iOSのシステム容量だけでも2GBを超え、またアプリの容量や、写真・ビデオなども解像度が上がるにつれますます容量が大きくなり、16GBのモデルでは殆ど足りないのではないだろうか。ということでもし16GBモデルを買ってしまった場合は、写真やビデオ・音楽などを削除しつつ使うしかなく、どうしても足りなくなったら容量の大きいモデルを買うしかなかった。
しかしそんな状況の中、中国に強者が現れた。@上海布凡科技によって、なんとiPhoneの内蔵メモリを16GBから128GBに手作業で交換する方法が公開されたのだ。とはいえ、専用の道具やリーダ・ライタなどの設備も必要で、はんだ付けなども発生しリスクが存在するため、よい子は真似しちゃダメだ。
では、ステップバイステップで方法を見ていこう。
まずは改造前のiPhone 6 Plusを確認。16GBの米国版で、ゴールド色だ。
- まずは下のねじを外してフロントパネルを開ける
2. 全てのねじを外し、ロジックボードを裸にする。
3. ロジックボードの正面をパチリ。
背面もパチっとな。
4. iPhone 6 Plusのロジックボードはその前のモデルiPhone 5sよりも薄くなっており、落としたりすると壊れるリスクが高い。しかし端末全体の厚さを薄くするためその強度が犠牲にされた。さて裏側の真ん中に着いているのが内蔵メモリだ。この端末の場合、SK hynix(ハイニクス)社製の16GBのフラッシュストレージだ。
5. 16GBのフラッシュストレージ(左)と128GBのフラッシュストレージ(右)の比較。見た目は殆ど違わない。
6. iPhone 6の世代のAppleのフラッシュストレージは、それまでと同様SKhynix(SKハイニクス)、SanDisk(サンディスク)、TOSHIBA(東芝)等のメーカーによって支給されてきた。読み書きのスピードは相当速い。ということで、内蔵容量をアップデートするにはこのチップを交換するしかない。
しかし、iPhoneの内部にある程度詳しい人なら、iPhone 6の時代のアクティベーションには、内蔵メモリシリアル番号、iPhone本体のIMEI、ベースバンドチップ、そしてTouch IDとA8チップの情報がぴったり揃っている必要があるため、内蔵メモリを交換しただけではアクティベーションができないこともご存じだろう。
実はとある神デバイスによって、内蔵メモリのシリアルナンバーを書き換えることが可能になっており、それによって内蔵メモリを交換することができるのだ。つまり、交換先の128GBのフラッシュストレージのシリアル番号を、交換元の16GBのそれに換えてしまえば正常にアクティベーションができてしまうというわけだ。
そしてこれがその書き換えを可能にする64ビットの内蔵ストレージのリーダ・ライタ=書き換えデバイスだ!
7. 母艦への接続ケーブルを用意する。
8. 新しい128GBのフラッシュストレージを書き換えデバイスにセットする
9. 秘密のデバイスに電源を通す
10. 母艦で書き換えプラットフォームアプリにアクセス。iPhoneのモデル番号情報もこの書き換えツールで変更することができてしまったりする。米国版のLL/Aを、ここでは中国大陸版のCH/Aに書き換えている。また、128GBの内蔵メモリには元の16GBのシリアルナンバーを書き込めば、これでだいたい半分終わりだ。
12. 新しい128GBの内蔵メモリチップの裏側にはんだペーストを置いていく。完成したら脇に避けておく。
12. ロジックボードを固定治具にしっかりと固定する。
13. 元のロジックボード上の16GBメモリに熱風を当てて、内蔵メモリチップの周辺の樹脂を溶かす。
14. 樹脂が溶けたら、今度は更に熱風で直接内蔵メモリを熱し、裏側のはんだペーストを溶かす。
15. だいたいよくなったら、工作ナイフで剝がして持ち上げる
16. 内蔵メモリを取り外したらロジックボードを冷やす。そしてここからは載せ替える内蔵メモリ128GBの取り付けとなる。はんだがのった内蔵メモリのチップをロジックボードに載せ、熱風を当ててはんだペーストを溶かす。
17. 内蔵メモリを交換したため、ハードウェア関係の数字が異なってしまっているため、復元が必要だ。DFUモードにしてから復元すれば、アクティベーションが可能となる。
18. 全ての機能が間違いなく使えることを確認。容量も128GBにアップグレードされ、型番もCH/Aと中国版になっている。
ちなみに上記はiPhone 6 Plusの16GBを128GBに改造する例を出しているが、iPhone 4sや5、そして6も内蔵メモリのアップグレードが可能だ。また、iPad mini 2、iPad mini 3、iPad Air 2、iPad Airも交換可能なようだ。ただ最新のiPhone 6s/6s Plusについては可能かどうかは不明。防水処理がされていることから、難しいのかもしれない?
上記は熱風処理などのリスクが存在する上に、特殊な書き換えハードウェアがないと起動することができなくなる。技術とハードウェア条件がない人は絶対に真似しないように!
記事は以上。
(記事情報元:ITHome)