どんな政府機関の要請でもAppleはiPhoneをロック解除しない!殆どの場合においては。。

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

これはちょっとやっかいな話題だ。もしある犯罪容疑者がFBIに目をつけられて、彼が落としたiPhoneを強制的にロック解除できるだろうか?

Apple CEO Tim Cook speaks during an Apple special event at the Flint Center for the Performing Arts on September 9, 2014 in Cupertino, California. Apple is expected to unveil the new iPhone 6.

Appleはセキュリティ問題ではっきりとした立場を表明

Appleはこれについて、「政府機関の調査命令があったとしてもiPhoneのロック解除を好き勝手に解除したりはしない」との声明を既に出している。Appleはこの件でFBIと何度も舌戦を繰り広げたり、米国の司法省に訴えられて裁判に持ち込まれたりした。後者の場合はその当時実際に捜査中の容疑者のiPhoneに関してのものだった。しかし裁判に出廷しても、Appleは自らの立場を崩さなかった。≪ウォールストリート・ジャーナル≫の報道によれば、Appleの弁護士が数日前、法廷上で米国司法省に以下のような考えを陳述した。

現在でも未来でも、大多数の状況下で、Appleは事件の捜査目的のためであっても好き勝手にiPhoneのロックを解除するようなことはしません。

iOS 8以降は内蔵メモリ全体も暗号化、ますます堅固に

Appleは更に、iOS 8とiOS 9には全ての内蔵メモリの内容に暗号化を施す技術が組み込まれており、誰もがパスワードがなければデバイスのデータにアクセスすることはできないこと、もちろんそれにはApple自身も含まれることを指摘している。しかし、米国の司法省がiOS 7を搭載したiPhoneを調査しようとした場合は、そのiPhoneの暗号化されていないデータ、例えばメールアドレスやカレンダー、またサードパーティ製アプリのデータにはアクセスできてしまうことをAppleも認めている。

Appleは更に、彼らはそもそも強制的にiPhoneをロック解除してデータを取り出すというシチュエーションの発生を避けることに尽力するとしている。なぜならそのことはAppleとユーザの間の信頼関係を崩壊させることになるからだ。

エドワード・スノーデンの暴露事件からセキュリティ・プライバシーに敏感になったApple

2013年にエドワード・スノーデン(Edward Snowden)がプリズム・ゲート(PRISM gate)事件を暴露した後、AppleはユーザのセキュリティをiPhoneの最大の売り文句の1つにし、ライバルのスマートフォンがいかにセキュリティ面で不足しているかについて攻撃することが多くなった。月曜日のウォールストリート・ジャーナルのインタビューで、Appleのティム・クックCEOは再度彼らのユーザのプライバシーに関する観点を語った「どんな組織・機関であろうと、”バックドア”をしかけるのはダメ」だ、と。

画蛇添足 One more thing…

口ではそんなことを言っておきながら、一方でAppleもワシントンD.C.でのロビー活動に余念がない。

世界でとてつもない数のiPhoneを売っているということは、それぞれの国の政府とも色々な取引があるだろう。Appleは殆どの場合はロックを解除することはないとしているが、穿った見方をすれば少数の特殊な場合はするということを宣言しているに等しい。

そして現在Appleにとって世界第2位の市場である中国では、データ通信の暗号化そのものが本来は違法とされており、中国内の通信は検閲されることが大前提のため、Appleのような暗号化や強固なセキュリティ、ユーザのプライバシーに対する過度な保護は歓迎されないはずだ。そのあたりをどう折り合いをつけてクリアしているのか、もっと詳しいことを知りたいところだ。

ちなみに上記の通り、iOS 8から基本的に内蔵メモリ内のファイルの暗号化がされるようになった。iOS 7のままの方は、現行のiOS 9.0.2にアップデートすることをおすすめしたい。

なお、以前当ブログでもAppleのセキュリティに関する取り組みについて何個か記事を書いているが、直近の以下の記事が今回の記事の内容と近い。よろしければご参照のこと。

記事は以上。

(記事情報元:9to5macWeiPhone

Visited 83 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人