Appleは社内チーム”Project Titan(プロジェクト・タイタン)”で自動運転車ユニットの開発をしていることは公然の秘密となっていますが、そのリーダーをこれまでのダグ・フィールド(Doug Field)氏から、AI(人工知能)と機械学習に関する最高幹部であるジョン・ジャナンドレア(John Giannandrea)氏に変更したことを、BloombergでMark Gurman氏が伝えています。
これまでテスラで長年エンジニアリングチームを率いていてAppleに引き抜かれた(というより出戻りになった)ダグ・フィールド氏によって率いられていた自動運転車開発プロジェクト”タイタン”には数百人のスタッフがいるといわれていますが、これらのスタッフはAIと機械学習部門に異動したことが伝えられています。
ダグ・フィールド氏の”プロジェクト・タイタン”への参加については当ブログでもかつてお伝えした通りです。
以前、ダグ・フィールド氏はかつてハードウェアエンジニアリング担当上級副社長(SVP)として有名だったボブ・マンスフィールド(Bob Mansfield)氏に報告することになっていましたが、マンスフィールド氏は完全にAppleから引退し、その役割をジョン・ジャナンドレア氏が引き継いだことになります。
ジャナンドレア氏は2018年にAI戦略と機械学習担当副社長としてAppleに入社し、同年後半に上級副社長に昇格して、Appleのエグゼクティブチーム(幹部チーム)に昇進しています。Apple入社前は、Googleの機械学習と検索部門を率いていた大物でもあります。ジャナンドレア氏はApple製品全体におけるSiriと機械学習テクノロジーを担当していますが、そこに現在開発中の自動運転車ユニットも入ったことになります。
今回引退となったボブ・マンスフィールド氏はあのスティーブ・ジョブズ前CEOの時代からAppleの幹部として有名で、実は2012年にAppleを退職しているのですが、チップ技術を担当する上級副社長として結局1年足らずで戻ってきました。他に適任者がいなかったのでしょう。そしてマンスフィールドは2013年にその地位を辞して、パートタイムのコンサルタントとしてAppleに残っていました。
Appleは2014年からテスラなど新興のEVメーカーに対抗するために”プロジェクト・タイタン”を立ち上げて自動運転車の開発・製造に着手したといわれていますが、2016年にその野心は方向性やリーダーシップの問題、技術的課題に面して暗礁に乗り上げたといわれています。その際にチームは上記のかつてのAppleハードウェアエンジニアリング部門のトップだったボブ・マンスフィールド氏が率いることになり、マンスフィールド氏は自動車そのものではなく、他の車に適用可能な自動運転システムの開発に方向を切り替えたといわれています。かつて当ブログ記事でもお伝えした通りです。
このシステムは2017年以来複数の車種で米国カリフォルニア州にて、現在では66台の車でテストが行われているといわれていますが、去年は一昨年に比べ自動運転のテスト用の走行距離が減少したという報告もあります。ただ、所有している自動車の台数は2018年半ばの時点で55台だったことから台数は増えているため、開発が止まっているということではなさそうです。
Appleの自動運転ユニットが登場したら、あなたは自分の車のために買いますか?私は。。試してみたいとは思っています。
記事は以上です。
(記事情報元:Bloomberg)