サムスン失注?Appleの来年のiPhoneに採用されるA11チップ、またTSMCが独占受注か

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台湾TSMCのAppleの受注について、台湾のメディア”経済日報“より速報が入ってきた。

A9-chip-Processor

TSMCは2世代後のiPhoneに搭載される予定のA11チップの受注を独占的に受注したもようだ。これによって、今年秋(9月頃)にリリースされる予定の次世代iPhone【iPhone 7(仮称)】に搭載予定のA10チップと連続で2世代のチップを独占受注。宿敵だった韓国サムスン(SAMSUNG)を退け、独占受注の記録を更新したもようだ。そしてそれによって来年の営業収入については心配がいらなくなったもようだ。

サムスンはAppleの大量発注を失注したことで今後は7nmプロセスの開発に集中し、TSMCとの競争のために力を付けたいようだ。

TSMCはこれまで、1つの単独の客先についてコメントすることは控えていた。ただ同社は、10nmプロセスの需要が予想よりも大きいことから、先週リソース支出計画の修正を発表している。TSMCの10nmプロセスはAppleのための準備とみられ、既に製品設計を進め、今年年末には試作を開始するとのこと。このようにTSMCが10nmプロセスの需要が非常に大きくなるという予想を出し、リソース支出の調整を発表したことから、同社がAppleのA11チップを受注したのではないかと思われる。

TSMC9月に発売予定のiPhone 7に搭載されるA10チップ(16nmプロセス)も独占受注したと伝えられており、今年は一気にサムスンを追い抜かし、これまでの7割という関門を一気に突破したとみられている。

TSMCは先週、資本支出をもともとの90億米ドルから100億米ドルに増やし、上方は95米億ドルから105億米ドルに修正すると発表した。その主な原因は10nmの客先の需要が予想以上であったからとしている。これはA9チップまでの複数社購買(実際は2社購買)をして違ったファウンダリに発注するという戦略を捨て、A10と同様に全数をTSMCに一極集中して全て発注するという方針に転換したことを意味する。

業界内部にも、Appleは来年のiPhone【iPhone 8(仮称)】に搭載予定のA11チップについて、TSMCにまとめて発注するという情報が流れており、またTSMCは来年の中頃に10nm InFO(扇形パッケージング)プロセスの少量生産と出荷をし、来年後半には量産に移行するといわれている。

なおTSMC自身も、来年10nmプロセスは市場の70%を占めるだろうと予測している。TSMCの劉德音CEOは、今後5年の営業収入の年増加率を5%〜10%と見積もっており、スマートフォンが営業収入の増加の主な原動力となるとしている。

サムスンはAppleからの受注をめぐってTSMCに大敗を喫した後、内部のリソースを7nmプロセスに集中し、Appleの受注を再び狙い、プロセスの微細化を実現するためのEUV(極紫外光)設備を導入してTSMCとの戦いに備えるもようだ。TSMC内部でも7nmプロセスを最も重要な戦場と考えているため、全力で製造設備を揃えるとみられており、来年の経営リソースは7nm或いは更に小さい5nmプロセスに集中するものとみられている。

なお、以下がTSMCの現在のところのロードマップだが、需要によってはこれらが早まる可能性があるのかもしれない。

TSMC_16nm-5nm_Roadmap

 

画蛇添足 One more thing…

台湾のソースではA11チップの受注をTSMCが独占受注したと断定しているが、当然のことながらAppleやTSMCから公式・正式な発表があったわけでもなく、また契約書のような物的証拠があるわけでもないので、あくまでも業界やメディアによる推測レベルであることはおさえておきたい。

なお、上のロードマップに明記の通り、TSMCの主な客先はApple(蘋果)だけではなく、クアルコム(Qualcomm、高通)など有名なメーカーも含まれる。世界最大のファウンダリとして、客先は非常に多いのがTSMCだ。

記事は以上。

(記事情報元:台湾経済日報

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