VR時代到来でますます時代遅れになるMac Pro、アップデートはいつ?

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macpro

もしAppleが近いうちにMac Proをアップデートしないと、他に更に先進的なテクノロジーのハードウェアが登場し、どんどんWindows陣営に先を行かれてしまうだろう。

そう、Mac Proは急速に”老いて”しまっている。特に他のWindowsハードウェアがどんどん出てきている今日この頃では。

Mac Proは3年前のデバイス、当時はリリースされたことに意義があった

MacPro-repair

Appleの現行で最新のMac Proはもう既に3年前のものになってしまっている。Appleは2013年にMac Proをリリースした。このMac Proの外観デザインは非常に変わっていて、当時そのスペックも一流だった。最新のCPUとGPUを搭載し、NVMeメモリとThunderbolt 2コネクタを搭載していたのだ。

更に重要なのは、Mac ProのリリースはAppleがプロのコンピュータ市場を見捨てていないということを示したことだ。Mac Proのリリースは、かつてG5などを使用してきたプロユーザの買替え需要を大いに刺激したのだ。

時は流れ、時代遅れになっているMac Pro

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しかし、時間の流れは速い。Mac Proは既に他のライバルに後れを取ってしまっている。レノボ(Lenovo)やデル(Dell)、HPなどのメーカーが更にスペックが高く先進的なワークステーションをリリースしているからだ。

これらのコンピュータは正に今、Mac Proユーザを奪っている。プロユーザは更に速いCPUとGPUとメモリを求め、Windows陣営に身を投じてしまっているのだ。プロユーザにとっては、仕事の方が大事で、ブランド忠誠度はそれほど重要ではないのだ。

また新しいWindows 10のプロスペックコンピュータでは、動画の編集やプロ向けアプリケーションの実行、そして今正にスタートしたばかりのHTC ViveやOculus Rift等のVRデバイスの運用もスムーズにできるのだ。それに比べ、Mac Proは確かに性能は今でも素晴らしいが、VRデバイスのサポートについては後れを取ってしまっている。

Oculusの創業者のパルマー・ラッキー(Palmer Luckey)氏はShackNewsの取材を受けた際に、Rift VRヘッドマウントディスプレイを将来的にMacシステムに対応させるかという質問に対し、それはAppleが優秀で性能が物足りる製品をリリースするかにかかっていると回答している。

VR分野では更に遅れが目立つMac Pro

Mac-Pro_串揚げ

ラッキー氏は更に、「もしあなたが6000ドル(約65万円)を出してデュアルAMD Fire Pro D700のMac Proを買っても、私たちの推奨スペックを満足することができない。もしAppleが以前と同じようにハイスペックなCPUの搭載を優先的に考慮するのであれば、私たちもMacのサポートを是非やりたいと思っている。しかし現段階では、AppleのどのMacもバーチャルリアリティテクノロジーをサポートするのに満足するスペックを持っていない」と語っている。

Macのコンピュータのユーザは大多数が一般ユーザだが、一部のプロユーザにとってもそのスペックは十分満足のいくものだ。ただグラフィック処理などゲーム向けの性能に劣るため、価格がいくら高くなってもVRデバイスが必要なコンピューティング能力要求に達しないのが現状なのだ。

 

Mac Proより優れたWindows 10ワークステーションが最近続々とリリース

Mac-Pro_天ぷら

最近リリースされたいくつかのWindows 10ハードウェアの中で、HPの【Zシリーズワークステーション】は、売値が4363ドル(約47万2000円)からで、今週リリースされたばかりのものだ。Intel Xeon E5-2600 v4プロセッサを搭載し、最高22コア、2個のNVIDIA Quadro M6000 GPUを搭載し、超強力なグラフィック描画性能を誇る。更にこのマシンにはDDR4が採用され、SATA、SAS、NVMeのSSDスロットもある。

Dellが先週リリースしたばかりの【Precisionワークステーション】も、最新の22コア Intel Xeon E5-2600 v4プロセッサを搭載し、チップセットはBroadwellだ。

更にMSIもある。先月、MSIはMac Proに外観が似た【Vortex】ゲーム用PCも、販売価格は2199ドル(約23万8000円)からで、Intel Core i7 4GHzプロセッサを搭載し、グラフィックカードはデュアルGeForce GTX 960を搭載、16GBのRAMと、2枚の128GB SSDを搭載、1TBのハードディスクも搭載している。更にハイスペック版が販売価格が3999ドル(約43万2000円)からリリースされており、デュアルGe Force GTX 980グラフィックカードと32GB RAMの恩恵を受けることができる。

これらの最新のコンピュータはMac Proにプレッシャーをかけ続けている。販売価格が2999ドル(約32万4000円)からとなっているMac Proは、2013年第三四半期にリリースされ、12コアでチップセットはIvy BridgeのIntel Xeon E5プロセッサを搭載している。Mac Proが搭載しているグラフィックカードは既に時代遅れとなっているAMD Fire Proとなっており、メモリはDDR3仕様だ。Thunderbolt 2コネクタも既に時代遅れで、Thunderbolt 3は伝送速度が40Gbpsで、2の2倍の速度になっている。

 

Mac Proは「ローエンドのワークステーション」に成り下がっている?

MacPro-review

Mac Proは3年前のデバイスで、既に古いコンピュータといえるが、しかし速度はやはり非常に速い。それでもTechnalysis Researchのトップアナリスト、Bob O’Donnell氏によると、プロが欲しがるのは最新ので最も速いハードウェアだという。

O’Donnell氏は、「Mac Proはみたところ現在ではローエンドのワークステーションレベルに見える」とまで言い切っている。

O’Donnell氏は、Mac Proはエンジニアリング用のプログラムや、動画の編集に関しては余裕の性能を発揮するが、更に速いコンピュータは、クリエイティブな人達に更にVRデバイスを使った新しいバーチャルリアリティのコンテンツを容易に作り出す手助けができるだろうと語っている。

 

VR分野で求められるのはより速いグラフィック処理性能

Mac-Pro_梅干しご飯

VRは新興市場で、ワークステーションにはより強力なビジュアル処理能力が求められるようになっている。

Appleはいまだその重心をVR分野に移していない。VR分野の未来はまだ不明瞭だからだ。しかしAppleはVR分野に全く関心がないわけではない。これまでAppleが出願した特許などを見ていると、裏で密かにVRの発展に注目して研究しているのは間違いないのである。そしてOculusの創業者は、新しい強力なMacがリリースされればRiftをMac用に対応させると公言しているのだ。

AppleがもしMac Proユーザを引き留めたいと考えているのであれば、AppleはVR以外にも、現在EV(電気自動車)が伸びている自動車市場にも入ることができる。Mac Proがワークステーションとなり、プロユースの自動車設計にも役に立つことになるのだ(もちろんApple自身のEVの開発にも・・・?)

Bob O’Donnell氏はAppleに、Mac ProとiMacの融合を提案している。そしてこれは不可能なことではない。2010年、AppleはこれまでのXserve製品ラインを廃して、XserveユーザをMac ProとMac Miniに振り分けたのだから。

 

Mac Proのアップデートはもう少し待った方がいい?

Mac-Pro_すき焼き

ただ、長く辛抱強く待つことはいい結果をもたらすかもしれない。Appleが急いでMac Proをアップデートせず、暫く待った場合、最新鋭のハードウェアを用意することができ、またWindows陣営より先を走ることもできるかもしれないからだ(とはいえ毎年新しい技術が登場するので、いつまで待てばいいかという話はまた別)。

Intelが現在開発中の更に速いOptaneストレージチップによるSSDが、今年の暮れ頃にリリースされ、ハイエンドのゲーム機やワークステーションに採用されるという。Intelによれば、Optaneストレージチップは3D Xpointテクノロジーを採用し、そのスピードはNANDフラッシュメモリの1000倍で、しかも更に耐久性も高いという。

メーカーも更に速いCPUを開発している。AppleはAMDのグラフィックチップを採用しているが、AMDも今年の暮れ頃にPolarisチップセットを採用したGPUをリリースする予定だ。

AMDの競争相手は今週リリースされたばかりのTesla P100で、GPUはPascalをもとにしており、主にハイエンドのコンピュータデバイス向けとなっている。NVIDIAも今年の暮れにはワークステーション向けの新しいQuadro GPUをリリースするといわれている。

これらがWindowsデバイスに搭載されてから、AppleはMac Proのアップデートを考えるのかもしれない。

 

Mac Proはやはり「最高のマシン」でなくてはならない

Mac-Pro_シューマイ

O’Donnell氏は、「Mac Proのようなハイエンドのコンピュータにとっては、”性能が物足りている”という言葉はない。なぜならそれは直接淘汰に結びつくからだ」とも語っている。

次のWWDCでMac Proのアップデートが発表されるだろうか、それとも・・・?

そして業界ではVRは10月にリリースされるといわれているソニー(SONY)のプレイステーションVRでユーザがVRデバイスを受け入れられるかのみならず、人々のライフスタイルにVRがどれだけのインパクトを与えられるかがわかるのではないかと見られており、現在ではまだ株などの動きも様子見のところがある。Appleも同様にVR市場に対しては慎重に様子見をしているのかもしれない。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

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