Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOは木曜日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と面会を行ったようです。内容については明らかにされていませんが、貿易(米中貿易戦争に関わるもの)・米国への投資・移民問題、そしてプライバシーについて話し合ったものと思われます。
この面会についてはティム・クックCEOとトランプ大統領のどちらも、またAppleやホワイトハウスも全く公表していませんが、大統領の娘で顧問のイヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump)氏によって明らかにされ、ホワイトハウスのスポークスマンによって確認されたため、事実であることが判明しました。
しかしロイターの報告書には詳細な説明はほとんどないのが事実です。
トランプ大統領がクックCEOとの面会を行ったことは、トランプ大統領が技術開発について知事と開催した行事中に、娘であり顧問のイヴァンカ・トランプ氏が発表しました。
クックCEOはホワイトハウスへ頻繁に訪問しており、職業訓練と教育イニシアチブについて、イヴァンカ・トランプ氏と協力関係にあります。トランプ大統領はしばしば、仕事と投資をアメリカに戻したビジネスリーダーとしてクックCEOの名前を出すほどです。
ホワイトハウスのスポークスマン、ジャッドディア氏は、木曜日にトランプ大統領がクックCEOに「貿易、米国の投資、移民、プライバシー」について話したことを認めています。しかしAppleの広報担当者はコメントを求めても返答がない状態です。
しかし、クックCEOがトランプ大統領との間で話し合われたと思われる内容のうち、2つの問題については、トランプ大統領と話し合うことがAppleの会社にとっての「安全策」といえるでしょう。
1つ目には、中国との貿易戦争における、大統領の政策のエスカレーションについてです。
これまでのところ、Appleにとってはアクセサリーだけが中国から米国に入ってくる商品の25%の輸入関税に見舞われていて、製品そのものは輸入関税の対象外となっています。しかしトランプ大統領がその脅威を更に強調し、輸入関税対象の範囲を広げるのであれば、Appleの製品全てが輸入関税の対象となってしまうでしょう。それはAppleが米国の消費者には関税を載せた価格で販売しなければならないか、または会社の収益そのものに大きな打撃を与えることを意味します。
AppleはiPhoneについてはこれを回避するために、中国以外の国々で米国販売向けのモデルを組み立てることを計画していると伝えられています。現に、一部のiPhoneは南米やインドなどでも生産が始まっています。しかし、それは同社にとって大きな物流上の頭痛の種となるでしょうし、実際現実的には中国以上にiPhoneのようなハイテク製品を安価で作れる場所がないことも問題です。またAppleの他の製品ラインについても同じことが当てはまるかどうかは不明です。
2番目にありそうな話題は、Appleを含む米国の複数のテックジャイアントに対する連邦政府の反トラスト(独占禁止法違反)調査の話が増えていることでしょう。今月初め、法務省は、Apple社による反競争的行動に対する「前例のない広範囲な調査」を検討していると報じられています。
米国政府は、Google、Apple、Amazon、Facebookが巨大な市場支配力を悪用しているかどうかを調査する準備を進めていて、世界最大手企業に対する前例のない広範囲な調査となる可能性があります。
2つの情報筋によると、米国の独占禁止法を執行する連邦取引委員会と司法省は、4つの会社の監督をFTCの監視下に置き、またAppleとGoogleを司法省の監視下に置いたとされています。
しかしAppleに対する反トラスト法に関する調査は今回が初めてではありません。Appleは既に司法省の調査を受けていて、またEUによるApp Storeのポリシーに関する独占禁止法違反に関する調査も受けています。更に、反トラスト法に関しては2つの訴訟を起こされている状態です。
ティム・クックCEOはこれまでに何度かトランプ大統領と会いましたが、それに関しては自社従業員からも批判されたことがあります。しかしクックCEOは、ただ傍観しているよりも常に変化を起こした方がいい、と反論しています。
現在複数のメディアがAppleに対してコメントを求めていますが、まだ回答が得られていないとのことです。
ただクックCEOや特に自分の政治的活動の成果を喧伝したがるトランプ大統領さえも何もコメントを出していないということは、恐らくあまり建設的な話し合いにならなかったか、特に目立つような結論が得られなかった可能性があります。
記事は以上です。
(記事情報元:9to5Mac)