当ブログでもお伝えしているとおり、Appleは10億ドル(約1,100億円)を中国の民間配車サービストップシェアを持つ「滴滴出行(Didi Chuxing、ディーディー・チューシン)」に出資した。
今週月曜には訪中しているAppleのティム・クック(Tim Cook)CEOと「滴滴出行」のジーン・リウ(Jean Liu、柳青)総裁が二人で仲良く「滴滴出行」のサービスを使って呼んだ”専用車”で北京のApple Storeのフラッグシップストア、王府井店に颯爽と現れて話題をさらった。
しかしAppleはなぜそれほどまでの大金を中国の配車サービスプロバイダに投資したのだろうか?Appleも「滴滴出行」もその目的を公式には明らかにしていないが、最近アメリカのCNBCのインタビューに対して、「滴滴出行」のジーン・リウ総裁がその理由を暗示している。どうやら、テクノロジー上の交流がAppleと共に歩むきっかけとなったようなのだ。
CNBCの取材を受けたジーン・リウ総裁は、「私たちには確かに大量の重複するユーザグループが存在します。運転手も、乗客も、彼らもApple製品、或いはiPhone、iPadを使用しています。これは非常に直観的なものだと思っています」
ジーン・リウ総裁は中国の配車サービス市場の潜在需要はまだまだ巨大で、アメリカに比べると更に大きいことを述べている。「滴滴出行」は中国の民間配車サービストップシェアの87%を占めほぼ独占企業だが、しかし中国人の毎日のお出かけのたった1%しか掴んでいないという。それでも「滴滴出行」が北京で提供している配車サービスは既にニューヨーク全体の配車市場の5〜6倍になっているという。どのように人々のお出かけの需要を満足させるか?そこには「テクノロジー」がソリューションとなっているのだ。
現在はテクノロジーが「滴滴出行」の重点とするところとなっており、「滴滴出行」が如何に需要に足りる車両を確保できるか、そして運転手と乗客の需給バランス問題を解決するか、ということが課題になっているという。
Appleはそのテクノロジーの点で「滴滴出行」に対して多くの潜在的なソリューションを提供できる可能性がある。例えば、Appleがデバイスと一体化したソフトウェアやサービス(地図サービスなど)を「滴滴出行」に提供できるかもしれないからだ。
画蛇添足 One more thing…
もちろん個人的にはそれだけの理由ではないと思う。前出の当ブログの記事でもその理由を推測しているのでご参考まで。
(記事情報元:CNBC)