Appleの対応がまずかった?”エラー53問題”で集団訴訟の原告団、賠償が不十分と訴える

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「Appleの対応のまずさ」が今回の訴訟を長引かせているのかも。。という一件だ。

米国シアトルの法律事務所Pfau Cochran Vertetis Amala (以下PCVA)が今年2月、AppleのiPhoneでTouch ID等の部品をサードパーティの修理屋で交換した場合、その後の復元の際に発生する”エラー53問題”について、Appleに集団訴訟を起こした。

この”エラー53問題”での集団訴訟が明らかになった時、Appleはすぐに「ソフトウェアアップデートで対応する」という回答を出して、iOS 9.2.1にてビルドバージョンをアップデートしたiOSアップデートを配布することで、実際にその対応を実行している。

ただ、Appleはその行為で集団訴訟も収まると考えたようだが、その予想に反してPCVAと原告達はまだAppleに対する訴訟を続けることを希望しているようだ。

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Appleはソフトウェアアップデートを提供したことで既にこの”エラー53問題”は解決したため、原告団は訴訟を取り下げるべきと考えており、また修理が必要なユーザには賠償を行うとした。しかし原告団はAppleのユーザに対する賠償の施策が不十分で、Appleのサイト上でのあいまいな声明とビルドバージョンがあがっただけの対策では、その影響を受けたユーザには有効ではないと考えているようだ。

また原告団は賠償に関してもAppleと連絡が難しいとしており、原告団のうち一人はまだAppleから賠償通知を受け取っていないという。もう1人は、賠償に関してAppleのサポートと連絡したが、2度目の連絡以降は連絡が途絶えてしまったという。

“エラー53問題”はTouch IDと、それに付随するセキュリティシステム”Secure Enclave”をSoCに搭載したiPhone/iPadに発生する問題で、この問題はビルドバージョンがアップデートされたiOS 9.2.1以降を復元インストールすることで解決する(記事更新現在はiOS 9.3.2にしか復元できないが、もちろんエラー53問題は修正されている)。

 

画蛇添足 One more thing…

原告団がAppleに求めている賠償金とは、エラー53が発生して使えない間の経済的・精神的損失に対するものであろうと思われるが、気持ちは全くわからないわけではない。サードパーティでの修理をしたユーザが悪いという人もいるかもしれないが、実際にApple Storeがない地方や、Apple Storeがあっても対応が悪い場合が多かったり、また海外旅行で実際にAppleがまだApple Storeを出しておらず、公式修理ができない場合にはどうしてもサードパーティでの修理に頼らざるを得ないこともある。

iPhoneの使用可否は、ビジネスをしている人にとっても家族との連絡に使っている人にとっても既に生活に密着しすぎて死活問題だからだ。

しかも交換したその場で問題が発生するならまだしも、iOSアップデートや復元の際にしか発生しないわけだから、この問題は”性質が悪かった”わけだ。

Appleも対応はしたが、対応ができるのであればもともとこんな機能は入れるべきではなかった。Appleの言い訳はテスト段階のプログラムがそのまま残っていたと言うことだが、もともとSecure Enclaveによる部品の紐付け機能の存在を見る限り、Appleには「ユーザに公式以外の修理をさせない」とする方針が存在するのは火を見るより明らかだ。

テスト段階のプログラムが残ったという言い訳はあまりに白々しく、ウソっぽく、しかも更に自らの不手際を認めたことになる。正直に「方針を見直し変更しました」と一言言えばよかったのに。。今回の賠償不十分という原告団の訴えは、その後の賠償に積極的ではない態度も含め完全にAppleの対応のまずさが引き起こしたものだろう。

このような対応はティム・クックCEOになってからの「ユーザに誠実なApple」のイメージとは全く逆を行っている(スティーブ・ジョブズの時代はジョブズ自身の偏屈な性格もあって、ユーザに対しては尊大だったがユーザも製品に惚れ込んでいたためにそれを甘んじて受けていた感がある)。こういった下手な言い訳は反感を生むのは間違いなく、それで裁判が長引く可能性もある。

最近iOS 9.3.2のアップデートで9.7インチのiPad Proが文鎮化するなど、ソフトウェア方面でのチョンボが多いApple。今後この訴訟がどうなっていくかは注目に値するが、原告団もあまりわがままが過ぎるとAppleの超優秀な弁護団にやり込められてしまう可能性もあるのではないだろうか。

記事は以上。

(記事情報元:AppleInsider

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