シャオミ(小米)が自らモバイルデバイス用プロセッサを開発か

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中国でAppleのiPhoneを抜き、ファーウェイ(HUAWEI、華為)と並んでNo.1スマートフォンブランドとなっているシャオミ(xiaomi、小米)は、スマートフォンのみならず空気清浄機や浄水器、電源タップやスマートホーム製品にまで製品範囲が及び、さながら家電メーカーとしての地位をも確立しようとしている

シャオミが自社でプロセッサを開発か

そんなシャオミが、モバイルデバイス用のプロセッサを自社で生産し、更にモバイル業務を強化し、メディアテック(MediaTek)やクアルコム(Qualcomm)への依存を減らそうとしているというニュースが入った。最新のレポートによれば、シャオミはあと数ヶ月後に迫った来年の年初にも自社のプロセッサを保有するようになる。シャオミが自社でプロセッサを開発するようになると大きく業界の地図が変わるだろう。

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また、シャオミが自社プロセッサに力を入れ始めたのは実は相当前の話だという。ただし、シャオミは自社プロセッサを自社の入門クラスなどローエンドスマートフォンにのみ使用し、Mi xシリーズや小米Noteなどのハイエンド・フラッグシップモデルには今後もクアルコムのプロセッサを使っていく可能性もあるという。

実は着々と準備を進めていたシャオミ

自社プロセッサの目標を達成するために、シャオミは既に必要なARMのコア技術を買収しており、更にクアルコムの大中華圏元総裁の王翔を雇用するなどの動きを見せている。これらの行動を見るに、シャオミが自社プロセッサを持つことをいかに重要視しているかがわかるだろう。しかしシャオミはこれまで自社プロセッサについては一切コメントを出しておらず、プロジェクトについても噂に過ぎない。今後数ヶ月の間に、シャオミのプロジェクトについての新たな情報が待たれるところだ。同社は今週木曜日にイベントを行い、新製品やMIUI 7、またフラッグシップモデルのMi 5を発表するが、もしかしたら同時にこの自社プロセッサを発表するかもしれない。

シャオミがARMを基にしたモバイルプロセッサを開発しており、来年にはリリースされるという情報はあり、シャオミが既にARMプロセッサの技術を買収しており権利を問題なく行使できるということはわかっているが、シャオミが自社のプロセッサの設計部隊を持つかどうかについてはわかっていない。ARMからは、既に中国大陸のとあるメーカーとOEM契約を結び、このOEM契約はARMの将来的な権利ビジネス収入を増加させるだろうという公式の発表があることから、このARMと新規OEMパートナー契約を結んだ「中国大陸のとあるメーカー」とはシャオミのことであることは明白だ。

リードコア・テクノロジーとの関係はどうなる?

ただ、シャオミ(正確にはシャオミの子会社の松果科技)は既に中国大陸のチップ設計と製造をしているリードコア・テクノロジー(Leadcore Technology、联芯科技)と提携関係を結んでおり、シャオミはリードコアの技術特許を使うことも可能だ。またEETimesによれば、5月18日にリードコアの幹部の話として、シャオミは自らプロセッサを開発することで他社製品との差別化を図り、自分の運命は自分で決めるという方針があることを紹介している。リードコアは中国のダータン・テレコム(Datang Telecom Technology and Industry Group)の100%子会社で、スマートフォンやタブレットデバイスの設計やSoCソリューションの開発を行っている会社だ。

クアルコムのソリューションとメディアテックのソリューションは、シャオミだけではなく殆どのAndroidメーカーが使用しているだけに、シャオミの動向が気になるところ。

画蛇添足 One more thing…

自社でプロセッサを持つことはいかに大事なことかは、これまでAndroid業界ではSAMSUNGとファーウェイが証明してきた。シャオミが現在使っているクアルコムSnapDragon810は発熱がひどく、SAMSUNGはわざわざ使用を避けてExynos 7420を開発したほどだ。SAMSUNGのこのExynos 7420は成功を収めている。またシャオミのライバルのファーウェイも海思を使って、最初は酷かったK3V2から現在の麒麟プロセッサ(現在は麒麟950を開発中)になって利益率が大幅にあがっている。

現在は落ち目のSAMSUNGは別としても、同じく中国メーカーでライバルのファーウェイがプロセッサで甘い汁を吸っているところを見て、シャオミがそこに入っていかないわけがない。シャオミはスマートフォンだけではなく、ルータやテレビ、シャオミボックス、その他のスマート家電製品にも今後自社のプロセッサを使用していくことになるだろう。

ただ、現在の複雑化したテクノロジーでは、恐らくファウンドリはどこも共用となって、ボトルネックが発生する可能性もあるかもしれない。

記事は以上。

(記事情報元:網易科技

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