【Apple vs FBI】警察署長がiPhone 5cには大して重要なデータは残っていない可能性ありとコメント

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AppleとFBIの間で、昨年末にカリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射テロ事件の犯人サイード・ファルークが持っていたとされるiPhone 5cを強制ロック解除するかどうかについてのいざこざは既に世紀の裁判となるかもしれないといわれているほど大事になってしまっている。当ブログでもお知らせしたとおりだ。

しかしもしこの裁判でFBIが勝利し、Appleが調査に協力せざるを得なくなったとしても、もしかしたら結果的に何の役に立たないかもしれない。

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サンバーナーディーノの警察署長Jarrod Burguan氏は数日前にアメリカ国営ラジオNPRの朝のニュースの取材で、もし今回AppleがFBIとの裁判に負け、Appleが銃乱射テロ凶悪犯のiPhone 5cのロックが解除されたとしても、そのiPhone 5cの中には何ら価値のある情報は入っていないだろうと述べている。

Jarrod Burguan署長は、「実を言えば、あのiPhoneには本当に何の価値もない可能性がある。しかし私たちはその中からこの事件と関係のある人の連絡先を得られることは期待している」と答えている。そしてもっと大きな犯罪組織などの情報が得られることで、今後の事件の発生の予防に役に立つかもしれないが、その確率は非常に低いだろうとみているようだ。

ただ、もちろんBurguan局長は立場的にはFBI側に立っており、関連調査部門が全力を尽くして事件と関連性のある糸口は全て逃すことなく調査することで、被害者やその家族に対して責任を負うとしている。

数日前、米国の上院司法委員会は、FBIのJames Comey局長がApple側の顧問弁護士Bruce Sewellを3月1日に国会の聴聞会に出席させ、裁判所がAppleに対してデバイスの暗号化を解除するように要求する権利があるかどうかの問題について証言を行わせる、と発表している。

 

画蛇添足 One more thing…

実際、警察署長がここまで言うのであれば恐らく、大したデータは入っていない可能性が高い。ある程度目星をつけた上じゃないと、こんな発言はしないだろうからだ。

もし犯人が頻繁に連絡を取っている連絡先を知りたい場合は、FBIや警察はAppleではなく、携帯キャリアや電話局に執行命令を出し、これまでの通信記録を提出させればいいのではないかと思う。そして連絡先を割り出し、その人達から事情を聞くことだってできるはずだ。警察としてはそのような泥臭い捜査の方が似合っているし、そういう捜査方法が本来は基本のはずだ。

また、犯人のファルークのiPhone 5cのパスワードをFBIが一回変更しているという情報もあった。となると、完全にFBI側のミスをAppleに背負わせようとしていることになるため、FBIの主張はそもそもおかしい。

国家の安全のために既に大量の情報を集めているFBIにとっては、iPhone 5cなどなくても他に捜査方法はいくらでもあると思う。いくら国家権力といえども、既に国家なみかそれ以上に金持ちのAppleのような巨大なテック企業を相手に戦うとなると、厳しいものがあるのではないかと思う。ここにきて米国のテック企業全体もまとまってAppleに味方しつつある(アジアのテック企業の反応は冷ややかだが)。

Appleを支持するか、FBIを支持するか。。アメリカの世論は真っ二つに割れているようだが、もしFBIが勝ったとして、Appleがロック解除して特に有用な情報がなかったとしたら、正に「大山鳴動して鼠一匹」だ。しかしFBIはあたかも非常に重要な情報を得られたかのようにふるまい、もしかしたら何らかの行動を起こしてテロ未遂犯として誰かを捕まえ、自らの正当性を主張するかもしれない。

だって、かの国は大量破壊兵器があるといって正当性をでっち上げてある国を攻撃し(実際には存在しなかった)、めちゃくちゃにしてしまうような政府が動かしているのだから。。

記事は以上。

(記事情報元:NPR

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