルのアンドロイドOSがすぐに設計の方向性を転換したのは、その機会があったからこそだったのだ。その後、ジョブズは取締役会で2009年8月にシュミットを取締役から追放した。しかし時既に遅しだった。

記事は以上。

(記事情報元:BGR

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