AppleのiPhoneディスプレイのサプライヤの一つ、ジャパンディスプレイ(以下JDI)は、新しいLCD(液晶)モジュールで第2世代【Pixel Eyes™】の量産出荷を開始したことをニュースリリースで発表、その詳細を明らかにした。
JDIによる第2世代【Pixel Eyes™】の説明は以下の通り。
プレミアム モバイル端末向け 第2世代の量産出荷を開始
Pixel EyesTMは、タッチセンサー機能をディスプレイに内蔵する当社独自の技術搭載製品です。
センサー電極の配置や構成材料を工夫することにより、更なる狭額縁化や黒の表現力の向上、濡れた手で触れても誤動作しにくく、より細い電子ペンで線を描けるようになったことが第2世代Pixel EyesTMの特徴です。なお、この新技術は、他の方式に比べ、高精細パネルや10型クラスの中型パネルへの適用も容易に可能です。
【第2世代Pixel EyesTMの主な特長】 第1世代 第2世代 額縁 0.8mm 0.5mm パッシブスタイラス先端径 2.0mm 1.0mm 適用サイズ ~6型クラス ~16型クラス
上記の特徴の中で最も有用と思われるのは濡れた手で触れても誤動作しにくい特徴であろう。これまでのスマートフォンでは、水中や濡れた指での操作には難があったからだ。
AppleのiPhone、iPadシリーズやApple Watchは難があるどころか濡れた指で操作しようとするとほぼ全く反応がない(風呂上がりでよく拭いていない指で操作する経験をしたことがある人はすぐわかるだろう)。それが改善するということも朗報だが、更にAppleは最近デバイスの防水に関する複数の特許を持続して取得していることから、将来的にAppleがモバイルデバイスの防水化を機能として追加するのは確実とみられている。もしこのJDIの新しいLCDモジュール、第2世代【Pixel Eyes™】がiPhoneに搭載されれば、その防水機能への大いなる援護射撃になると思われる。
なお、JDIの第2世代【Pixel Eyes™】が次世代iPhoneの【iPhone 7】に搭載されるという情報は、先週の頭頃にThe Motley Foolによって既に報道されていた。JDIは既にこの第2世代【Pixel Eyes™】の量産出荷を開始したとしているため、夏頃に量産に入ると考えられている【iPhone 7】の量産には十分間に合うということになる。
JDIは現在でもAppleのiPhoneのサプライヤーではあるものの、JDIの第2世代【Pixel Eyes™】が確実に次世代iPhone 7或いはiPadやApple Watch等の別デバイスや更に将来のデバイスに採用されるかどうかはもちろん確定した情報ではない。しかしAppleとJDIは2016年に17億ドルを共同出資してディスプレイ工場を作ることに合意しており、今年リリース予定の【iPhone 7】と来年リリース予定の【iPhone 7s】にJDIのディスプレイが使われないということは考えられにくい。
画蛇添足 One more thing…
また、第2世代【Pixel Eyes™】は細いペン先のスタイラスでも使えるようになるということで、もしこれがiPadシリーズに採用されれば、iPad Proのオプション製品【Apple Pencil】の今後の改良などにも繋がっていくかもしれない。3月の新製品発表イベントで発表されるかもしれない【iPad Air 3】には間に合うかどうかは微妙なところだが。。
なお、再来年の2018年リリース予定の【iPhone 8】以降のディスプレイには現行のLCDに代わって【有機ELディスプレイ(OLEDやAMOLEDとも)】が採用されるため、これに関してはJDI・シャープ(iPhone等のメイン組立工場フォックスコン”Foxconn”の親会社ホンハイ”Honhai”の資本を導入して再建中)からなる日本勢、LG・サムスンからなる韓国勢、そして台湾の友達光電が有機ELディスプレイの研究開発と製造への大規模な投資をしており、これらのメーカーによる争奪戦になると考えられている。
記事は以上。
(記事情報元:Macrumors, 株式会社ジャパンディスプレイ)