著名なEV(電気自動車)メーカー、テスラのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOはかつて、Appleを嘲ってあそこはテスラの「墓場」と例えたことがある。マスクCEOは更に、「もしテスラでいられなくなったら、Appleでいい仕事が見つかるよ」。確かにこれまでAppleがテスラから引き抜いてきた人物達は、それほど職位が高いエンジニアではなかった。しかし今回、Appleはとうとうテスラの元幹部を引き抜くことに成功したようだ。
EV専門サイトElectrekの報道によると、テスラの前カーエンジニアリング担当のChris Porritt副社長がAppleに入社し”スペシャルプロジェクト”に参加しているという。Chris Porritt氏はかつてイギリスの有名な自動車メーカー、アストンマーティンのトップエンジニアで、彼の自動車業界での豊富な経験はAppleが喉から手が出るほど欲しかったものだろう。いうまでもないが、Porrittが担当する”スペシャルプロジェクト”とは、噂されている”Project Titan”で、AppleのEV【Apple Car】の研究開発であるとみられている。
今年1月23日に、AppleのEVプロジェクトの責任者だったSteve Zadesky氏がAppleを退職するというニュースは当ブログでもお伝えしたとおりだ。もしかしたら、このZadesky氏が残した空席をChris Porritt氏が埋めたのかもしれない。
なお、テスラに入る前にPorritt氏はイギリスの自動車工業界では最も重要なエンジニアの一人だった。彼は1987年にランドローバー(Land Rover)に入社し、1997年には同社の動力部門のトップエンジニアとなった。その後Porritt氏はアストンマーティンに入社し、同社内でトップエンジニアを2013年まで勤め上げた。
さてこのPorritt氏の輝かしい経歴がAppleにどう活かされるのだろうか?まあ、これも殆どいうまでもないだろう。。そして一度Appleのジョニー・アイブCDOの命で人材募集をストップしていたと思われるProject Titan。Porritt氏の加入で再稼働する可能性がある。
とはいえ、既にテスラのModel 3は40万台近くの予約を受付け絶好調だ。AppleのEVは2020年頃の実現を目指しているということだが、ずいぶんと遅くなってしまうのではないだろうか。
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(記事情報元:Electrek)