販売差し止め要求も!Apple、今度はiPhoneの近接センサーで特許ゴロに訴えられる

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手元に20兆円もの現金を抱えるテック企業の巨頭Appleは、特許ゴロ(パテント・トロール)の格好のターゲットとなってしまっている。そのため、当ブログでも頻繁にお伝えしているとおり、Appleはしょっちゅう特許ゴロに訴えられてしまっているのだ。

511 Innovationsが技術特許侵害でAppleを起訴

そしてまた、一社。。511 Innovationsという会社が先日、テキサス州の地方裁判所でAppleを起訴した。訴状では、iPhoneが使用している近接センサー(Proximity Sensor)が彼らが所有している5つの技術特許を侵害しているのだという。

iPhone-proximity

理由は『iPhone等の近接センサーが5つの技術特許を侵害』

511 Innovationsが持っているという5つの技術特許は1999年から2012年の間に取得されたもので、ある物体に対する多種にわたる光学的特性、例えば色彩や半透明度や光彩などを測定するためのものだという。

その5つの特許は米国特許商標庁のページから確認できる。それぞれ、U.S. Patent No. 6,307,629, 7,110,096, 7,397,541, 8,472,0128,786,844

 

511 Innovationsが特許を入手した複雑な経緯

この511 Innovationsという小さい会社がこの5つの特許をどう手に入れたのだろうか?同社が今週提出した訴状によれば、2013年にJJL Technologiesから入手したという。このJJL Technologiesとは光学写真測定器の世界のマーケットリーダーだという。そしてこの特許はSpectral Sensorsにライセンスされたというが、そのWebsiteは2013年から今でも”工事中(under construction)”だ。

そして更に複雑なことに、このJJL Technologiesはその特許をLJ Laboratoriesから獲得したという。なんだかよくわからない感じだ。ようは、倒産してしまったか何らかの事情で経営が行き詰まった研究所の特許がぐるぐる回っていて、最終的に特許ゴロのところにたどり着いた、というところだろうか。

 

511 Innovations、iPhoneやその他近接センサーを搭載しているデバイスの賠償と販売差し止めを要求

原告の511 Innovationsは被告のAppleに対して賠償要求をしているというが、具体的な賠償請求額はまだわかっていない。なお511 Innovationsは更にアメリカ合衆国でのiPhone及び同社の技術特許を侵害している全ての製品の販売差し止めとサービスの停止を求めている。

 

テキサス州に集中する”特許ゴロ(パテント・トロール)”

面白いのは、ここ数年Appleを起訴している特許ゴロの企業は全てテキサス州に登記されている会社だということだ。有名どころではVirnetX、Dot 23、そしてVoIP-Palなどだ。

なぜ511 Innovationsが特許ゴロと呼ばれているかというと、同社は技術特許を持っておきながら、その技術特許に関する製品を1つもリリースしていないからで、しかもその技術特許を利用して立て続けにテック企業に対して訴訟を起こしているからだ。

 

2015年には月4件もの訴訟を抱えたApple

これまでの統計データによると、2015年はAppleが最も特許ゴロに狙われていて、前半には25回も訴えられている。そして昨年の月平均では4件にも上る。

 

画蛇添足 One more thing…

やはり世界一の市場価値を持つ会社となると狙われてしまうのはわかるが、特許だけで食べている特許ゴロと呼ばれる会社もそのやり方はどうかというのはある。世の中の役に立ってこその技術特許だと思うのだが。。

記事は以上。

(記事情報元:MacRumors

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