Appleの新型iPhone、【iPhone X】のオンラインStoreでの納期が、現在は1〜2週間に短縮されています。この納期短縮は、一部の人からは【iPhone X】の人気が下がったことによる需要の低減とみる向きもありますが、KGI証券の著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏の新しいレポートによれば、この納期短縮は【iPhone X】の部品供給が改善されたことから、デバイスリリース以来の生産キャパの改善がみられたことによるもので、需要が減ったからではないとしています。
Ming-Chi Kuo氏は基本的に台湾を中心としたAppleのサプライチェーンからの正確な情報をもとに、Appleの未発表デバイスの情報や様々な裏情報を比較的正確に出すことで有名です。Kuo氏のレポートによれば、最近数週間で、【iPhone X】の製造における問題は「非常によく解決されている」ということで、主要組立委託先のフォックスコン(Foxconn、富士康)の生産キャパは現在毎日45〜55万台となっているそうです。ちなみにこの数字は、Appleがまだ【iPhone X】のリリース準備をしている段階ではたったの5〜15万台だったようです。
レポートの中でKuo氏は、【iPhone X】の供給が少なくなっていた2つの主要なボトルネックがかなり大きな程度で解決したとされています。まず、村田製作所がLTEアンテナモジュールを計画通り納品できないという問題がありましたが、もう1つのサプライヤーのCareerがその欠損の穴埋めをしたとのことです。また、LG Innotekとシャープ(前出フォックスコンの親会社、ホンハイに買収されています)も、TrueDepthカメラの中のポイント投影モジュールの良品率を改善したということです。
Kuo氏のレポートでは、「(1) ホンハイのiPhone Xの1日の出荷台数は45〜55万台で、2ヶ月前の5〜15万台を上回っている」「(2)CareerのLCP LTEアンテナの出荷個数が11月〜12月にかけて100%成長する」「(3)LG Innotekとシャープが製造しているTrueDepthカメラのポイント投影機モジュールの良品率は、1〜2ヶ月前では60%以上、であったが、今では90%以上と非常に速い改善をみせている」としています。
生産台数が増えたことで、Ming-Chi Kuo氏は2017年第四四半期のiPhone X出荷台数が、彼がこれまで出してきた数字よりも10〜20%多くなるのではないかと予測しています。そして予想以上の数が年内の発送に間に合うため、その影響によって2018年第一四半期のiPhone Xの出荷台数は2017年第四四半期と同じか少し下がるだろうという予測を立てています。
Appleは現在の四半期で新記録を打ち立てるほどの業績をあげると予測していることは、同社はどんな製造上の問題も全て解決できるという自信の表れと、ハイエンド市場の【iPhone X】への需要が今四半期も非常に激しく強いものになっていて、それが続いていることを意味しているといえるでしょう。
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(記事情報元:MacRumors)