台湾のサプライチェーンの最新情報によると、あのインテル(Intel)がAppleの次世代iPhone【iPhone 7】【iPhone 7 Plus(iPhone 7 Proとも、または単独でProが出るとも)】の50%のモデムチップを受注したとされている。iPhone 7シリーズの出荷時期は今年の9月になるといい、例年と同様になりそうだ。
情報によれば、インテルはAppleのモデムチップの超大型発注を受けたものの、具体的な製造は台湾のTSMC(台積電)とKing Yuan Electronics(京元電)にOEMで発注し、自社ではパッケージングのみ行うという。
iPhone 7のモデムチップの残りの50%については上記の内部情報筋からは明らかにされていないが、多くの人はこれまでAppleと蜜月関係にあったクアルコム(Qualcomm)を思い浮かべるのではないだろうか。
実際、インテルがAppleの巨大サプライチェーンの版図に入り込もうとしていることは業界内では公開の秘密だった。去年、インテルはわざわざ1000人以上のチームを作り、2016年発売のiPhone(=iPhone 7)のためだけに業界内で評判のよい7360シリーズの延長線上のLTEモデムチップを供給する動きをしていた。同時に、Appleもエンジニアチームをインテルのミュンヘン工場に派遣し、7360LTEチップの改善について協力したという。
また、インテルの受注のニュースは、クアルコムのSteven Mollenkopf CEOの発言と合致する。Mollenkopf CEOは先月の業績発表の電話会議で、同社は恐らく1つの主要顧客の一部の受注を失注するだろう、なぜならその顧客は2つ目のチップサプライヤーを既に探しているから、と説明していたが、当時テック系のメディアはMollenkopf CEOが発言した主要顧客を既にAppleのことだと予測していた。なぜならクアルコムのもう1つの主要大顧客のサムスンは、それまでも多くのサプライヤーからモデムチップの部品を購入しており、クアルコムに頼っていたわけではなかったからで、消去法で容易に推測できたのだ。
実際、iPhoneのエンドユーザもインテルとクアルコムのチップの些細な違いには気づかないだろうというのもある。しかも、AppleはiPhone 6sでTSMCとサムスンの2社購買をした結果性能に少々違いがあったことから”チップゲート(Chipgate)”と呼ばれ、火消しには成功したもののあわや大事になってしまう寸前までいった苦い経験もあるため、将来の【iPhone 7シリーズ】でこの2社から購買したチップのバッテリーに与える影響やネットワーク速度等の性能上での差が大きくならないように特に気をつけるだろう。
ともかく1つはっきり言えることは、インテルがもし最終的にAppleのサプライチェーンシステムに入ってチップを供給し始めたら、同社はチップ市場で重要な一歩を踏み出すことになり、またクアルコムにとって携帯端末用チップ市場で非常に恐ろしい競争相手になるということだ。
当ブログでもお伝えしているとおり、iPhone 7の主要サプライヤー(組立工場)は9月のiPhone 7の出荷のため、リリース発表後問題なく規定の時間内に消費者の手に届くように例年より早めに準備を進めているという。
なお、これまでの情報によれば、4.7インチの【iPhone 7】の組立工場は主にフォックスコン(Foxconn、富士康、シャープを買収した台湾企業鴻海の中国大陸企業名)とペガトロン(Pegatron、和碩)が担当するが、5.5インチの【iPhone 7 Plus(或いはiPhone 7 Pro)】は、フォックスコンとウィストロン(Wistron、緯創)が担当するという。ちなみにこのウィストロンは既に生産が終了しているiPhone 5c以来Appleの製品を製造していないことは注目に値する。
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(記事情報元:Tencent Tech)