Appleのティム・クックCEO、中国政府の圧力に屈したという外部からの批判に反論

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米Apple社のティム・クック(Tim Cook)CEOは、先日中国・烏鎮(WUZHEN)で行われたWorld Internet Conference(世界インターネット会議)において、Appleが中国の言論の自由のために戦う道徳義務を履行していない、という批評に対して、反論を展開しています。

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Apple’s CEO Tim Cook on Sunday attends the opening ceremony of the Fourth World Internet Conference in Wuzhen town in Tongxiang, East China’s Zhejiang province. (Chinatopix/AP)

Appleは現地のカスタマーや人権組織から複数の攻撃を食らっており、その原因は同社が中国政府の圧力に屈し、政府の要求通りに中国のApp Storeからアプリやコンテンツを削除したからです。

アメリカのパトリック・リーヒ連邦上院議員はインタビューで、Appleは中国の言論の自由に対する圧制について引き続き対抗すべきだとも述べています。

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Senator Patrick Leahy

Appleは中国政府の圧力によって400個ものVPNアプリを削除したことにより批判されており、これらのアプリは中国独特のネットワークファイアウォールによる制限を超えることができたものです(現在は大半が繋がらなくなっていますが)。VPNアプリは全てのデータの暗号化が可能なため、政府はVPNを介してやりとりされるネット上のパケット内の通信内容を遮断したり追跡することができません。

Reuters社によれば、クックCEOは、自身が自由を堅く信じていることを明らかにしていますが、それと共に中国の変化については楽観的な態度をとっているということです。しかし同時に、クックCEOは企業としては、どうしても各国政府との協力について何とか方法を見つけて適応していかなければならない、と語ったということです。「私は時間が経つにつれ、一部のもの、一部のある理由によってインターネットに接続することが制限されているものについて、皆さんの協議と提携を経ることで、また戻ってくることを望んでいます」。

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クックCEOは「私は時間が経つにつれ、一部のもの、一部のある理由によってインターネットに接続することが制限されているものについて、皆さんの協議と提携を経ることで、また戻ってくることを望んでいます」。「私はそれについて大きな希望を持っていますし、非常に楽観視しています」とも述べ、更に彼は常に双方が受け入れられる提携が進められる分野を常に努力して探しているとしました。その上で、もし彼自身が外から批評を受けたとしても、それは自然に任せるとして意に介さない態度を表明しています。

他にもクックCEOは、Appleとテンセント(Tencent、騰訊)の関係が緊張した関係になっていることも述べています。テンセントはWeChat(ウィチャット、微信)の中でミニアプリを提供しており、このミニアプリはクロスプラットフォーム仕様であることから、ユーザがそれぞれ独立したサービスのアプリを各OS毎にダウンロードする必要がなくなったことを意味しています。しかし彼は、このような状況こそが逆にAppleにとって有利だと捉えているようです。

クックCEOは、AppleはWeChatのエコシステムを歓迎するとし、それによってAndroidユーザがiPhoneのiOSシリーズに移行するためのコストを削減しているから、と積極的に捉えています。更に、このテンセントのエコシステムが中国のスマートフォン市場でのシェアは15%となっているとしました。

「テンセントが中国で普及することは我々にとっては有利なのです。なぜならWeChatはiPhone上でのソフトウェアの完成度が高く、それによってAndroidユーザがAndroidエコシステムから離れ、iOSプラットフォームに入ってくることができ、同時にあなたが(ミニアプリで)入出力した全ての情報を失うことはないのです」とクックCEOは指摘しています。

またクックCEOはiPhoneの中国での販売台数について、「とても嬉しく思う」と発言しています。

中国に対してのリップサービスが多かったAppleのティム・クックCEO。ともかく中国なしではAppleも経営がやっていけないところもあり、郷に入っては郷に従うという商売の基本を遵守しながら、非常に現実的にものごとを進めているものと思われます。その辺は、スティーブ・ジョブズは下手だったのかもしれません。

ティム・クックCEOの今回の中国で行われた世界インターネット会議の基調講演で主に語ったことについては、当ブログでも先日の記事でまとめています。

ちなみに当ブログでは、中国のインターネット規制を回避するためのVPNサービスを提供しています。iOSでも問題なくご利用になれます。

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記事は以上です。

(記事情報元:Washington Post

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