複数の海外メディアの報道によると、
Apple(アップル)は来週Samsung(サムスン)を相手取り、
特許訴訟を起こす予定で、
その賠償請求額は20億米ドル(約2,000億円)にのぼることがわかった。
AppleはSamsungがiPhoneの機能に関する特許を侵害しているとみなしており、
またGoogleも今回の訴訟で初めて名前が挙がってくるようだ。
最近Appleはこの韓国のテクノロジー企業から賠償金として10億米ドル(約1,000億円)を受け取った。
今回はスマートフォンに関する異なる複数の特許にまたがった訴訟であるとはいえ、
Appleの多くの論点は以前の訴訟と同じであり、
同じような専門家や証人によってその証拠が挙げられるものとされている。
専門家・証人としてAppleのワールドワイドプロダクトマーケティング担当上級副社長のフィル・シラー(Philip Schiller)も関わるとみられている。
ただ、今回はSamsungはGoogle(グーグル)のAndroid(アンドロイド)OSのエンジニアを裁判に参加させるようだ。
GoogleはAndroid OSそのものは無料のため何も収益をあげておらず、
被告というわけでもないが、
Samsungの弁護士団はこのシリコンバレーの巨人を今回の訴訟に絡めることで、
Appleの優勢を崩そうという腹づもりらしい。
その呼びかけに答える形で、
Androidのエンジニアリング担当副社長Hiroshi Lockheimerを含むGoogleの幹部達は、
裁判官に対し、現在スマートフォンOSの4分の3のシェアを占めるOSを開発したのかを証言するとみられている。
前回の判決の賠償金は、昨年一部再審議された後に最終的に9.29億ドルまで減少した。
Appleは訴訟の中でこの重罰を掲げるのは、
カリフォルニア州のイノベーションと就業を保護するためだと訴えていた。
2012年の訴訟の中で、Appleはデザインと実用型の特許という角度でSamsungに対して訴訟を起こし、
iPhoneとiPadの全体の外観とフィーリングについてもその範囲に入っていた。
今回Appleは、5種類の実用新案特許についてSamsungに訴訟を起こす予定であり、
その中でSamsungがAppleに対し大量のパクリをしているとしている。
5種類の実用新案特許には、iPhoneのキーボード入力の自動補正や、
スライドによるスクリーンロック解除、
そしてデバイスの中身の全ての検索ができる機能などが含まれている。
Appleがこれらの特許を侵害されたとしているSamsungのデバイスには、
よく売れているGalaxy S3やGalaxy Nexus等のスマートフォンも含まれており、
後者は主にGoogleからの情報を元に利用して製造されている。
Samsungは2つの実用新案についてのみ反論しており、
そのうちの1つ、無線による映像の伝達については、
SamsungのはAppleのFaceTime機能がその特許を侵害しているとしており、
他にもデジタルフォトの整理方法についても反論をしている。
Appleは各デバイス毎に33〜40米ドルの賠償金を請求しており、
2011年からその5種類の特許を侵害したとされるデバイスの数量は、実に数千万台にのぼる。
これらの数字は特許アナリストの間によって今でも議論されているが、
Appleとしてはこれらの特許がスマートフォンが成功する鍵となったと考えている。
他にSamsungの反論としては、
Samsungが逆にAppleに対して請求している賠償額の総額2,200万米ドル(約22億円)で、
(Samsungはその対象をiPhone5とiPad miniとしている)、
それに対しAppleの賠償請求額があまりにも高すぎるとしている。
Appleとしてはその金額は逆に不当に低いとしており、
Samsungは知的財産価値をあまりに低く見積もりすぎているとしている。
AppleとSamsungとGoogleは将来の裁判についてコメントを避けている。
AppleとしてはSamsungに液晶やCPUの発注を出しているので、
完全に喧嘩するわけにもいかず痛し痒しというところだが、
次世代iPhoneに向けてSamsungへの依存率を減らしているため、
AppleとSamsungの2社の闘争は収まる気配がない。
また前回の裁判でAppleはSamsungに勝ったは勝ったが、
結局Samsungのスマホを米国で販売禁止にすることはできなかった。
またお互いが弁護士に支払った裁判費用もバカにならないだろう。
いったいこの戦いはいつまで続くのか。。
見ものである。
記事は以上。