これまで多くの情報によって、インテル(Intel)が2020年にiPhoneに対して次世代通信規格5Gベースバンドモデムチップの支給を開始することが証明されてきましたが、もしかしたらインテルはその歩みをもっと早めているかもしれません。
当ブログでも11月3日に、2020年のiPhoneからインテルの5Gモデムチップを採用するという情報をお知らせしていました。
インテル、XMM8610チップを発表、提供時期を半年前倒し
インテルが発表したXMM 8160チップは最高毎秒6000ギガビットのスピードとなり、現在最新のLTEモデムに比べて3〜6倍の速度となります。またリリース時期を半年ほど前倒しして、2019年末には提供開始可能となるとされています。
インテルのXMM8610はマルチモード5Gチップ
昨年11月17日、インテルは初めての5G商用マルチモードモデムチップ(ベースバンドプロセッサ)のXMM8000シリーズを発表しました。また当時発表されたXMM8060とその後継のXMM8160は、同時に6GHz以下の低周波やミリ波に対応するマルチモード5Gモデムで、5G NR(New Radio)の単独で動作するスタンドアローン仕様と、LTEと連携するノンスタンドアローン仕様の両方をサポートします。その上、従来の4G・3G・2Gも全て1枚のチップに内包しているというものです。このシリーズにはPC、携帯電話、モデム、自動車などに対応しており、これらのデバイスで次世代5G通信が実現するようになります。
AppleはXMM8160の後継のXMM8161を採用か
インテルによれば、最初のXMM8160 5Gモデムチップを搭載した商用スマートフォンは、2020年前半に史上に登場するということですが、Appleは次のバージョンのXMM8161を待つのではないかともいわれています。
他のスマホメーカーは圧倒的にクアルコム製の5Gチップの採用を決定
インテルの5Gチップは、クアルコム(Qualcomm)との競争に晒されています。現在多くのスマートフォンハードウェアメーカーがクアルコムの5Gチップを採用しています。例えば、サムスン(SAMSUNG)、ノキア(NOKIA)/HMD、ソニー(SONY)、シャオミ(XIAOMI 小米)、Oppo、Vivo、HTC、LG、ASUS、ZTE、シャープ(SHARP)、富士通(Fujitsu)、OnePlusなどなど。。少なくとも18ものメーカーがクアルコムのSnapdragonX50 5G NRモデムの採用を決めています。
インテルにとってAppleは強力な追い風に
インテルのモデムチップを採用するメーカーは少ないのですが、その中で最も有力かつ超強力なのはやはりAppleです。Appleはクアルコムと特許に関する係争を抱えていることから、今年のiPhone XS/iPhone XS Max/iPhone XRから100%インテルのベースバンドモデムチップを採用しています。インテルはAppleの後押しもあり、その技術の向上と納期改善を急速に進めているようで、実際に業績がアナリストの予測を上回っています。これはAppleを代表とするインテルモデム陣営としてはいい傾向かもしれません。
記事は以上です。
(記事情報元:Forbes、The Verge)※画像は全てIntel社によるものです。