iPhone6sに感圧タッチ搭載で拡がるiPhoneの可能性

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当ブログの過去ニュースでも既にお伝えしているように、Apple(アップル)の次世代iPhone、iPhone6sとiPhone6s Plusは既に生産が始まっているようだ。そしてiPhone6sとiPhone6s PlusにはApple Watchに搭載されている感圧タッチ(フォースタッチ、Force Touch)機能が追加されるという噂が流れており、その情報は複数のソースを見てもかなり信憑性が高いようだ。

iPhone6s_ForceTouch

感圧タッチはApple Watchにはじめに搭載された、軽くタッチするのと力を入れてタッチする動作を区別するための機能だ。それによって更にバリエーションに富んだ操作が可能となる。この感圧タッチは更に新しい12インチのMacBookと、最新のMacBook Pro(13インチと15インチ)のトラックパッドにも搭載された。

Apple WatchとMacBook・MacBook Proに搭載されている感圧タッチ

AppleWatch_ForceTouch

Apple Watchユーザはデバイスを使うとき、力を入れてディスプレイを押すことで、通常のタッチとは違うメニューを呼び出すことができる。例えばメールアプリで、メールを選ぶときにフォースタッチを行うと、メールにマークをつけたり削除をするというメニューが現れる、といった感じだ。

Macユーザであれば、動画を見ているときに力を入れてトラックパッドを押すことで早送りや巻き戻しができ、そのスピードは力の入れ具合で変わる、といったようなこともできる。

iPhoneに感圧タッチが搭載される意味とは

Force-Touch

この新しい技術がもしiPhoneに搭載されたとしたら。。iPhoneのディスプレイ全体が感圧ボタンになるような印象だ。そうなればiPhoneには単なるタッチ感応式ガラスディスプレイだったところに全く新しい機能が搭載され、ゲームなどで新たな入力方法が生まれて幅が広がり、新しい可能性が生まれるかもしれない。

ではiPhoneやiPadユーザにとって、感圧タッチの搭載は一体何を意味するのだろう?

感圧タッチのiOSデバイスへの搭載は、ユーザにとって多くの便利な機能をもたらすという長所があるのは間違いない。しかしこのテクノロジーは、ユーザが簡単にデバイス上でその機能を見つけにくいという欠点もあるのも事実だ。このことについて、Agile Tortoiseの代表でiOSデベロッパでもあるGreg Pierceはこのように説明している。「ユーザにとって感圧タッチは目に見えないもので、抽象的な概念だからだ。ボタンもメニューもその他のディスプレイ上に何らかのものが現れていない状況で、ユーザが正確に感圧タッチを使いこなすには一定の難しさがある」。

新しいインターフェイス・入力方法の登場はもちろん今回が初めてではない

ただ、この状況は2007年にiOS(当時はiPhone OS)が初めてリリースされたときと似ている。当時の殆どのユーザは初めて全体がディスプレイのデバイスをiPhoneで初めて体験したのだ。その当時、まだまだボタン付の携帯電話、或いはスマートフォンでもキーボード付きのものが主流だった。誰もがタッチパネルのデバイスの使い方には全く慣れていなかったわけだ。そんなわけでiPhone OS 1からiOS6が終わるまでは、現実に存在するものを画面上でできるだけリアルに擬似的に表現するスキューモーフィズムが全体デザインの理念として採り入れられていた

その6年後、2013年にiOS7がリリースされたときに、AppleはiOSのデザイン理念を一新しフラットデザインを導入した。このフラットデザインではこれまでの多くのタッチパネル操作指示に関する要素が省かれたが、これについてAppleは「ユーザが既に非常に多くの体験を通じてタッチパネルインターフェイスのインタラクティブな操作に慣れ、熟練したためにできたことだ」と説明している(もちろん、Apple社内でスキューモーフィズムを推進していた上級副社長のスコット・フォーストールがiOS6での地図アプリの失敗の責任を取らされて辞任し、代わりにフラットデザインを推進していたジョニー・アイブがソフトウェアデザインの総監になった影響もあるだろうが)。

Greg Pierceは更に、「もし新しいMac製品上の感圧タッチがユーザにもっと細かい反応をするようになったら、もっと可能性が広がるだろう。そうなったら私は感圧タッチのiOSデバイス上の感圧タッチはApple Watch上のそれと比べてよりMacに近くなるだろうと信じ、期待している。もしiOSプラットフォームのデベロッパがユーザのディスプレイを押す力の大小のデータを把握できるようになったら、私たちはどの位置でタッチされたのか、また何本指でタッチしたのかがわかるようになっているので、これらを合わせれば全く新しい可能性をもたらすだろう」と述べている。

画蛇添足 One more thing…

感圧タッチは抽象的な概念の入力方法だ、とGreg Pierceは指摘しているが、実はこれまでにもMacやPCのキーボードショートカットやAppleのマジックマウスやトラックパッド上のマルチフィンガー(複数の指)スワイプやタッチのように、実際画面には表示されていなくても抽象的な入力方法というものは既に大量に存在している。それらを覚えたり新たに設定し、無意識に使いこなすことで、私たちはコンピュータ上での多くの操作を非常にスピーディに簡単に行うことができる。私がWindowsからMacに戻ってきたのは、実はOS X LeopardでMacBookで実現した、3本指・4本指スワイプでのSpacesなどの機能に感銘を受けたからだ。感圧タッチもそこまでの驚くような可能性を感じるほどのものになるだろうか。

今の段階ではiOS版の感圧タッチが画期的な可能性をもたらすのかどうかは具体的にはちょっと思い浮かびにくい。個人的に予想してみると、ゲームでは、例えば球技ゲームで球を投げたり蹴ったり弾いたりする強度を感圧タッチで調整できるなどの可能性が考えられる。また格闘ゲームでも、私の好きだったストリートファイター(大ヒットしたストリートファイター2の前作)での感圧ボタンで弱・中・強パンチやキックを繰り出せたあのシステムがiOS上でも復活するかもしれないことを期待している。ボタンの数が増えると、物理ボタンがないタッチスクリーンでは押し間違いなどが発生するが、それを感圧タッチで使い分けられればそのようなことも減ると思う。

お絵かきアプリなどでは、筆圧や塗りつぶし範囲なども感圧タッチで調整できたら便利になると思われる。いずれにせよ、まずはAppleがハード上で実現してシステム上でお手本を見せ、あとはデベロッパが便利なアプリでの使い方を考えていく、という構図になるのだろう。

まだiPhone6s/6s Plusに確実に感圧タッチが追加されるかどうか100%決定したわけではないが、もしiPhoneに感圧タッチディスプレイが搭載された場合には、今後私たちはiPhoneをタッチするときに、新たに”タッチする強さを意識”するようになるだろう

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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