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Appleの現行の1世代前、一昨年秋にリリースされた【iPhone 6】には、”ベンドゲート(bendgate)”と呼ばれる折れ曲がりやすいという件がメディアで騒がれたことを覚えているだろうか？昨年秋にリリースされた現行最新の【iPhone 6s】シリーズではその反省が活かされ、シャーシにはApple Watch SPORT版にも採用された7000番のアルミ合金が採用された。
7000番アルミが採用されたことから、iPhone 6sでは”ベンドゲート”問題はなくなった。確かに折れ曲がりにくくなって問題が改善されたのである。しかし、今度はそのiPhone 6sに逆に新しい問題が出てきてしまったようだ。早速中国で出回っている写真をご覧いただこう。
写真を見ればすぐおわかりの通り、iPhone 6sのシャーシ（バックパネル）の表面の酸化が激しく、摩耗しているようにも見えるが、実際これは間違いなく酸化ではないかとみられる。
iPhone 6sは昨年9月にリリースされたため、既に8ヶ月以上の時間が経っており、ネット上にはますます多くのユーザからの表面の酸化による「色落ち」「欠け」の現象が報告されている。一部のユーザは既にAppleのサポートと連絡を取ったが、Appleの公式サポートの回答は、この類いの品質問題は今のところ対応と解決はできないというものだったという。
確かに、Appleの気持ちもわからなくはない。もしiPhoneを売った後、8ヶ月後に顧客から表面が摩耗してきたというクレームがあっても対応したくない、またはできないと考えるだろう。
7000番アルミ合金は、航空機にも使われるアルミ・マグネシウム・亜鉛・銅による合金材料で、工業用アルミ合金の中では硬度が一番高い部類に入り、その強度は鉄筋の3/2程度にまで迫るという。この硬度性能がAppleに認められ採用された重要な原因の1つだ。また7000番アルミ合金は、硬度だけではなく耐摩耗性にも優れるという。
しかし7000番アルミ合金には同時に非常に大きな欠点があるという。それは亜鉛の含有量が比較的多いため、抗酸化性能はアルミ材の中で最も劣るようで、乾燥した空気の中ではそれほどでもないが、湿った空気の中では重大な酸化の問題が起こってくるようだ。
7000番アルミ合金は耐腐食性がiPhone 6に使用されていた6000番アルミ合金に劣るため、AppleはiPhone 6sのシャーシの製造工程の中に抗酸化膜を作る工程を追加し、それによってiPhoneが人間の汗など酸化をもたらす液体からの侵食を防ごうとした。しかし今回この”酸化ゲート”問題が頻出しているところをみると、もしかしたらこのAppleの（正確にいえば下請け工場の）抗酸化塗膜処理はそれほど効果的ではなかったか、それとも工程に何らかの問題があったロットがあるのかもしれない。
それでは、ネット上に上がっている他の各種のiPhone 6sシャーシ酸化・腐食の写真を見てみよう。
写真を見る限り、全体的に剝がれているものはなく、Appleロゴの周りや端末の縁に近い端の部分に点在する形で酸化・塗膜剥離のような現象がみられる。何らかの摩耗や衝撃などで塗膜に傷が付いたようにも見えるが、それだともうちょっと長いまっすぐなひっかき傷のようなものがあっていいような感じもする。原因は不明であるが、確かに腐食・酸化の現象であることは間違いないようだ。
実はこの表面酸化問題は同じ7000番アルミ合金を採用したApple Watch SPORT版でも指摘されている。Apple Watchは特に人間の腕に常に触れていて、汗など酸化の影響を受けやすいため、表面が腐食しやすいようだ（それを見越して私は無印版Apple Watchを買ったのだ。。笑）。
そして同様の問題がどうやら発売開始から時間が経つにつれiPhone 6sシリーズにも発生してきているようだ。
現在はこの問題は中国だけで騒がれているようで、もしかしたら交換したりカスタマイズしたシャーシも含まれているかもしれないが、この問題が欧米に飛び火したりすると、少々大事になってくるような気がする。今後の問題の発生率やAppleの対応に注目だ。
ちなみに私個人のiPhone 6s Plusは何の問題もないのだが。。
記事は以上。
（記事情報元：快科技mydrivers.com、Weibo）