中国メーカー猛追!Apple iPhone 6sの3D Touchがスマートフォン業界標準となる

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昨日未明、Appleは新製品発表スペシャルイベントを開催した。イベント前にかなりの情報がリークしており、正直殆ど新鮮味のない発表となってしまったのは残念だったが、最後に発表されたiPhone 6sに搭載される3D Touch(感圧タッチ)テクノロジーがAppleの今回の一連の新製品の最大の目玉機能となったのは間違いない。そしてこの3D Touchがまたスマートフォン業界の”標準”となっていく可能性があり、Appleはまた”業界スタンダード”を作る役目を果たそうとしているといえるかもしれない。

Appleの感圧タッチが業界標準となる

iphone6s_sensor_animation

感圧タッチパネルテクノロジーは今後必ずスマートフォンの標準機能となる」と中国の携帯ソリューションデザイン企業、聞泰通訊の鄧安明CEO秘書が昨日≪毎日経済新聞≫の記者によるインタービューで語った聞泰社は現在中国5大メーカーの主要5大メーカー(Huawei、Lenovo、Meizu、xiaomi、そしてChina Mobileブランド)と感圧タッチパネルテクノロジーの応用について商談を進めており、来年6月くらいからは感圧タッチパネルテクノロジーが搭載されたハイエンド或いはミドルレンジのスマートフォンが市場に出回るもようだ。

またもう一社の携帯ソリューションデザイン企業の龍旗科技の杜軍紅董事長も、同社の顧客の感圧タッチパネル搭載デバイスは来年の第二四半期頃のリリースになるだろうとみている。ちなみに龍旗科技の客先とはxiaomi、HTC、TCLだ。

しかし中国国内のサプライチェーンでは、まだ感圧タッチパネルを量産できるメーカーは1つもない。「中国国内メーカーは多くのテクノロジーによって感圧タッチを実現することはできるが、まだサンプルとテストの段階です。スマートフォンメーカーの一部は年末のリリースを希望しているが、やはりテストには時間がかかる」と感圧タッチチップメーカーの敦泰科技の貢振邦マーケティング部長は記者に対して語っている。

来年第二四半期に中国で感圧タッチパネル搭載スマホのまとまったリリースあり?

iPhone 6sがリリース発表される前に、ファーウェイ(HUAWEI)Mate Sという感圧タッチパネルが搭載されたスマートフォンがリリース発表され、iPhone 6sは残念ながら世界最初の感圧タッチパネル搭載のスマートフォンとはならなかった(当ブログでも紹介済)。

iPhone6s_iPhone6s-Plus

Huawei-MateS

Appleが発表した”3D Touch”が、中国国内ソリューション企業やメーカーを刺激

AppleはiPhone 6sの感圧タッチパネルに”3D Touch”という名前をつけたことを発表した。発表イベント上で、Appleのクレイグ・フェデリギ ソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長が、軽くプレスすることでコンテンツをプレビューし、更に強くプレス(ディーププレス)することでそのコンテンツを開く、というデモンストレーションを披露した。タップの強さによって異なった機能を実現するのだ。Appleは、これは同社のハードウェアチームとソフトウェアチームの協力の結果だとし、「非常に大きな突破口で、インタラクティブの全く新しい体験だ」と豪語する。

iPhone6s_3D-Touch_event

感圧タッチを採用することで、ボタンを押す回数を減らすことができ、更に多くの効果や機能をもたらすことができる。またゲーム中にタッチの強度を感知できれば、更にインタラクティブの可能性が広がる。最近イノベーションに欠けると指摘されているものの、Appleやファーウェイといったスマートフォンメーカーは今でもスマートフォン業界の標準を作り続けているのは間違いない。感圧タッチパネルは中国国産メーカー製のスマートフォンの標準装備となりそうだからだ。

「当社は今四半期でタッチパネルテクノロジーに注目し始め、多くのサプライヤーと接触をしています。5社の比較的大型のスマートフォンメーカーの客先がミドルレンジからハイエンドのスマートフォンに感圧タッチを搭載する意向を示しています。スマートフォンは設計から量産まで約半年の開発期間が必要です。現在はもう既に2016年のソリューションを進めており、来年6月には多くの感圧タッチパネルを搭載したスマートフォンが市場に現れるでしょう」と前出の聞泰通訊の鄧安明CEO秘書は語っている。

この聞泰通訊と前出の龍旗科技の2社の内部事情をよく知る人物の情報では、この2社がソリューションを提供するスマートフォンは来年第一四半期には発売されるという見方もある。

中国国内チップメーカーはまだ量産開始できず

Appleの3D Touch(Taptic Engine)の調達には3種類のサプライチェーンあり

iPhone6s_taptic-engine

とあるサプライチェーンの内部事情に詳しい人物によれば、Appleの3D Touchのモジュールの完成品のサプライチェーンは3つに分かれているという。まずチップそのものはApple自身が製造しているといい、Appleはこのチップに関する技術特許を100種類以上取得しているという。

そしてサプライチェーンとして、チップパッケージングは環旭電子によって行われている。そして感圧センサー”Taptic Engine”に使われるリニアモーターは金龍機電等のメーカーが供給しており、モジュールは台湾TPKと、あのフォックスコン(Foxconn、富士康)を傘下にもつホンハイ(鴻海)グループのうち、タッチパネルサプライヤーのF-GISによって支給されているという。

感圧タッチテクノロジーは大きく分けて2つある

感圧タッチパネル技術を研究開発している或いは既に開発に成功している中国国内のメーカーは、現在その感圧タッチを実現する感圧センサー技術によって2種類にわかれているという。

1つはAppleの3D Touchのように”チップ”を使う技術で、中国国内で代表的なメーカーは敦泰科技や匯頂科技だ。もう1つは”感圧フィルム”技術で、代表的なメーカーは利永環球などが挙げられるという。

「”感圧フィルム”テクノロジーは感圧フィルムに蓋をかぶせることで感圧センサーを実現するもので、Appleの採用しているチップ技術では1点の圧力しか感知できないが、感圧フィルムテクノロジーではマルチタッチ(2本指以上)による感圧が可能なことが特徴だ。しかし厚さがチップ技術よりも分厚くなってしまうことや、操作性についてはチップ技術にかなわないため、多くのメーカーがやはりチップ技術を選んでいる」「中国国産の感圧タッチチップは現在のところまだサンプルとテストの段階だ。量産に至るまでにはまだ多くの課題が残っており、製品の安定性が問題でまだ合格に至っていない」と前出の内部事情に詳しい人物は明かしている。

感圧タッチチップメーカーの敦泰科技は既に一部のメーカーにサンプルを提供しているという。前出の敦泰科技の貢振邦マーケティング部長は記者に対し、「既に中国国内のメーカーは感圧タッチ搭載のスマートフォンのリリースを急いでおり一部のスマートフォンメーカーは年末に量産したいと希望していますが、まだ多くのテスト結果によってこの先のプロセスを進めなくてはいけないため、中国国内では誰も量産までたどり着けていないのが現状です」と話している。

画蛇添足 One more thing…

今でもスマートフォン全体のサプライチェーンの中心は中国だが、Appleはチップ部分を自社で作って外に出さないことで、ノウハウを漏洩させないようにし、すぐに真似する中国のメーカーよりも先んじて3D Touchをリリースしたということになろう。だからこそチップ技術を採用したのかもしれない。

もちろん、ファーウェイのMate Sには出し抜かれてしまったが、Appleはもう今は世界初・最速は求めない企業となっている。

実際に手に持って、iPhone 6sの3D Touchとファーウェイ Mate Sの感圧タッチのどちらが使い勝手がいいのか、比較してみたいものだ。

記事は以上。

(記事情報元:cnBeta

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