Appleは2017年に半導体にますますお金をかけていることがガートナー(Gartner)の報道でわかりました。具体的な数字としては、Appleは2017年に387億5400万ドル(約4兆2186億円)を使っていて、前年(2016年)比27.5%増えているということです。
この数字は、Appleが世界で2番目のチップバイヤーとなったことを証明しています。ちなみに1位はサムスン(SAMSUNG)です。サムスンは今年、430億ドル(約4兆6808億円)以上を半導体のために使っています。
なお半導体バイヤートップ10には、上記の2社の他にデル(Dell)、レノボ(Lenovo)、ファーウェイ(HUAWEI)、BBK、HP、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(Hewlett Packard Enterprises)、LGとウェスタンデジタル(Western Digital)が入っています。
ガートナーのアナリスト・山地 正恒氏によると、Appleとサムスンの2社が半導体消費の飛躍的な増加に貢献していることを指摘しています。なおこの2社は2011年からずっとトップ2の座を守り続けていて、全半導体業界のテクノロジーや価格トレンドに対して影響力を持っているとのことです。
この半導体消費の増加については、ガートナーは材料や部品費の上昇と、生産量が増えていることが原因としています。ガートナーによると、DRAMとNANDフラッシュメモリの価格上昇が、2017年を通して半導体バイヤーランキングに影響を与えたとのことです。そしてこの爆発的な需要の増加によって、メモリICだけではなく、マイクロコントローラやディスクリート半導体も含めて、世界的に在庫不足や価格上昇のリスクが伴っていて、サプライチェーンに利益をもたらすと共にOEMメーカーにトラブルも引き起こしています。そして成功しているOEMメーカーは、自社専属のシリコンソリューションを持っていることで差別感を図っていますが、OEMの占有的なチップの消費は、チップベンダーの将来的な成長にとっては重大なリスクになることが指摘されています。
ガートナーはトップ10のバイヤー企業が、2017年の全半導体市場の40%を占めるとしていて、将来的に2021年までにはそのパーセンテージが45%まで増えるのではないかと予測しています。
半導体市場も現在の経済市場全体と同様、寡占になっていく傾向にあるのですね。Appleこそ、正にその寡占の権化のような企業になってしまったわけですが。。しかし毎年数億台のスマートフォンが作られることで、世界的に半導体が物量的に不足している状況がますます酷くなっているのは見逃せない問題です。いずれ本当に小さいメーカーは半導体が適正価格で買えず、半導体サプライヤー自身もだんだん生き残れなくなってしまうかもしれません。
記事は以上です。
(記事情報元:9to5Mac)