カナダ人の著名なハッカーで、脱獄ツールSn0wbreezeや脱獄TweakのiFaithの作者として有名なiH8sn0wが、CydiaがiOS 10(デベロッパ向けプレビュー版)でクラッシュしないことをTwitterでつぶやいたことは当ブログでも紹介し、そのことはiOS 10の脱獄に希望があることを示していたが、今度は動画が登場した。iH8sn0wは本日、以下のショートムービーをYoutubeで公開し、iOS 10の完全脱獄について可能なことを紹介しているが、しかし使用されたデバイスはiPhone 5だったことが物議を醸している。
なぜなら、iPhone 5に使われているのは32bitのプロセッサ(CPU)で、iH8sn0wは恐らく32bitプロセッサにしか使えないハードウェアのセキュリティホール”iBoot”を使用して完全脱獄を成し遂げたのではないかと見られており、これは新しい脱獄手法ではない。つまり、iH8sn0wのやり方では、恐らく64bitプロセッサのデバイスでは通用しないということだ。
現在iPhone 5s以上、iPad Air以上、iPod Touch 6以上に64bitのプロセッサが搭載されており、iH8sn0wはまだ明確にこれらの64bitデバイスが脱獄できるかについては何らコメントをしていない。
今週、イタリアのハッカーLuca Todesco氏がiOS 9.3.3以下を脱獄可能なセキュリティホールを見つけたとしていたが、脱獄ツールの開発には莫大な作業量が発生するため、Todesco氏はその開発を諦めたとしていた。その後Luca Todesco氏が自身で発見したという0-day(ゼロデイ)セキュリティホールを公開し、他の人がこのセキュリティホールを使ってiOS 9.3.3以下の脱獄ツールを開発できるようにした(ちなみにこのセキュリティホールはiOS 10 デベロッパ向けプレビュー版で既に塞がれているため、iOS 10用の脱獄ツールには残念ながら応用できない)。
現在のところ、最新の脱獄ツールは中国のPanguTeam(盘古团队,盤古團隊)からリリースされているが、iOS 9.1(64bitデバイスまで、32bitデバイスはiOS 9.0.2)までしか完全脱獄をすることはできない。Luca Todesco氏、iH8sn0w氏、そしてだんまりを決め込んでしまったギリシャのハッカーチームGSMagic Teamやイギリスと中国のハッカーチームTaiyi Teamなど欧米を主体とするハッカー達がかなり積極的な動きを見せる中、このPanguTeamをはじめTaiG Team(太极团队,太極團隊)やKeen Teamなど、最も実績や実力があり、またマネタイズ能力も持っている中国のハッカーチーム達は沈黙を貫いている。
さて、次の脱獄ツールはどこのハッカーチーム、或いは脱獄ハッカー個人からリリースされるのだろう?脱獄フリーク(JBer)としては正座して待つしかない。
記事は以上。
(記事情報元:iDownloadblog)