iPhone 6sが本当にレンガ化!中国で宅配便が絡む珍事件が発生

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

日本語ではiPhoneなどのモバイル端末が壊れて全く使い物にならなくなるのを”文鎮化”というが、英語や中国語では”レンガ化”という。そして正にiPhone 6sが”レンガ化”する珍事件が中国で発生した

「以前ネットで携帯電話を宅配便で送ったら”レンガ化”したという話は見たことあったけど、まさか自分にも起こるなんてね!」

iPhone 6sが本当にレンガ化、しかも半分に。。

華西都市報によると、11月24日、中国四川省成都市に住む熊(ション)さんは、勤務先の携帯電話ショップで泣くに泣けない表情を浮かべた。

11月21日に熊さんは“百世汇通”という宅配便業者を使って、6,000元(約11万5000円)以上の価値があるiPhone 6sを友人の費(フェイ)さんに送った。次の日に費さんが小包を受け取って開けてみたところ、iPhone 6sはどこかに消えてなくなり、その代わりに半分に割られたレンガが入っていたという。

▼熊さんの友人、費さんが受け取った小包を開けた状態。

iPhone6s_レンガ化_中国_1

▼熊さんが“百世汇通”を使って送ったiPhone 6s。熊さんは送る前に写真を撮っていた。

iPhone6s_レンガ化_中国_2

▼熊さんが“百世汇通”で送った証拠となる、宅配便送り人控え伝票。

iPhone6s_レンガ化_中国_3

 

なお、既にこの件で熊さんと費さんの2人は警察に通報済みで警察が捜査中で、宅配便業者の“百世汇通(Huitong)”も社内調査に入っているという。

 

荷送人の熊さんはiPhone 6sを友人に送る前に、写真を撮るなど十分な証拠を残していた

熊さんは携帯電話ショップに勤務していて、普段はスマートフォンの修理を担当している。彼は、峨眉山という田舎に住んでいる費さんの代わりに最新のiPhone 6sを代理購入。買ったiPhone 6sを受け取り、手続きを終えた後、間違いなく本体や保証書などの資料を一式揃えて小包に入れたという。

「宅配便を送る前に、わざわざ写真を全部撮って証拠に残したんです。私の同僚もその全過程を見てましたよ。」

11月24日、熊さんは華西都市報の記者(以下記者)に対してその事前に撮影した写真を見せた。また同僚もはっきりと熊さんが間違いなくiPhone 6sを小包に包んでいたのをその目で見たことを証言している。

11月21日、熊さんは費さんに送るためのiPhone 6sを、もう1台の修理委託品と共に宅配便業者の“百世汇通”の配達員に手渡した。その際に、伝票上にも間違いなく”手機(携帯電話)”と書いたという。

「配達員は集荷の際に目の前で開封確認はしませんでした。そして18元の費用を払いました。私は紛失保証をつけるように要求したのですが、なぜそれが記録されていなかったのかわかりません。」熊さんによれば、これまで数十回宅配便で携帯電話やスマートフォンを送ったことがあり、毎回紛失保証をつけていたという。「数元から数十元ですが、これまでこんなことは発生したことがありませんでした」

 

荷受人の費さん:iPhone 6sが本当にレンガ化!通報し、警察も調査に乗り出す

「私は配達員の目の前で小包を開封しました」と費さんは証言する。11月22日当日、彼はわくわくしながら小包を受け取り、喜び勇んで小包を開けてみたところ、なんと半分になっているレンガがあった。「私はその場で、サインと受け取りを拒否しました」

費さんは、その場で配達員に小包の状態を調べてもらったところ、その配達員はその小包は2回に分けて梱包された可能性があると伝えたらしい。その後、費さんは熊さんと連絡を取り、次の日の23日の明け方までに宅配便業者の“百世汇通”の公式サイトにクレームを出した。

その後、熊さんと費さんは手分けして、宅配便業者の“百世汇通”の成都と峨眉山の両方の会社にクレームを提出。また24日には熊さんが管轄の警察署に通報、警察も調査に乗り出しているという。

熊さんはしょっちゅう携帯電話の代理購入を行っており、こんなことが起こると彼の信頼に大きな傷が付くという。「一緒に出したもう1台の携帯電話も、まだ目的地に着いておらず、どうなっているのかもわかりません。宅配便業者には私の損失の賠償をした上、誰がやったのかを探し出して、私の名誉を回復してほしい」と熊さんは語っている。

 

宅配便業者“百世汇通”「小包の重量が途中で変わっている。だいたいの目処はついた」

24日の午前、記者は成都市の神仙樹北路の“百世汇通”の営業所で、熊さんの小包の受け取りをした配達員の羅(ルオ)さんから話を聞き出すことができたという。彼は自らは熊さんが発送したiPhone 6s等の携帯の小包を取り替えたことは一切ないとしながらも、一方では規程に従わず、小包を発送する際に中身を確認しなかったことも認めた。その理由は「彼らはしょっちゅうものを送っていて、既に親しいからね」ということだった。

他にも、営業所の社員によれば、熊さんが送った小包は営業所に集められた後、成都の集積所に送られ、その後峨眉山の営業所に送られた後に最終的に宅配されるという。熊さんの小包の運送記録によると、成都の集積所では0.8kgだったのに対し、峨眉山営業所では1.5kgに重量が変化していたという。

「間違いなく、その間にいた人が悪さをしたんですよ」とある従業員は明かす。そして熊さんに監視映像などをチェックすることを勧めている。

記者が宅配便業者の“百世汇通”のカスタマーサービスに連絡を取ったところ、既に調査は開始しており、調査結果が出るまでには少し時間がかかるとの回答だったという。

24日午後、記者は“百世汇通”の関係担当者の趙(ジャオ)さんと連絡を取ることができた。彼女によれば、現在会社は積極的にこの内部調査を進めており、監視カメラ映像等の手段を使って、だいたいの容疑者を突き止めており、更に進んだ調査に入っているという。そのほか、趙さんは熊さんに警察に協力して様々な証拠を提出してもらえることを望んでいるとも話している。

 

宅配業者協会:今年は似たようなクレームが既に4、5件発生

24日午後、記者が成都市物流協会を取材し、担当者の黄(ホアン)さんから話を聞くことができた。それによれば、今年以来、協会が受け取った今回の熊さんのようなクレームはあまり多くなく、だいたい4、5件だという。

黄さんによれば、物流協会は頻繁にトレーニングイベントを行い、会員達にサービスの質をあげるよう求めているという。また、毎年物流業者の信用度のランキングを発表しており、もし協会がある業者に関するクレームを受け取ったら、その業者は評価の対象外となるという。

 

弁護士の見解:小包の取り替えは窃盗罪、宅配便業者は全額賠償をし、警察に通報すべき

北京安博(成都)弁護士事務所の胡暁弁護士は、もし熊さんと費さんの言っていることが事実であれば、宅配便業者は損失の全額を賠償し、また警察に通報して助けを求めるべきだという。

「全ての物流のプロセスが“百世汇通”社の従業員の手で行われ、第三者が絡まないのであれば、容疑者は同社の従業員となり、同社は賠償責任を負うべきだ。また、小包の取り替えという行為は既に窃盗の嫌疑があり、公安が調査に介入すべきで、容疑者の刑事責任を追及すべき問題です」と胡弁護士は述べている。

 

中国では過去にも同様の事件が発生

メディアの報道によると、2011年に、北京の宅配便業者の通州営業所東関事業所のマネージャー孫利民が、他の配達員宗暁東や馬建利等と結託し、複数回顧客が送った携帯電話、高級サプリメント、値段の高いスニーカー、貴金属の首飾りなどの高級品をレンガなど劣悪な製品に取り替えるなどの行為を行い、4万元(約76,000円)あまりの損害を与え、孫利民らは既に刑に服している。

 

画蛇添足 One more thing…

iPhone6s_レンガ化_中国_4

▲中国の宅配便営業所って普通にこんな状態なので、普通にやってても間違いが起こりそうな感じもするが。。笑

ただ、今回の事件は、刑事犯罪でもあるのと同時に、熊さんや熊さんの勤務先が宅配業者の配達員(集荷・配達担当者)と仲が良すぎて予防意識が足りなかったことも大きな原因となったのではないだろうか。熊さんは、紛失保険をかけたことをはっきりと確認していれば、クレームをつけて保険金支払いの手続きを新制すればよかったのだ。それがうやむやになったので、警察沙汰にしてやろうということになったのではないだろうか。ただ、もちろんiPhone 6sが運送中に本当にレンガ(しかも半分)になったというのは確かに話題性も事件性もあることは間違いないが。。

私も中国でものを送る際は、必ず梱包する前に全ての写真を撮り、また梱包し封をする前にも写真を撮る。しっかりとした配達会社の場合は、封をしていても開封して中身を確認してから受け取るので、それで宅配会社の質がわかる。ちなみに殆どの宅配業者はそれをやっていない。規程はあるが、配達員に対して効率化も同時に求められているため(というより恐らく効率化の方が重視されている)、恐らく決まりが形骸化しているのだ。

なお、受け取りの際も、目の前で封を開けさせてくれない業者や、サインさえいらない宅配業者もある。日本と違い、中国は物流は多くの業者が乱立している状態で、質の悪いところもあるのだろう。

値段の高いものを宅配便で送る際には、やはり中国では郵便局のEMS、或いは宅配便でも最大手で少々高いが間違いなく安心できる順豐速運(顺丰速运、SF Express)、そしてもし集荷範囲内であれば日本のクロネコヤマトも中国の大都市には進出しているので、値段が高くなってもそれらをオススメしたい。もちろん、その際にも熊さんのように事前に写真を撮って証拠をできるだけ多く残しておくことをオススメする。また、紛失保険は必ずかけておきたいものだ。

記事は以上。

(記事情報元:iPhone中文网

Visited 51 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人