9to5Macの報道によると、これまで【iPad Air 3】と噂されていた新しい9.7インチのiPadは、これまでの製品と区別が大きく、iPad Pro製品ラインの一部となるようだ。MacBook Proが13インチと15インチの2つのバージョンがあり、15インチを主にプロユース、13インチは性能と体積において妥協をして比較的一般ユーザ向けにしているように。
ということでiPad Proは今後9.7インチと12.9インチの2種類のバージョンにわかれるということになりそうだ。昨年年初にAppleは12インチMacBookをリリースしたが、AppleはそれをMacBook Airとは呼ばなかった。明らかにMacBook Airの後を継ぐノートブックコンピュータなのに、である。今回のiPadも、Appleはそのような手法をとっていくようだ。
9.7インチiPad Proのリリース時期と性能・スペック情報
これまでのメディアの噂によれば、新型9.7インチiPad Pro(これまではiPad Air 3と報道されていた)は3月15日にAppleが行うとされる春の新製品発表イベントで発表され、3月18日にリリース(発売開始)されるといわれていた。小さいiPad Proの性能や規格はサイズ以外は12.9インチのiPad Proとほぼ同じで、A9XとRAMのアップデートもそのまま、そしてディスプレイもテクノロジーは同じで、しかもApple Pencilをサポートするという。
以前の情報では9.7インチのiPad Pro(iPad Air 3)はSmart Connector(スマートコネクタ)を搭載しており、今回の最新情報ではAppleはこの新しいデバイスのために小さいサイズのSmart Keyboard(スマートキーボード)をオプションとして提供するといい、3月15日の発表イベントで同時に発表されることが期待されるという。9.7インチiPad Proは4つのスピーカーを持ち、カラーバリエーションも内蔵メモリも12.9インチ版と同じになるもようで、価格は従来のiPad Air 2に近いのではないかとのこと。
9.7インチiPad Proの登場でiPad Air 1とiPad mini 2は生産停止か
新しいiPad Proがリリースされた後、AppleのiPad製品ラインの簡略化のため、Appleは既に世代の古いiPad miniとiPad Air 2の製造スピードを落としており、つまりiPad Proのリリースによって現在でもなぜかiPad製品ラインナップに残っているiPad mini 2やiPad Air 1は製造停止となるもようだ。
同時にiPhone 5seとApple Watchの新バンドもリリースか
3月の発表イベントでは、Appleは4インチiPhoneの【iPhone 5se】も発表され、このiPhone 5seにはA9チップが搭載され、ライブフォトをサポート、1〜2GBのRAMを搭載し、Touch IDとNFC機能をサポートするという。更にイベントではApple Watchの新しいバンドも発表されるもようだ。
iPad Pro性能おさらい
iPad Proの解像度は2732×2048で、Retina MacBook Pro以上の密度をもつ。Apple製品ファミリーの中では、5K iMacに次ぐ密度だ。iPad Proは光調整モジュールを搭載し画像の表示効果を高めているほか、材質に酸化金属TFT液晶を用いており、この材質によって1つ1つのピクセルが非常に速いスピードで色を表示し明るさを調整できるようになっているのがメリットで、それによって画面の切り替えの速度も速くなり、動画再生性能も飛躍的に上昇している。
またiPad Proから採用されたSmart ConnectorはSmart Keyboardとの接続のために使われるデータと充電機能を両方備えたポートだ。またiPad Proでは新しくApple Pencilが採用され、Bluetoothによって接続され、遅延が非常に少なく、また圧力や角度によって異なる線を描くことができるようになっている。新しいNotesアプリではApple Pencilによる描画をサポートしており、Apple PencilはLightningコネクタで充電でき、iPad Proに直接挿して充電することも可能だ。
iPad Proには800万画素のiSightカメラが搭載されており、Touch IDをサポート、そして32GBと128GBの2つの内蔵メモリのバージョンが用意され、カラーバリエーションはスペースグレイ、シルバー、そしてゴールドモデルが用意されている。
9.7インチiPad Proも、基本的には上記の性能がそのまま踏襲されるものとみられる。
画蛇添足 One more thing…
やはりiPad Pro miniだった。。以前iPad Air 3のものとされるレンダリング画像などがリークした際に、殆どiPad Pro miniだと書いていたことが現実になろうとしている。
個人的には、これでAppleのiPadの製品ラインはより複雑になるような気がする。
iPad Pro 12.9インチ、iPad Pro 9.7インチ、iPad Air 2、iPad mini 4。。と、製品ラインがまた1つ増えるのである。iPad Air 1とiPad mini 2がなくなるにしても、それはこれまでのiPad AirとiPad miniラインの廉価版として残っていただけで、製品ラインとしてはサブカテゴリに値する。今回の”小さいiPad Pro”9.7インチモデルはサイズが異なるとほぼメインカテゴリに近いのではないかと思う。。ただ、AppleとしてはiPad Pro、iPad Air、iPad miniの3モデルに集約したというとらえ方なのだろう。
これまでのiPadは非常にいい製品なので、iPad 2などからまだまだ買い換えない人が多いようで、そのために新製品への買替え需要が起こらず、iPad全体の業績の低迷に繋がっているようだ。そのあたりの買替え需要を掘り起こそうと、Appleは同じサイズのiPad Proの9.7インチ版をリリースしようと考えたのではないだろうか。いわゆる、高級版iPad Airだ。もちろんiPad Airの性能向上に限界がみられたということもあるのかもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:9to5Mac)