現在Androidのスマートフォンメーカーはプロセッサの性能についてクアッドコアからオクタコア、そして10コアまで喧伝しているところがある。しかし最も重要なのはシングルコア、つまりコア単体での処理能力で、これはユーザエクスペリエンス(UX)に大きく影響する要素だ。中国の@我用第三人称さんが、モバイルARMプロセッサのシングルコア性能をランキングにまとめたのでご紹介したい。なお、データはGeekBench3のシングルコアのベンチマークスコアからとられている。
ランキングをみれば一目瞭然だが、AppleのA9X(iPad Proに搭載)とA9(iPhone 6s/6s Plusに搭載)がトップで、特にA9Xのシングルコアの能力は、1年待ってもAndroid機が追いつけるとも限らないほどの数字だ。ただ、もちろんA9XはiPad Proというタブレット用のチップではある。
もしスマートフォンのプロセッサだけで話をすれば、Snapdragon820とA9チップはかなり近く、その差は10%以内だ。現在のところ、この2つのチップだけがシングルコアで2000点以上をたたき出している。
そしてそれに続くのがファーウェイ(Huawei)のKirin950には動作クロックが高いA72アーキテクチャを使用しているため3位に入った。これはAppleのA8Xチップ(iPad Air 2に搭載)とほぼ変わらず、iPhone 6/6 Plusに搭載されているA8チップを上回っている。
以前のチップランキングで上位を占めていたMT6795やKirin 935等はA53アーキテクチャを採用しているため、シングルコア性能が低く、これにMT6752を加えた3種類のチップはシングルコアのベンチマークスコアが1000点にも達していない。
正直、マルチコアであることをうたうことはユーザエクスペリエンスにはそれほど影響しない。シングルコア性能が低いA53を8個並べたところで、マルチコアのスコアが上がるだけで全体的に快適になるわけではないので要注意だ。
もちろん、UXがよくなるかはプロセッサの性能が全てというわけでもない。AppleのiPhone 6/6 PlusはDRAMが1GBしかなく、マルチタスクが十分に機能していなかったが、iPhone 6s/6s PlusでDRAMが2Gに倍増されたためかなり快適にマルチタスクが使えるようになった。他にもOSの最適化度合いなど、多くの要素が絡むところでもある。
なお、描画能力もA9Xが突出している。
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(記事情報元:CnBeta)