Apple本社「Apple Park」の新型コロナウイルス感染症対策とは

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Appleは世界で最も成功している企業でもあり、様々な面で最先端の技術と管理手法を用いているといわれています。それでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応は具体的にどうしているのでしょうか。Bloombergがその模様を伝えています。

Apple-Park

Appleは、新型コロナウイルス感染症がパンデミックになった3月頃、大中華圏を除く世界中全てのApple Storeの閉鎖を決めました(なお、記事更新現在は世界の半分ほどのApple Storeが再開しています)。それと共に、米国カリフォルニア州クパチーノにある、2017年から使用が開始された本社Apple Parkへの通勤についても制限し、ティム・クックCEOが「仕事が許せば、遠慮なくリモートで働いてください」と従業員にメールしたほどで、積極的にリモートワークを進めていました(ただし、「仕事が許せば」が肝な気がします。日本でも仕事のため、ということで緊急事態宣言が出ても社員を会社に通わせる経営者や管理職がいたのは記憶に新しいですね)。

そして5月からは少しずつ従業員がApple Parkに戻りつつあるようです。

その戻ってきた従業員に対し、AppleはオプションのCOVID-19感染検出のためのPCR検査(いわゆる綿棒テスト)、体温チェック、クローズドキッチンの採用、ソーシャルディスタンス測定、およびフェイスマスクの提供が含まれます。

Apple Parkは12000人を収容できると発表されていますが、現在でも従業員は全員が週5で出ているわけではないようで、あまり人数が集中しないような管理をしているようです。

また特定のエリアでは入れる人数を制限しています。Appleは特定の小会議室を閉鎖しました。また、マスクの着用を従業員に促していて、エレベーターには同時に2人しか乗れない決まりになっているということです(通常は最大10人搭乗可能)。

ただ、AppleはTwitterやFacebookのようなネット企業と異なり、iPhoneやiPad、Macなどの実際の製品をメインに扱っている会社であることから、完全なるリモートワークを目指しているわけではないとBloombergも指摘しています。Facebookは年末までリモートワークの期間を延長しましたし、リモートワーカーの積極的な採用を進め、今後最終的には従業員の半分がリモートワーカーになることを目指しているといいます。

著名なジャーナリストのMark Gurman氏は、「Appleは対面式の会議と実践的な製品開発を長い間優先しており、その中心的なビジネスはハードウェアであり、オフサイトでの作業にはあまり貢献していません。」と書いています。

特にデザイン・製品開発においては、バーチャルで相当リアルに作業できる環境が相当揃わないことには、オンラインで行うことは難しそうです。実際にモノを手に取ってみて、触って動かしてみてわかることも沢山あるのが想像できるでしょう。また、Appleは部門の垣根を越えて、多くの人が共同で作業可能なオープンフロアがあるのが特徴でした。しかしそのレイアウトも、残りの従業員がApple Park勤務に復帰するためには変更を余儀なくされるのではないかとみられています。

そういえば、AppleはGoogleと組んで、感染者との接触追跡を実現する仕組みを作っています。当然ながら自社の従業員が格好の実験台になるのではないかと思われますが、どうなのでしょうね。。

Appleの広報はこの件についてコメントを控えました。

記事は以上です。

(記事情報元:Bloomberg

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