iOS 11とmacOS High Sierraが先月リリースされました。その2つのバージョンで、Appleはこれまで発生していたiCloudによるユーザ辞書の同期問題を改善したようです。この機能はもとはMac OS X Snow LeopardとiOS 5の時代に導入されていました。これによってユーザはMacでもiOSデバイスでもユーザ辞書に常用する単語を登録しておくことで、入力の時間を大幅に減らすことができるというものでした(一般的なIMEにはどれも昔からついているものです)。
この機能はiOSであれば、設定>一般>キーボード>ユーザ辞書で設定することができます。Macだと、システム環境設定>キーボード>ユーザ辞書タブで設定可能です。
理想的には、同じApple ID(iCloud ID)を持っているユーザは、全ての所有するMacやiOSデバイス(iPhoneやiPad等)でこれらのユーザ辞書の内容が同期され、便利に使えるはずでした。しかし実際はそうなっていませんでした。
これまで、多くのユーザから、ユーザ辞書の同期は時々有効になりますが、時々古いバージョンを削除するだけの機能しか発揮しなかったという報告があがっていました。しかし私も今回確認したのですが、macOS High Sierraを搭載したMacBook Pro 15インチ(2014年モデル)と、iOS 11を搭載したiPhone 7 Plusのユーザ辞書は、問題なく同期されているようです。
iOSデベロッパのGuilherme Rambo氏は、iOS 11とmacOSのCloudKitを使うことで、ユーザ辞書を同期させることができるようになったことを発見しています。
It looks like text replacement sync is also using CloudKit, so it should be more reliable. 🤔 https://t.co/xkEcn7dFVo
— Guilherme Rambo (@_inside) 2017年9月26日
これはAppleが更に確実性の高いAPIによってユーザ辞書を同期させるように仕様変更したことを意味するといえます。そんなわけで、もしユーザ辞書の同期がとれないとお困りの方は、AppleデバイスのOSを最新バージョンにすることをオススメします。とはいえ、macOS High Sierraでは新しいファイルシステムAPFSが導入されていたり、iOS 11では32bitアプリが完全に動作しなくなったりしているので、もちろん使用環境によってはアップデートは控えたほうがいいかもしれません。そこは自己責任で。。
なお、世界的に有名なApple関連のジャーナリストでブロガーのジョン・グルーバー(John Gruber)氏も、今後1ヶ月以内に、iOS 11とmacOS High Sierraユーザには更にアップデートが配布され、そこでユーザ辞書が正式にCloudKitによって同期されることをAppleのスポークスマンから得た最新情報としてブログ“Daring Fireball”上で公開しています。
画蛇添足 One more thing…
ちなみに私はiPhone/iPadもMacも全てJustsystemのATOKを使用しているため、もともとJustsystemのクラウドサービスによって同期ができていたので、あまり意識していませんでした。
iPhone/iPadやMacでApple標準のIMEを使っていて、ユーザ辞書の同期に問題がある人は、上記の通りiOS 11やmacOS High Sierraにアップデートするか、有料ですがATOKなどのサードパーティのIMEを使うのがいいかもしれません。
しかしMac OS X Snow LeopardやiOS 5の時代から6年経ってようやく修正とは、ちょっと時間がかかりすぎてませんか!?と文句の一つも言いたくなくなる気持ちはよーくわかります。。笑
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)