iPhone 6sに台湾のTSMC製と韓国のサムスン(SAMSUNG)製の2種類のメインチップ(SoC)が使われており、TSMC製の方が若干性能がいいということで話題となったiPhone 6sの”チップゲート(chipgate)”事件。これによってTSMCとサムスンの明暗が分かれたのかもしれない。
TSMCは世界最大のチップメーカーとなっており、Appleの最新iPhone【iPhone 6s】に搭載されている【A9チップ】の主要サプライヤーだ。冒頭で紹介した”チップゲート”事件によってよりその名が知られるようになり、またわずかではあるのだが性能がサムスンよりも勝っているということで、Appleはその後TSMCへの発注を増やしているようだ。
2015年、TSMCは会社設立以来29年の歴史の中で、最も優秀な業績を収めたことがそれを証明している。TSMCが公表した年度財務レポートによれば、同社の2015年の営業収入は91.5億米ドル(約1636億円)となり、前年2014年に比べて16.2%の成長となった。テック系メディアではiPhone 6sやiPhone 6s Plusの製造の発注が減ったと報道されているが、TSMCにとっては2015年は最高の年になった。
現在のところ、TSMCはiPhone 6/6 PlusのためにA8チップを、iPhone 6s/6s PlusのためにA9チップをAppleに供給している。ただ、TSMCとサムスンがそれぞれどれほどのシェアでA9チップを製造しているかについては今のところ謎のままだ。
史上最高の年度売上高を達成したTSMCには、今年2016年は更なる成長が期待されている。当ブログでもお伝えしたとおり、テクノロジーの関係で、次世代iPhone【iPhone 7】に搭載される予定の【A10チップ】はTSMCが独占受注するという情報もある。
しかしその後サムスンも第二世代14nmプロセスを採用した新しいチップ製造を開始するという情報もAppleの注意を惹きつけているようだ。
もしサムスンが安定した品質で14nmの第二世代プロセスでの製造が可能になったとしたら、TSMCもうかうかしていられない。Appleはもともと、サプライヤーを1社だけに絞るつもりはなく、複数社から購買することで競争を生み出し、価格的により有利に、品質的にもより安定したものを求めているからだ。
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(記事情報元:WeiPhone)