Appleと係争中のクアルコム、次世代iPhone 8等のベースバンドチップを大幅失注か

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iPhoneの携帯電話機能の根幹となる非常に重要な部品、ベースバンドモデムチップには、これまで伝統的にクアルコム(Qualcomm)が製造したものが採用されていた。昨年リリースされた現在最新のiPhone 7の実に40%の発注が著名なチップメーカーのインテル(Intel)に流れたことがニュースになった。

このことでAppleとクアルコムの間には大きな溝ができただけではなく、Appleがクアルコムに対して技術特許の権利使用料を取り過ぎているという内容で訴訟を起こしていて、法廷戦は泥沼の様相を呈してきた。そのことも、Appleとクアルコムの協力体制に大きなマイナス面の影響を与えているようだ。

Qualcomm_Baseband-Chip_iPhone7

アナリストがクアルコムの次世代iPhoneでの更なるシェア減退を予測

Rosenblattのアナリスト、Jun Zhang氏が先日投資家向けレポートで、クアルコムのベースバンドチップは次世代iPhone(iPhone 8或いはiPhone X、iPhone Editionと呼ばれるハイエンド端末と、iPhone 7sシリーズ2機種の計3機種)の中の比率はiPhone 7シリーズの60%から更に35%に下がってしまうと予測している。レポートでは更に、昨年後半にクアルコムがAppleに販売したベースバンドチップは7500万〜8000万個で、今年後半のその数字は4500万〜5000万個に減ってしまう、という具体的な数字の予測まで挙げられている。

 

クアルコムは売上の18〜20%がAppleからのもの

Jun Zhang氏によれば、クアルコムは現在18〜20%の営業収入(売上)がAppleからのもので、もし上記の通りAppleからの受注が激減すると、クアルコムの2017年後半の1四半期毎の営業収入は2億ドル(約218億円)ずつ減るものとみられている。

 

Appleはチップを自社開発に切り替えようとしている

これは当然ながらクアルコムにとっては望んだ結果ではない。しかしAppleの最近の動きを見ていると、チップそのものを自社研究開発に切り替えようとしているのは明らかだ。ちなみにiPhone 7シリーズに用いられたインテルのベースバンドチップはクアルコムに比べると非常に劣るものの、クアルコムのチップが逆にインテルのチップに合わせて性能を落として使われているため、UX(ユーザ体験)としては殆ど全く差がないのが実状だ。

 

小龍的にはこう思った:Appleはクアルコムを買収する気では?

クアルコムは実力のある会社だけに、早く係争を終わらせてほしいところだが、インテルとの関係でAppleももうクアルコム一社からの購買ということはなくなりそうだ。

ただ上記の通りAppleはいずれベースバンドチップも自作(とはいえ恐らく技術を買収)するだろう。となれば、インテルも現在クアルコムと係争中のための過渡期のみの購買となる可能性もある。

Appleはもしかしたら訴訟でクアルコムを疲弊させ、買収してしまうつもりなのかもしれない?Rosenblattもクアルコムの格付けを下げている。ちなみにQualcommはNASDAQ上場企業で、ティッカーシンボルはQCOM。

記事は以上。

(記事情報元:Patently Apple

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