iPhone XS/XS Maxのワイヤレス充電速度、iPhone X/8シリーズと大差ないことが判明

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Appleは9月13日(日本時間)に行われた新型iPhone発表イベントでリリース発表され、昨日販売開始されたiPhone XS/iPhone XS Max。

iPhone XS Max

2018年新型iPhone発表イベントでは、Appleのフィル・シラー(Phil Schiller)SVP(上級副社長)によって、iPhone XS/XS Maxはワイヤレス充電の速度が前の世代(iPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plus)に比べて速くなったとされました。

iPhoneXS_ワイヤレス充電機能向上
iPhone XS/XS Maxの発表イベントで明記されていた”Improved wireless charging”

また公式サイトにも「iPhone Xよりも一段と速く充電できるようになりました」とありますが、具体的な仕様については明らかにされていません。

iPhone XS/iPhone XS Max ワイヤレス充電
公式サイトでのiPhone XS/iPhone XS Max ワイヤレス充電に関する記載

そこで、電源関係では未発表製品のリークを世界的にもいち早く伝えている中国のChongdiantou(充电头网)が、昨日販売開始されたばかりのiPhone XS Maxの実機を使い、電流測定器によって本当にワイヤレス充電やその他Lightningコネクタ接続によるUSB-PDなどが高速化しているかどうかを検証しました(充電性能については、iPhone XS Maxで検証すれば、iPhone XSでの検証は省略できるといってもいいでしょう)。その結果、USB-PDによる高速充電では20Wにも達するのに対して、ワイヤレス充電は7.5Wから少し+になる程度で、iPhone X/8シリーズと大差ないということが判明しています。

iPhone XS Max付属標準電源アダプタとLightningケーブルは従来品と変化なし

まず、順を追って見てみると、iPhone XS Maxにもとから付属している電源アダプタのモデル番号はA1443で、インプットの規格は100-240V ~50/60Hz、アウトプットは5V1Aで、これまでのiPhoneと全く変わりません。製造した業者は中国国内企業のAstec(雅达电子国际有限公司)です。

iPhoneXSMax_Original_Lightning-Cable

iPhone XS Maxに付属しているLightning-USBケーブルは、待機電力が440μAで、従来のMFiケーブルと同じで、恐らく根本のチップには何ら変化はないと思われます。インプット電圧が6.8Vを超えると、ケーブル自体が保護状態となるのも、従来のMFiケーブルと同じ仕様となっています。

iPhoneXSMax_Original_Lightning-Cable_待機電力

iPhone XS MaxのUSB-PD高速充電効率もiPhone Xとほぼ差はなし

USB-PDでの高速充電の際には、充電効率は14〜18Wになり、瞬時ピークは18W〜20Wになるということです。USB-PDでの高速充電にはPDO2、つまり第二段階での電圧によって充電が行われ、バッテリー容量が0〜75%の際はPDO2で、75%〜100%になるとPDO1に落ちるそうです(時々0%〜80%がPDO2で、80%〜100%がPDO1になることもあり、変動するようです)。まとめると、高速充電性能は昨年のiPhone Xと差が殆どないということです。

iPhoneXSMax_USB-PD

iPhone XS Maxのワイヤレス充電効率もiPhone X/8シリーズと大差なし

それでは、本題のワイヤレス充電に入りましょう。充電効率については、ワイヤレス充電用コイルのところでは10W〜12W+、そしてiPhone XS Max端末内に入ると7.5W+になるということで、この充電効率は昨年のモデル(iPhone X/8シリーズ)に比べて少しだけ大きくなっていますが、本当に少しだけ、ということです。。ということで、もしかしたら今後iOSのバージョンアップでもう少し速度の向上が図られるのかもしれませんが、今のところわかりません。いずれにせよ、現時点の実測値では、Appleがワイヤレス充電が速くなった!と豪語するほどものではないということです。

iPhoneXSMax_Wiress-Charging_ワイヤレス充電_充電効率

iPhone XS/XS Maxでもワイヤレス充電やUSB-PD高速充電実現には別途出費が必要

最高では20万円を超える非常に価格が高いiPhone XS/iPhone XS Maxですが、本来は20Wでの充電に対応しているにもかかわらず、標準で付属する充電用機器についてはたった5Wのもので、その値段に釣り合わず、あまりに貧弱と言わざるを得ません。ワイヤレス充電パッドもついていませんし、高速充電に必要なUSB-Cアダプタや、世界でもMFiを取得している唯一高速充電が可能な公式のUSB-C to Lightningケーブルもついていません。前者のワイヤレス充電パッドはQi規格対応で、サードパーティ製のものであれば10W以上のタイプでもだいぶ値段がこなれてきましたが、後者を揃えようとすると1800円+5200円で7000円(税別)、と非常に価格が高くなります。

Apple USB-C to Lightningケーブル

Apple 30W USB-C 電源アダプタ

ただ、以前当ブログでもお伝えしたとおり、AppleはUSB-PDに対応した高速充電USB-C to LightningケーブルのMFi認証ライセンスをサードパーティに向け開放することになっているため、今後価格が上記よりは安いものが出てくる可能性もあります。

また、USB-Cコネクタが搭載されているMacBookやMacBook Proをお持ちの方は、上記のケーブルだけ買えば高速充電が可能になりますし、もちろんiPhone X/8シリーズから買い替えた人で、ワイヤレス充電パッドやUSB-PD高速充電のための上記のセットを揃えていた人はそのままご利用になれます。

iPhone XS MaxもiPhone X/8シリーズとどの充電速度も差は殆どないという結果に。。

何はともあれ、iPhone XS/iPhone XS Maxでのワイヤレス充電効率については、iPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plusと大差がないということになり、過度の期待は意味がなさそうです。今後iOSのアップデートで充電効率が引き上げられることが期待されます。個人的にもワイヤレス充電の速度はもっと上げてほしいところです。

上記の実験で、ワイヤレス充電のレシーバーであるコイル部分では12W+が出ているということで、理論的には12W+でのワイヤレス充電が可能ということが示されたといえるのではないでしょうか。そこに一縷の希望を見出したいと思います。。

記事は以上です。

(記事情報元:充电头网

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