現在のところ、Appleもその他のメーカーも、折りたたみ式のスマートフォンを商業ベースでリリースしていませんが、Patently Appleの報道によると、今週Appleが米国でフレキシブルディスプレイの特許を取得しました。興味深いことに、その中には折り畳み端末で最も厄介な部分であるヒンジ構造の記載もあります。なお、Appleが折り畳み可能ディスプレイの特許を取得するのはこれで2回目となり、前回は2年前の2016年11月でした。
折り畳み可能なフレキシブルディスプレイの原型は2013年に既に登場していました。また各ディスプレイメーカーも生産の準備に入っているようです。特に韓国のサムスン電子(SAMSUNG)が恐らく最初のフレキシブルディスプレイ搭載スマートフォンを販売するメーカーとなり、その後に中国メーカーのファーウェイ(HUAWEI、華為)、シャオミ(XIAOMI、小米)、Oppoが続くものとみられています。
Appleが取得した米国の最新特許の標題は非常にシンプルで、”フレキシブルディスプレイデバイス”となっていて、米国での特許番号は10,104,787となっています。特許出願書類の描写によれば、「フレキシブルディスプレイがヒンジによって折り重なって連結されたシャーシに装着可能になる。デバイスのシャーシ部分が互いに(ヒンジの軸を中心に)回旋したとき、フレキシブルディスプレイも曲がる」とされています。
上記の画像をみれば、Appleのエンジニア達が、あらゆるフレキシブルデバイスの形状を想定していることがわかります。FIG.24のようにシャーシが3枚+2つのヒンジの三連構造になっているものや、FIG.22のように金属のヒンジを使わず、溝を少し深くするような感じのフレキシブルヒンジで折り畳みを実現するタイプもあるようです(シャーシそのものも柔らかい可能性があります)。
ただ、これまでの報道では、Appleは短期内に折り畳み可能なiPhoneをリリースする可能性は少ないと思われます。業界では、Appleが折りたたみ式デバイスをリリースするのは最も早くても2020年、またはもっと後になるといわれています。そしてもちろん、来年2019年の次世代iPhoneに折り畳み式が採用されるという情報は一切ありません。
恐らくAppleは、Android陣営が先に折り畳み式スマートフォンを発売するのを待っていると思われます。そこでどれだけ折り畳み式スマートフォンが成功するかのマーケティングをし、もしそれが成功すれば、または改善点すれば成功するという見込みがあれば、Appleも後追いで折り畳み式iPhoneをリリースする可能性があります。
なお、以前Appleが取得していたフレキシブルディスプレイの特許については、以前当ブログでも紹介しておりますのでご参考まで。
しかしゲームでもない限り、折り畳み式ディスプレイ搭載スマートフォンが、従来のソリッドなものよりも便利になるとは、今のところあまり具体的に想像できません。フレキシブルであるが故の、折り曲げによる疲労や、切れてしまう、傷つきやすいなどの特性による故障も心配です。
記事は以上です。
(記事情報元:Patently Apple)