2015年は約17日前に既に歴史となり、多くの人から振り返られる年となった。そして台湾のマーケットリサーチ会社のTrendForceが2015年の世界スマートフォン業界に関するレポートをいち早く発表したのでご紹介したい。
世界的にスマートフォン市場の成長は鈍化
TrendForceによれば、2015年の世界のスマートフォン全体の出荷台数は12.92億台(約13億台)となり、前年比10.3%の成長となった。この成長速度は過去数年の高度成長に比べると大幅に鈍化しているが、業界内での一般的に予測や同じくマーティングリサーチ会社のIDCが予測していた“1桁成長”よりはいくぶんかよかった結果となった。なお、TrendForceでは2016年の市場予測も公開している(何を根拠にしているかは、別として。。)。
中国のスマホメーカーの成長が目立つ結果に
全体的には中国のスマートフォンメーカーの活躍が目立ち、中国メーカーの2015年全体の出荷台数だけで5.39億台と約半数近くとなっている。世界のトップ10スマートフォンメーカーの中で、中国メーカーは7つもランクインしている。ファーウェイ(HUAWEI、華為)、シャオミ(xiaomi、小米)、レノボ(Lenovo、聯想)、TCL、OPPO、vivo、ZTE(中興)だ。
そしてその7つの中国メーカーの内、ファーウェイが最も急成長したメーカーとなった。特筆すべきは、ファーウェイがハイエンド市場とローエンド市場の両方で活躍したことだ。ファーウェイはそのことで2014年よりも2.2%もシェアを伸ばし、レノボを攻略して中国勢最強の座についた。TrendForceはファーウェイは今年も1%ほどのシェアの成長があるのではないかとみている。
ファーウェイとシャオミに追い抜かれたレノボは、2014年の販売台数が9200万台だったところ2015年には7000万台に落ち込み、その下落率は24%にもなった。市場シェアも7.9%から5.4%に落ち込んでいる。マーケティングデータの分析によれば、これはレノボがモトローラ(Motorola)を買収したことによる合併がうまくいっていないことを表しているという。しかしTrendForce2016年には少々持ち直すとみられている。
そして昨日自社発表でも2015年の出荷台数が7000万台を超えたと発表しているシャオミも、2015年にはレノボを抜いて4位、中国勢では2位に入り、安定した成長を見せている。もっとも、昨日の発表ではCEOの雷軍(レイジュン、Lei Jun)が2015年には目標8000万台という数字だけが一人歩きして社員が疲れてしまったという反省をしていたが。。
サムスンとAppleのツートップは変わらず
中国以外に目を向けると、2015年はやはりサムスン(SAMSUNG)とApple(アップル)がツートップであることは変わらず、しかもこの2つのメーカーが突出してシェアが大きく、その優勢は大きいと言わざるを得ない。
サムスンは2015年の出荷台数が3.2億台となり、2014年より1.8%下落し、市場シェアも3%下落して24.8%となった。TrendForceの予測ではサムスンは今年も継続して下落が続くとしているが、絶対数としてはまだまだ1位の座を保ちそうだ。
Appleの市場シェアは2014年に比べて1.1%増加して17.5%となった。
世界トップ10スマホメーカーの中でもう1つの韓国メーカーのLGは、5.3%のシェアを持っているが、2014年からわずか0.1%ダウンという結果となった。
日本の最後の砦、ソニーはトップ10から姿を消した。復活はあるのか
そして悲しいことに、2014年には3.9%のシェアで8位にいた我らが日本のソニー(SONY)が、2015年にはトップ10から姿を消してしまった。TrendForceの予測では今年もトップ10に返り咲くことはないとのことだが、なんとか奮起してトップ10に戻ってきてほしいものだ。
私個人としてはたぶん買うことはないのだけど。。
画蛇添足 One more thing…
上記は出荷台数のランキングだが、もし収益ランキングが出たとしたら圧倒的にAppleがトップなのは間違いない。スマートフォン業界の儲けの90%をAppleがとっているという情報もあるほどだからだ。中国を含む他のメーカーは正直殆ど価格競争になってしまって薄利多売で、青息吐息というのが正直なところではないだろうか。
圧倒的な高値でハイエンド市場をおさえているAppleは、出荷台数ランキングはあまり気にしていないのかもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:TrendForce)