【Apple vs FBI】FBIがiPhoneのクラックに成功したことで更に高まるセキュリティ危機

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多くの人が予測したとおり、FBIとAppleの法廷戦争は始まらなかった。なぜなら法廷聴聞会が開かれる前日に、FBIが急にiPhoneをロック解除してくれるところが見つかったとし、聴聞会の延期を申し出たからだ。FBIは既にiPhoneの解除に成功しており、Appleの助けが必要なくなったとしていた。結局、双方の法廷聴聞会はこれによってキャンセルとなった。

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AppleはFBIを含むアメリカ政府のためにバックドアを仕掛けたり、バックドア付の専用のシステムを作る必要はなくなった。これは殆どのiOSユーザによっては非常にいい結果となった。しかしFBIがAppleの助けを借りずにiPhoneのロックを解除できてしまったことは、少なくないユーザにこんな不安を抱かせるだろう。「これはつまり、FBIがどんなiPhoneをもクラックできるようになったということではないか?」と。

そしてこれまでのAppleのiOSデバイスの堅牢なイメージは崩れ去り、我々の想像以上に簡単にクラックされてしまうシステムだというイメージが先行するということになりそうだ。

今回FBIがロック解除したデバイスは旧機種で32bit機のiPhone 5cであるものの、それにインストールしてあったのはiOS 9だったといい、そのセキュリティ性能は現在最新のiOS 9.3.1に近いものがある。もしFBIがiOS 9をロック解除できるなら、最新機種のiOS 9.3以降も解除できてしまうのではないかと不安に感じるのは当然だろう。

昨年末カリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射テロ事件の既に死亡した容疑者が使っていたのがiPhone 5cだったが、このiPhone 5cの解除方法についてFBIはAppleにも他にも明かしておらず、またFBIに協力したといわれている日本企業サン電子傘下のイスラエルの会社セレブライト(Cellebrite)も、その口を固く閉ざしている。

つまり、Appleには今回FBIがどのように解除したかが伝わらず、次回以降への対策がとりにくいということになる(もちろんAppleはセレブライト社に対しての調査などは行っているはずではあるが)。今回FBIとAppleが直接対決は直前でなんとか避けられたが、Appleにわからない方法で解除されたことは長い目で見て今後ユーザにとって良いことか悪いことか。。それはもうほとんど考えなくてもわかることではないだろうか。

そしてこの問題は今後もくすぶり続け、また何らかの形で爆発する可能性もある。そしてAppleをはじめテック企業のユーザのプライバシー問題でぶち当たる相手は、アメリカ政府だけではないことも忘れてはならない。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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