スティーブ・ジョブズはApple社内のカフェテリアで従業員と一緒に並んでいた

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Appleの共同創業者の故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)については様々な伝説が語り継がれています。当ブログでも何度もそんなジョブズのエピソードをお伝えしていますし、最近も娘のリサ・ブレナン・ジョブズ(Lisa Brennan Jobs)も自伝を書き、そこで父親のスティーブ・ジョブズが酷い父親であったことを書いています。ただ、他の多くの人が伝えるような、人を罵ったりするのが好きな人ではなかったようで、また社内でも普段はおとなしかったようです。暴君、現実歪曲空間発生器とまで言われたジョブズも、自社内のカフェテリアでは他の従業員と一緒に列に並んでいた、と元従業員が証言しているのです。

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気をつけないと、カフェであなたの後ろにジョブズが並んでいるかもしれない。。今並んでいたらお化けで、別の意味で恐怖ですけど。

ジョブズ、自社のカフェテリアでちゃんと行列に並んでいた

Brett Bilbrey(ブレット・ビルブリー)さんは元Appleの従業員で、2002年から2004年までAppleで勤務していました。そのBilbreyさんが、Quoraで「スティーブ・ジョブズについて、あまり知られていないエピソードを教えてください」という質問に対して、ジョブズがカフェテリア(食堂)でちゃんと注文待ちの列に並んでいたことを挙げています。多くの人はジョブズならさっさとその列を飛び越えて一番前に行くか、または前の方に並んでいる誰かに頼んで持ってきてもらうのではないかと想像するかと思うのですが、実際は違ったようです。

Bilbreyさんによると、物語はこんな感じです。Bilbreyさんがある日カフェテリアで並んでいると、後ろからスティーブ・ジョブズが来て列に並びました。そしてジョブズは「すぐに他のフードステーションを見に行くためにちょっと列を離れるので、並んでいた位置をちょっと取っておいてくれないか」とBilbreyさんに頼みました。ジョブズが列を離れた後に、別の従業員がBilbreyさんの後ろに並びました。そこでBilbreyさんはその従業員に、「スティーブのために位置取りをしてあげてるんだよ」と告げたところ、その従業員は「冗談でしょ!」といって取り合いませんでした。「じゃあ、スティーブがもうすぐ現れて列に割り込むってことだね」とその従業員が言い終わる前にジョブズが戻ってきて、彼の後ろに並び、その言葉に対して「いや、私は割り込もうとなんかしてないよ。彼に頼んで場所を取っておいてもらったんだ」と答えたのです。

その従業員は振り返って本物のジョブズがいるのを見て、顔面蒼白になり、明らかに動揺しました。そしてジョブズに場所を譲るだけではなく、列を離れていったそうです。そしてジョブズはBilbreyさんに軽く会釈をして、「ありがとう」と言って、あとは携帯電話を取りだしてメールをチェックしていたということです(2002〜2004年当時はiPhoneはありませんでしたので、違うデバイスだったのでしょう)。

ということで、今回は社内では行列に並んでいたという珍しく規則に従うスティーブ・ジョブズが語られたということで、かなり珍しい例だったといえるのではないでしょうか。

ジョブズは荒唐無稽な行動の証言が目立っていた

とはいえ、スティーブ・ジョブズは自社の障碍者用の駐車場に自分の車を停めたり、普段自分の車は半年ごとにリース替えをして常にナンバーを付けないようにして違反行為を取り締まられないようにするなど、遵法意識が低かったことは有名です。

また普段は本来は必ず身に付けるべき社員証(社員IDカード)を持ち歩かず、そのために常に誰かが後ろから付いていないと社内で厳密にセキュリティが敷かれているところに入るときに扉の外に締め出される状況になっていました。もしスタッフがいない場合は彼は大声を出してスタッフを呼び、扉を開けさせるようにするなど、社内で決まったルールに自らは従わないという経営者として資質を問われそうな行動もしています。

更に食堂でランチを取るときにも社員カードを持っていないことから、仲のいい役員、例えばスコット・フォーストール元SVP(上級副社長)の社員カードを使って自分のランチを購入してもらうように頼み、何とかしてランチをただ食いしようとしていました。言い訳としてAppleから給料をもらっていないからとするなど、億万長者とは思えないほどケチな面も持ち合わせていたようです。

また社内でエレベーターに一緒に乗り合わせた社員と話をして、現在担当している仕事について聞き、その仕事が気に入らないと解雇したり、或いはその内容に興味を持つとその仕事の細部までいちいち自身が口を出すようになるなど、暴君のような経営者だったと語っていた人もいました。

他にも様々なエピソードが、ジョブズが「ろくでなし」だったことを語っています。

ただ、ジョブズはともかく最高のものを常に欲していて、仕事には非常に厳しく、従業員にとってはサディストのような存在だったようですが、それ以外のことに関しては案外民主的で、自分をあまり特別に扱ってほしくなかったという証言もあります。恐らく純粋に誰にも縛られたくない、決まりなんかは糞食らえという感じの人だったのでしょうね。

そんなクセのある人物だったからこそ、愛されたり憎まれたりしていましたが、結果とてつもない製品が生まれ、それが現在にも受け継がれているのだといえるのかもしれません。今のAppleのCEO、ティム・クックにはそんな面は全くなさそうですが、ジョブズは起業や成長期の会社に求められる経営者のタイプで、クック現CEOのようなタイプは安定期に入った企業を維持したり更に発展させるのに向いているのでしょう。

記事は以上です。

(記事情報元:Cult of Mac

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