Appleは今年3月に新興市場向けに価格が安い【iPhone SE】をリリースしたが、このiPhone SEも市場では大きな波を起こすことはできなかった。特に、Appleが重視する、北米に次ぐ世界で二番目の市場である中国市場では。。
マーケティング機構のCounterpoint Technology Market Researchが発表した最新のレポートによれば、今年5月のiPhoneの中国スマートフォン市場でのメーカー別シェアはこれまでの3位から5位に下落し、シェア率は11%にまで落ち込んだという。
Appleの前に並ぶのは全て中国ローカルの国産メーカーだ。1位はファーウェイ(HUAWEI、華為)で、シェア率17%、そしてAppleの真似をしていると国外では酷評されているVIVOやOPPO、そして最近不調が伝えられているシャオミ(xiaomi、小米)でさえもAppleよりもシェアが大きい。Counterpointは、iPhone 6sの売上が低調であることと、iPhone SEに対する市場の反応が冷たいことが、Appleが中国スマホ市場で続落している原因だとしている。Counterpointによれば、Appleよりもシェアが多いトップ4、つまりファーウェイ、VIVO、OPPO、小米のシェア率を合わせると全体の53%にもなるという。
もしあなたがiPhoneの長年のユーザであれば、iPhoneのライバルはサムスン(SAMSUNG)ではなかったっけ?と不思議に思うだろう。そう、あの韓国のサムスンはかつて中国のスマートフォン市場の覇者だったが、現在ではトップ5にも入れなくなってしまい、そしてトップ5の中でも海外ブランドはAppleだけになってしまった(ただしサムスンは世界市場や北米市場と中国市場以外では今でも圧倒的なシェアNo.1だ)。
前四半期(2006年1月〜3月)では、Appleの大中華圏での営業収入は26%も落ち込んだ。その主な原因は利益の半分以上を稼ぎ出すiPhone製品ラインの低迷だ。既に新機能の導入や性能向上がほぼ止まっているiPhoneのようなハイエンド機の性能と、ハイエンド機市場の飽和に加え、中国国産のミドル〜ローレンジのスマートフォンの性能が上がってきていて値段はスケールメリットのおかげでそれほどあがっていないことがますますAppleが引き離される要因となっているといえるだろう。
かつては中国でも街中に溢れていたiPhoneだが、その地位も中国国産メーカーに脅かされている。iPhoneを中心に商売を成り立たせてきたAppleにとっても試練だが、世界最大の電子機器市場といわれる中国深圳の華強北市場もiPhoneなしでは成り立たない。
今後中国市場でのAppleのシェアがどうなっていくのか、今年秋に現行のiPhone 6sから外観デザインのアップデートが殆どないといわれている次世代iPhone【iPhone 7(仮称)】をリリースすることで盛り返せるのか。。その数字に注目だ。
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(記事情報元:WeiPhone)