Appleの共同創業者で前CEOの故スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)は、
衝撃的な数の業績によって今も多くの人の記憶に残っている。
しかしインターネットが世界的に普及するために最も重要な役割を果たし、
我々が今現在空気のように触れているワールドワイドウェブ(World Wide Web、以下WWW)の発明に、
スティーブ・ジョブズの働きが役立っていたことはあまり知られていないかもしれない。
最近レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute)で行われた、
CERNソフトウェア技術者でありWWWの発明者であるティム・バーナーズ・リー(Tim Berners-Lee)へのインタービューにおいて、
Apple、いやスティーブ・ジョブズファンにとっては何とも魅力的な物語が語られていることがBusiness Insiderで紹介されている。
バーナーズ・リーは当時、
世界中に散らばっていたさまざまなオペレーティングシステムで動いているそれぞれのコンピュータに蓄積されているデータを、
いっぺんにリサーチする方法を模索していたという。
「全てのオペレーティングシステムは見た目は違うように見えるが、
実は人間はスクリーン上で何かのものを読むか、
何らかのものをクリックしているだけなんだ」
そこで彼は彼自身にこう思いこませたという。
「それらの既存のOSの全てを、
ある一つの仮想システムの中において、
薄いレイヤーでマッピングできたとしたら。。
クールだと思わないか?」
バーナーズ・リーは次に、
彼の上司に彼のアイデアを実現させることを承認させた後に、
何が起きたかについて語っている。
「僕らはクールなマシンを買ったんだ。
そう、NeXTのコンピュータをね!」
と彼は語る。
「NeXTはスティーブ・ジョブズがAppleを追い出された後に作ったマシンだった。
あれには本当に素晴らしいスピリットがあって、
本当にいいデベロッパー向け環境があったんだ。
あれを起動すると、
スティーブがあらかじめ録音していた”NeXTへようこそ”というメッセージが流れるんだよ。
あれはもうパーソナルコンピューティングじゃなくて、
言うならば”インター・パーソナルコンピューティング”だった。
あれは本当にWebをデザインするのに完璧なモノだったよ!」
バーナーズ・リーによれば、
インター・パーソナルコンピューティングの概念は彼から離れなくなり、
最終的にWorld Wide Web(WWW)となるものを作り出すためのインスピレーションを与えたという。
スティーブ・ジョブズの立ち上げたNeXTは、
パーソナルコンピュータ(PC)のブランドを作り出すにはほど遠いものだったが、
結局すぐに彼が以前在籍した会社Appleに気に入られ、買収された。
そしてスティーブはその後CEOに返り咲き、
最終的に彼はAppleをこの惑星で圧倒的な最大のテクノロジー企業へと育て上げたことは皆さんご存じの通りだ。
しかしその前に彼が作ったNeXTが、
World Wide Webの完成に一役買っていたとは、、
もしNeXTがなかったらWWWが生まれておらず、
今頃我々はもっとネットの使い方が不便だったかもしれないし、
もしかしたらここまで世界中にインターネットが普及していなかったかもしれない。
スティーブ・ジョブズはかつて、
「点と点の繋がりは予測できない。 あとで振り返って、点の繋がりに気付くのだ。だから今やっていることがどこかに繋がると信じなさい」
という名言を残している。
彼がAppleを追い出されたこと、
そしてNeXTを作ったことがワールドワイドウェブを生み出したこと、
これらの点が繋がりジョブズがAppleに返り咲くきっかけとなったのだ。
もしNeXTやWWWがなければ、
それこそiMacもなければiPod、iPhone、iPadもなかったかもしれないし、
ビル・ゲイツ率いるMicrosoftのWindowsさえあそこまで成功しなかったかもしれない。
改めて、点と点の繋がりというのは本当に振り返ると大きいものだと考えさせられる内容ではないか。
記事は以上。