サムスン、Appleの2018年の”A12チップ”の受注合戦に再参加か

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Appleが「Aシリーズ」のチップを自社で開発し始めてから、ずっと韓国のサムスン(SAMSUNG)が委託生産先だった。しかしiPhone 6の代には、台湾のTSMCがサムスンから受注を奪っている。そしてその次のiPhone 6sの代では、サムスンもTSMCと同時にAppleからA9チップの受注をとったが、いわゆる”チップゲート(Chipgate)”事件によって、昨年リリースされたiPhone 7のA10 Fusionチップは100%TSMCが受注した。そして多くのニュースが伝えているところによれば、今年の新型iPhoneに使用されるA11チップもTSMCが100%受注したとされている。

Chip-Wafer

Appleに見捨てられ、サムスンは非常に悔しい思いをしているようで、Aシリーズチップの受注を取り戻したいと考えているようだ。韓国のET Newsの報道によると、サムスンは現在7nmプロセスの開発のスピードを上げ、2018年のiPhoneに搭載予定のA12チップに間に合わせようとしているとのことだ。しかしサムスンは以下の3つの難題を抱えていて、そう思い通りにはいかないかもしれない。

  1. 【実際に発生した悪影響】以前サムスンから購買されたiPhone 6s用のA9チップが”チップゲート”事件を引き起こしたことで明らかになったように、サムスンのチップを使うことがリスクになることをAppleに思い知らせてしまった。
  2. 【風評の悪影響】サムスンはスマートフォン製造の方面でも大量のGalaxy Note 7の爆発事件の悪影響により、世界中に悪い印象を与え、またリコールや生産停止になってしまった。更に会長逮捕などの風評の影響も大きい。
  3. 【技術的な差】サムスンは自身の10nmと7nmプロセスを改善しようとしているが、TSMCは既に5nmと3nmプロセスの開発を手がけている。

上記の3点に加え、サムスンとAppleは長年特許や意匠関係で争っている関係と言うこともあり、サムスンがAppleの信用を取り戻すのにはまだまだ時間がかかるかもしれない。ただ、AppleにとってもTSMC一社に頼った購買体制もリスクマネジメントやコストの面でも有利ではないため、サムスン復活を含めいくつかのシナリオを用意しているに違いない。

記事は以上。

(記事情報元:AppleInsider

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