Apple、自社独自5Gチップ技術開発を進めている?iPhone 12に間に合うかは不明

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今年秋にリリースされるといわれている次世代iPhone「iPhone 12」は5G対応になるというのがもっぱらの噂ですが、どうやらAppleが5Gモデムチップの自社独自技術開発をしており、もしかしたら一部Appleが開発した技術がiPhone 12に導入されるかもしれないことを示唆しています。

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「iPhone 12」で使用される予定のQualcommのX55 5Gモデムチップ

今回のApple「iPhone 12」の5G対応は世界的にも通信インフラに大きな影響を与えるのは間違いありませんが、iPhone 12本体内部のコンポーネント(部品)に関しても各界から注目を集めています。これまでAppleはその5G対応を実現するために、クアルコム(Qualcomm)と協力しながら5Gモデムチップを開発するとされていました。しかし複数の情報ソースが、どうやら可能性は1つだけではないとしています。TF International Securities(天風国際証券)の著名なApple関連アナリスト、Ming-Chi Kuo(郭明錤)氏の金曜日のレポートによれば、5Gコンポーネントの供給業者は現在まだ完全にフィックスされて折らず、特に物事はそれほど設定されておらず、特にアンテナアレイの電力増幅(パワーアンプ、PA)コンポーネントの重要な供給業者の選定はまだ流動的であることを指摘しています。

なぜなら、Kuo氏はこれまではこのiPhone用5G対応のPA回路はBroadcomとAvagoが設計を担当し、そしてWin Semiが製造を担当すると予測していました。しかし先週の金曜のレポートでは、iPhone 5G PAのサプライヤーとしてQorvoとSkyworksがBroadcomに取って代わり、Broadcomは秋に予想される多くの潜在的なモデルの1つと統合された中高域PAの供給のみに絞られるとその予測を変更したのです。

またFast Companyも先週金曜日のレポートで匿名のソースからの情報として、QualcommのQTM 525 mmWaveアンテナモジュール(PAとQualcommのX55モデムを含むモジュール)Appleが開発しているデバイス設計では動作しないため、QualcommのQTM 525 mmWaveアンテナモジュール設計(PAとQualcommのX55モデムを含む)にこれらのメーカーが「食い込んだ」としていて、Kuo氏の予測を裏付けています。

また同じくFast Companyのレポートでは、AppleがQualcomm QTM 525とは異なる独自の「フェーズドアレイ」アンテナに取り組んでいる可能性を示唆しています。Appleはかつてクアルコムと、2019年に5Gのアンテナからモデムまで全てのコンポーネントに渡ってライセンス契約していますが、Appleとクアルコムにはこれまで係争関係だったこともあり、現在でもAppleにとってはクアルコムが「ロイヤリティに夢中」な会社という印象が拭えないところがあり、iPhone 12に関してもできるだけクアルコムの部品をできるだけ少なくしようとする動きがあることををFast Companyは指摘しています。

さらに問題を複雑化し混乱させているのが、Kuo氏がiPhone 12の5Gの「2×2アップリンク」設計が計画されたと主張していることです。ただ、Kuo氏のいう「2×2アップリンク」設計が明確に何を指しているのかはわかっていません。なぜならアンテナアーキテクチャは、既存の4Gネットワ​​ークを対象とした用語と技術に対して、5Gアーキテクチャに関連付けられたサブ6GhzネットワークとmmWaveの両方で少し異なるからです。

ともかく、Kuo氏とFast Companyのレポートの二者のレポートで一致しているのは、まだiPhone 12に搭載予定の5Gモデムモジュールの内部・外部の設計はまだ現時点では完全にフィックスはされていない、という点です。Kuo氏は、設計プロセスのある時点で、(Apple独自の設計がうまく行かなくなった場合は)全体をクアルコムのパッケージに戻すことができるようになっていると主張しています。

Appleは去年2019年4月に突如クアルコムとの和解を発表し、そこで今後数年間のライセンス契約を締結します。そしてそれと同時に図ったかのようにインテルが5Gモデムチップの自社開発の断念を発表。その後7月にAppleはインテルのモデムチップ部門の買収を発表しました。インテルのモデムチップ部門買収でAppleが手に入れたものは、契約の一環として、3G・4G・および5Gセルラー基準に関連する6,000の特許資産と、ワイヤレス実装技術に関する1,700の資産を含むといわれるインテルのセルラー特許ポートフォリオ、そして半導体と電子産業の両方に「広範な適用性」を持つわずか500件の特許が含まれています。

Appleはその買収から3ヶ月後の2019年10月から、自社でインテルのスタッフと共に本格的にiPhone/iPad用の5G通信モジュールの自社開発に入っています。その開発期限は2022年に設定されているといわれ、その開発項目にはアンテナだけではなくモデムチップそのものも含まれています。開発期限が2022年に設けられているということは、開発期間は3年と制限されていること、そしてその期間で完成を目指しているのであれば、今年のiPhone 12にはAppleの5G自社開発モジュールは時期尚早で、搭載される可能性は低いといえるかもしれません。ただ、5Gモジュールのうち、上記のパワーアンプなどの一部コンポーネントに他社開発技術や他社製造部品が用いられる可能性はあるのかもしれません。

記事は以上です。

(記事情報元:Apple Insider

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