インドが外国投資規制を緩和、Appleの直営店オープンに追い風

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Appleは今年の2月の業績レポートで、インドにはフラッグシップストアがないため、同社のプレミアムブランドが定着しないと記していました。これは以前から指摘されていたことで、他にも最新の機種がなかなか販売されなかったり、販売されても他国で販売されるよりも遥かに高い価格で販売されるなど様々な要因があって、iPhoneのインドでのシェア率はたったの1桁台に留まっているという悲惨な状況です。

Apple-India

しかし今回インドで総選挙が行われモディ首相が再選されたこと、また最近大阪で行われたG20サミットでモディ首相と米国のトランプ大統領が直接会見したことで両国の関係が改善ムードにある中で、インドのIndia TimesのThe Economic Timesからのニュースによると、インドは現在単一ブランドの小売部門における現地調達の規則を緩和したと伝えられています。

この規制緩和の動きは、インドが堅調に推移している一方で、世界の対外直接投資の流れが鈍化したときにより高い対外投資を自国に引き付けることを目的としていますが、これによってインドに旗艦店を開店したいと強く望んでいるAppleにとっては追い風で、地元のアナリストも期待しています。しかし、Appleはこのアナリストの仮定についてコメントを出していません。

シンガポールに本拠を置くCanalysのリサーチマネージャ、Rushabh Doshi氏は「Appleはこれを祝うべきです。どちらかといえば、インド(で初めて)のApple Storeにタイムラインを増やすことがより簡単になるからです」と述べています。

またCybermdia Research Prabhu Ram(サイバームディア・リサーチ・プラブー・ラム)のインテリジェンスグループのトップは、「(これまでの)地元での調達基準を30%強制的緩和することは、インド経済の成長に拍車をかけ、Appleを含むシングルブランド小売部門の大手企業の誘致に役立つ可能性があります」と述べています。

ちなみに既にインドに進出し、100店舗以上の小売り店を展開している中国のシャオミ(小米、Xiaomi)は今回の規制緩和の対象にはならず、影響は限定的になるようです。

いずれにせよ、世界的に、特に中国を含む大中華圏において中国国産ブランドの勢いに押され大失速となっているAppleにとっては、まだまだ伸びしろのあるインドへの進出は業績の維持には不可欠で、今回の現地調達規制緩和が、現在Appleがインドにまだ直営店を1つも出すことができていない原因を全て解消するものかは不明ですが、Appleにとってはいい流れであることは間違いないといえるでしょう。Apple iPhoneの最大の組立委託先であるフォックスコンも、インドでのiPhone Xの組立を今年から開始するといわれていて、これは米中貿易戦争による関税回避にも役立つともいえますが、もちろんインドの政策にあわせた施策であることは間違いありません。

更にAppleは昨年8月にハイデラバードでマップ開発センターで3500人を雇用しており、現地での雇用を生み出すことでインド政府への揺さぶりをかけています。

Appleもこれまでインド進出への準備を着実に進めてきたといえるでしょう。

ともかくまだ全くインドに根を下ろしていない状態では、他社に比べ端末の価格が高いだけと捉えられてしまっている現状を打破しない限り、インドでApple製品、特にiPhoneが売れることはないでしょう。Appleの魅力は今やハードウェア性能よりもエコシステムです。その魅力を伝えるにはやはり直営店が大きな役割を果たすのではないでしょうか。

更に、直営店ができることで、地元企業の流通からApple自社直接流通に切り替えることで、製品価格を抑えることができるようになるかもしれません。

記事は以上です。

(記事情報元:Patently Apple

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