一昨日、AppleがiCloud.comにあるApple ID(iCloud ID)を使ったアクティベーションロックのオン/オフ状態をネットで確認できるicloud.com/activationlock/を突如何の予告もなく削除したこと、またその原因についての考察を記事にしたばかりだ。そして現在に至っても、Appleはその原因・理由を明らかにしていない。
しかし、私が考察をアップした後、また更に新しい情報が入ってきた。やはりAppleがアクティベーションロック状態確認ページを削除したのは、私が思い至ったようにAppleはそのページを悪徳業者に利用されたくないからだったようで、その悪徳業者が他人の端末にアクティベーションロックを強制的にかけてしまう方法の詳細がわかったのだ。
もちろん、これは方法の1つにすぎないと思うが。。
アクティベーションロックを強制的にかける具体的な方法:ハードウェアツールを使う
悪徳業者が行う方法として、とあるハードウェアツールを使ってデバイスのシリアル番号(Serial No.)を変更するという裏技を使うことができることがわかった。
このハードウェアツールは、本来は修理屋が修理のために使う工具なのだが、それを悪用して犯罪を犯すというわけだ。その際に、やはり私が考察で触れたとおり、アクティベーションロック状態確認ページを使ってアクティベーションロック状態を調べるため、そのページが悪用に一役買ってしまうのだ。
悪徳業者が使う端末にアクティベーションロックをかける方法
手順としてはこうだ。
- とある端末の内蔵フラッシュメモリのシリアル番号をハードウェアツールでハード的に書き換える(書き換えるのは1桁か2桁ほど)。
- 書き換えた後、デバイスには全く新しいシリアル番号が割り振られる。
- その新しいシリアル番号で、アクティベーションロック状態確認ページを使ってアクティベーションロックの状態を調査する。
- もしアクティベーションロックがかかっていなかった場合は、任意のApple ID(iCloud ID)でアクティベーションロックをかける。
- 変わった後のシリアル番号と同じ、本来のシリアル番号を持つ端末にもアクティベーションロックがかかる
- アクティベーションロックをかけた端末に遠隔で「金を払え、そうしないとこの端末は使えなくなる」という旨のメッセージを送る
- 金が支払われたらアクティベーションロックを解除するか、更に高い金額を要求する
シリアル番号書き換えツールはこれだ
なお、シリアル番号を書き換えられるツール(修理が目的)の動画はこちら。実在することがこれでわかると思う。
ちなみに、動画を見れば中に出てくるのが中国語ばかりだというのがわかるだろう。中国広東省深圳にある世界最大の電子電気機器市場、華強北市場にある世界的にも高い技術を誇る修理屋は殆どがこれに似た機械を持っていて、これによって本来は交換できない内蔵フラッシュメモリを交換したりしている。
画蛇添足 One more thing…
どんなツールも、善用されればいいのだが、悪用されてしまうと。。というところがある。Appleのアクティベーションロック状態確認ページも、今回のハードウェアツールも、同様だ。Appleは悪用されるくらいなら削除する、という行動に出たというわけだ。ある意味正しいが。。非常に不便になったのも確かだ。
記事は以上。