Intel（インテル）社は本日、新しいXMM 7650ベースバンドチップ（モデムチップ）を発表した。この製品はCDMA以外にも高速LTEをサポートしており、ダウンロード速度は1Gbps、アップロード速度は225Mbpsにもなる。Apple Insiderの報道によると、このベースバンドチップがAppleの次世代iPhone、【iPhone 8】或いは【iPhone X】に用いられるのではないかとされている。

これまでIntelとQualcommのベースバンドモデムチップには性能差があった

昨年秋、AppleはCDMAをサポートするiPhoneでIntelのベースバンドチップを使っておらず、従来通りクアルコム（Qualcomm）のチップを使っていた。なぜならIntelのベースバンドチップはVerizonやSprint、日本ではau（KDDI）などこれまでの3GのCDMA 2000系のネットワークをサポートしていなかったからだ。

CDMA2000をサポートしたXMM 7650でIntelが追いつく

しかし、XMM 7650チップの出現によって、Appleは完全にQualcommチップをやめてIntelのベースバンドチップを採用することが可能となった。

Appleは先月Qualcommを起訴、関係が悪くなっている

先月、AppleはQualcommに対して訴訟を起こし、Qualcommに支払っていた特許費用が全く非合理的で、それがiPhone等のコストを押し上げていたとしていたこともあり、Qualcommのチップを続けて使い続ける理由がなくなったからだ。

AppleがQualcommとの訴訟の中で何ら有利な条件が引き出せなかった場合は、当然ながら彼らはQualcommとの提携を打ち切ってIntelとの提携に切り替える可能性が高い。

次世代iPhoneからはIntelのベースバンドモデムチップが独占採用か

これまでの情報によれば、Appleはこの秋に更に最先端で、価格が高い、5.8インチAMOLED（有機ELディスプレイ）を搭載したいわゆる”ハイエンド版iPhone”をリリースするという。またiPhone 7/7Plusの後継機として、iPhone 7s/7s Plusも同時にリリースするといわれている。これらにはQualcommのチップではなく、Intelのベースバンドチップが独占採用される可能性が高いのではないだろうか。

画蛇添足 One more thing…

AppleはQualcommが不当な権利費用をとってコストの上昇になっているというが、もし賠償金を取って現行品や今後の生産品をIntel製のベースバンドモデムチップに切り替えたとしても、それが消費者に直接「売値の引き下げ」として還元されることはなさそうだ。なぜなら、実際iPhone 8或いはiPhone XとされるiPhone発売10周年記念モデルは最低でも1000ドルを超えると予測されているのだから。。

結局喜ぶのはApple社内と株主と投資家だけ、ということになりそうだ。

記事は以上。

（記事情報元：Apple Insider）